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RACE REPORT

2016.10.13 - グローバル・ラリークロス第11戦 ロサンゼルス・レースレポート
第11戦はヒギンズ6位、アトキンソン7位、初参戦となる新井はリタイア
グローバル・ラリークロス(GRC)の第11戦は10月7日、8日にロサンゼルス港で開催され、シリーズ初の日本人ドライバーとなった新井敏弘選手が初参戦、決勝まで進んだもののリタイアとなりました。チームメイトのクリス・アトキンソンは準決勝を3位で進んだ決勝で7位、デビッド・ヒギンズはLCQを1位で通過し決勝で6位となりました。

予選日である7日、決勝日の8日の両日とも気温32℃の晴天。予選日は湿度45%、決勝日は湿度54%で、決勝日のダートセクションはスリッピーでした。コースは9ターン、71.9%が舗装、28.1%がダートとなっており、距離は0.699マイル(1.12km)です。ショートカットとなるジョーカーラップのエントリーはターン3にあって左ターン。このコースは2016年のGRCシーズンでは最短となりますが、タイトなコーナーが多く、ジョーカーラップも活用すれば、オーバーテイクのチャンスは豊富です。総勢13台のクルマが参戦する中、SUBARUラリーチームUSAが持ち込んだSUBARU WRX STI GRCクルマは3台。 アトキンソンの#55号車は16年仕様、新井の#88号車とヒギンズの#75号車は15年仕様がベースとなります。
10月7日に行われた予選では、アトキンソンが44.104秒のタイムをマーク、ポールの選手からのわずか0.359秒差ながら4位。ヒギンズは44.951秒で10位、新井は45.783秒で13位となりました。
アトキンソンは「いい予選だった。完璧じゃないけれど、99.9%という感じ。ポールから0.3秒の差は大満足。アトランティック・シティで0.9秒、続くシアトルでは0.7秒差だったから、トップとのギャップを縮めるのはいい気持ち。まだクルマのポテンシャルを引き出しきっていない感じだから、まだまだ速くなるよ」と言います。 新井は「クルマがすごく速くて、どのギアを使うべきか判断しにくかった。予選中はシフトミスがあって0.5秒くらいロスがあったかな。乗りこなすにはもっと経験が必要だけど、だんだんわかってきたから、明日はもっとうまくいけるはず。コースはとても狭く、短いので僕の得意なハイスピードでのコントロールというところまでは行かない。けれど、もうちょっと慣れたらいけるはず」と語りました。
予選によって振り分けられた7台6周で争われるヒート1Aにはアトキンソンが2列目イン側スタート、5位でフィニッシュ。新井は3列目イン側からスタートし6位でした。新井は「スタートが難しいし、グラベルでグリップはほとんどなかった。チームメイトのクリスが僕の前を走っていたから、彼をプッシュしたくなくて、後続車と戦っていました。ドリフトをしている時、ライバルをアウトに押したり、彼らのラインをふさげたりして、抑えられる。楽しいね、これ。だんだんわかってきている」と言いました。 ヒギンズは6台6週のヒート1Bに参戦。2列目センターからスタートし一時3位までポジションアップしたものの6位となりました。

続く2ヒート目。7台6周のヒート2Aにヒギンズとアトキンソンが出走。ヒギンズは2列目アウト側からスタートし4位でフィニッシュ。アトキンソンは2列目センターからスタートするも接触があり完走できませんでした。
ヒギンズは「クルマのセットアップを変えて良くなりました。タイヤがあたるような接触が多かったけど、いい順位。けれど、その結果一つの問題があって、この順位だと準決勝で僕は最前列のアウト側からのスタートになるので、そこからインに入って行くのが極めて難しい」と語りました。

