2026.04.20 - ニュルブルクリンク24時間レース・事前レポート
ニュル予選レース2は、88号車WRX NBR CHALLENGE 2026がSP4Tクラス優勝
4月19日(日)、ニュルブルクリンク24時間レース予選レース最終日は、前夜降った雨の影響で肌寒い朝を迎えました。コース上は全面的にダンプ(湿った状態)で始まり、88号車SUBARU WRX NBR CHALLENGE 2026は、ウェットタイヤを装着してこの日朝の公式予選2に臨んでいます。
この日朝の気温は6℃。コースサイドに立つと、風もあり体感温度は2℃位となっていました。前日の悲劇から一夜明けたこの日の公式予選2は、8時15分開始予定を15分間遅らせた8時30分にコースオープンとなりました。最初に88号車に乗り込んだのは、佐々木孝太です。走り出してまもなく、「おっと、グリップが全くない」、という声が無線から聞こえました。のちに確認すると、コースインして間もなく試しにブレーキをトンと踏んだらハーフスピンしてしまったということです。例によってグランプリコースを1周したのちフルコースを走りましたが、全域ダンプであり、ところによってはまだ雨水が浮いているような状態だったようです。ピットインして井口に交代すると、少しずつレコードラインを中心に路面は乾きつつあり、2周して再び佐々木に交代すると、カットスリックタイヤで走れるほどにコンディションは回復していました。
天気予報でもその後悪化することはなく、レースはドライでスタートできそうとわかると、チームはセットップをドライ用に戻しています。佐々木も井口も、クルマには何も問題がない、と言っていました。13時の決勝レース2がスタートする前に、コース上では前日亡くなったユハ・ミエッティネンさんの冥福を祈る黙祷が捧げられ、厳粛な雰囲気の中レース準備は進められました。この日は、佐々木が出したベストラップタイムにより、88号車は総合39位でグループ2の10番目グリッドからのスタートです。
13時丁度にスタートした第1グループに続いて、第2グループは13時5分にスタートしました。しかし、ここで88号車に不運なアクシデントが発生します。第一コーナーを右に曲がって続く左ターンに入るところで後続車にリアをヒットされた88号車は、スピンして停車してしまいます。その後再スタートして佐々木は、オールドコースに入って行きましたが、リア部の損傷によりボディパーツがバタバタするため、1周回ってピットイン。損傷したリアバンパーとディフューザー、エキゾーストパイプを修理することとなりました。佐々木によると、サスペンションなど走行に関わる部分には問題が無いとのこと。約45分間の修理を経て、コースに戻すことができました。この時点で88号車は、最後尾の108位にまで順位を落とし、トップからは既に5周差をつけられています。佐々木は、ハイペースで前走車を追い、8周後には101周まで挽回し井口にバトンを渡します。コースインした井口も失地挽回のためペースを上げますが、交代して間も無く、「4速以上にシフトアップすると異音がする」、と訴えてピットイン。エンジニアが確認すると、4速ギアに問題があるようです。4速を使わずに残り周回を走破する決断を下して、井口はコースに戻ります。井口は、その状態でも速いペースを維持し続け、レース終盤には9分を切るラップタイムで走行。17時のチェッカーフラッグまで我慢の走行を続け、一時クラス3位まで落とすものの、最終的には総合88位SP4Tクラス首位でレースを終えることができました。
チェッカーを受けた井口は、「多用する4速が無いのは厳しいと思っていましたが、次第に慣れベストラップに近いタイムで走れることがわかりました。それだけクルマの状態は良いと言えるでしょう。24時間レースに向けてポジティブなフィーリングで終えることができました」、と語り、佐々木も「スタートのアクシデントは避けようがありませんでした。それでもチームが力を合わせて修理してくれたおかげで性能を落とさず、レースに戻ることができました。明確な課題もありますが、24時間レースに向けて確かな手応えを感じました」、と話しています。
チーム監督の沢田拓也は、「スタートは団子状態だったので危険だと思いましたが、アクシデントが最低限で済んだのは不幸中の幸いでした。しかし、クルマには十分ポテンシャルがあることがわかり、耐久性の課題はもちろん解決して本番レースに備えますが、まずは良いレースができそうな感触を得ることができました」、と語っています。また、今回総監督として予選レースに臨んだ高津益夫は、「クラス1位で終えられて、ホッとしています。トラブルがあっても皆が諦めずに修復にあたってくれたことを誇りに思います。24時間レースに向けてしっかり準備を進めます」、と話していました。
本年のニュルブルクリンク24時間レースは、5月14日(木)から17日(日)に開催されます。













