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RALLY
2024.11.23

競技3日目、万全な体制での再出走を目指し整備に専念

世界ラリー選手権第13戦 フォーラムエイト・ラリージャパン2024 DAY3

11月23日(土)、2024年世界ラリー選手権第13戦「フォーラムエイト・ラリージャパン」の競技3日目が行われました。この日は合計7SS、総SS距離103.87kmで競われます。前日の22日、SUBARUがサポートするSUBARU WRX S4の新井敏弘/井上草汰は車両トラブルのためデイ離脱を決断。チームは23日の再出走を目指しましたが、22日に残された作業時間だけでは完全な修復が難しく、万全の体制で走ることを目標に、23日を整備にあてることとしました。

ダメージを負ったエンジンを修復するため、SUBARU技術本部 車両開発統括部 開発試作課の若手ふたりが、トラブルの発生したエンジンの分解・修復作業を行いました。作業を担当したのは、入社7年目の𠮷田英史と、入社3年目の松崎元気。
普段は量産車の試験、開発中のエンジンやミッションで想定していなかった事象が起きた場合の交換作業を行うことが多い開発試作課ですが、スーパー耐久に参戦する『HIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPT』のエンジン組み立てや分解・チェックなども行っています。

最初に手を挙げたという𠮷田は「主催者の監視のもと、封印を外すことなく作業を行いましたが、事前にある程度情報をいただいていたことと、似たような事象を経験したことがあったので、落ち着いて作業ができました。普段の環境と違う場所で考えながら取り組むという意味では、経験を積むいい機会だと思いました」と語りました。

また、松崎は「モータースポーツの現場、ラリーのサービスは初めてで、こういう場所で作業するとは思いませんでしたね。覗き込んだりして腰が痛くなっちゃいました(笑)。今までどれだけ快適だったかをあらためて感じました。作業内容的には𠮷田さんのサポートをしながら、スムーズな整備ができたと思います」とコメントしています。

■諦めず最後まで戦い抜くSUBARU

23日の7時17分にパルクフェルメから出てきたSUBARU WRX S4。サービスに入った後チームのメカニックたちの手により車体からエンジンが下ろされ、𠮷田と松崎ふたりが修復作業に着手しました。懸命な作業によって14時半前にはエンジンが組み上がり、代わってチームのメカニックたちが車体に組み付ける作業を始めます。16時前には補機類の取り付けが終了。そして、ついにエンジンが息を吹き返しました。

それを見た𠮷田は「ひとまず無事に我々の作業が終わったので、ひと安心ですね。今後に向けたデータの蓄積などにも役立てればと思います」。松崎も「ちゃんと回って良かったです。異音が出たら泣いていましたね」と、ホッとした様子を見せていました。最後に、新井へのメッセージを聞くとふたりとも完走に向けて頑張ってほしい、と笑顔でコメントしてくれました。

現場での対応力がある開発試作課だからこそ実現したエンジン復活劇。新井は「おかげでエンジンが直ったので、明日走り切れるように頑張ります。ラリージャパンの最終日なので、自分でも納得できる走りがしたいなと思っています」と、最終日に向けて意気込みを語っています。

競技最終日となる11月24日(日)は、豊田市と岡崎市にまたがる山間部を舞台としたステージ。豊田スタジアムのスーパーSSを含む5SSで、SS走行距離は70.57kmです。復活を果たしたSUBARU WRX S4、そしてチームへの応援をよろしくお願いします。
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