新井は6台6周のヒート2Bで2列目アウト側からスタート。しかし残念ながら、ターン1でフロントにダメージを受けて6位となりました。新井は「スタートの後、アウトからインに入ろうとしたけれど、どのクルマも似たような加速力だったので難しかった。皆がインにつこうとするので団子状態になって、そこで同時にブレーキしていました。その後は割といい走りができ、ライバルたちと同じペースをキープできたのですが、途中からエンジンパワーが落ちて、ブーストもなくなってしまって、完走するしかできなくなりました。こういうレースには経験が必須だけど、もっとスマートにドライブしたい」と語りました。
ヒートレースとともに2組に分かれて争われる準決勝。ヒギンズは6台6周の準決勝Aに1列目アウト側からスタートし、4位でした。7台6周の準決勝Bには、アトキンソンが2列目アウト側からスタート。新井は3列目イン側からスタートするも、発火により赤旗、グリッドからのリスタートとなりました。アトキンソンは3位となり、決勝進出決定。新井は完走できませんでした。
新井は「スタートでちょっとしくじりました。グリーン点灯の前に前のクルマが少し動きだして、それで迷ってストールしてしまいました。でも、スタートしてラインを超えた瞬間にフードから炎が見えて近づいてきて、これはまずいと思い、消化器のあるオフィシャルのところまで走らせました」。
続いてLCQ(敗者復活戦)が6台4周で行われましたが、参加した全車が決勝に進出することになりました。ヒギンズは1列目イン側からスタートして1位。彼は「いいレースだった! クルマはすごく調子が良くて、LCQとはいえ1位でフィニッシュするのは気持ちがよかった。1位を守って走るのも楽しかったし、決勝もすごく楽しみだ!」と語りました。
12周の決勝は12台で争われます。ヒギンズは3列目イン側からスタート。終盤まで5番手を走行していましたが、終盤のパンクで後退し6位でフィニッシュ。アトキンソンは2列目アウト側からスタートし7位となりました。
ヒギンズは「クルマはとても調子がよくて、すごくいいスタートを切れたので、5位にジャンプアップできました。周りが一斉にジョーカーラップに入った時、僕はそのまま走り、速く周回することに集中したら、ラインを塞げました。しばらくして、後続車がヒットしてきてパンク。それでレースはおしまいでした。仕方がないですね。次のレースのためのいいモティベーションになりました」と語りました。
アトキンソンは「決勝はアウトからスタートするのがタフでした。2列目の悪くないポジションではありましたが、ライバルにぶつけられたり、押されたりした結果、ステアリングにダメージがおよび、ロックするように。それでもいいラップもあったし、最終的には7位に上がれ、あんな状態だったのにタイムも意外と良かったので満足。明日からの第12戦は、もっといい予選タイムをとって前列からスタートできるように頑張ります」と言いました。

続く9日、同じコースで第12戦が行われます。
2016.10.06 - グローバル・ラリークロス第11戦 ロサンゼルス・プレビュー
新井敏弘、GRCマシンをシェイクダウン
10月7日から始まるグローバルラリークロス(GRC)最終戦ロサンゼルスラウンドに出場する新井敏弘が、現地でGRCマシンをドライブ。シェイクダウンテストを終えました。
初めてGRCレースに出場する新井のため、SUBARUラリーチームUSAはSUBARU WRX STI GRCマシンを用意。新井は、8月からチームに合流した旧知のクリス・アトキンソンと同仕様のマシンに乗ってテスト走行しています。場所はカリフォルニア州のウィロースプリングスレースウェイです。ラリー北海道で優勝を果たしたのち、新井は9月29日に渡米し、翌30日にはアトキンソンのマシンで慣熟走行を行っています。さらに、10月3日には、組み上がったばかりの新井車をシェイクダウン。真新しいレーシングスーツに腕を通し、コースインしていきました。GRCイベントは、ターマック路面とジャンプを含むグラベル路面のミックストラックが標準となっており、それぞれの複合コースにあったマシンのコントロールが必要です。マシンのセッティングももちろんですが、ドライバーの経験値とコントロールスキルがものを言いそうです。
テストの様子を新井は、「クルマはかなりパワーがあり、ステアリングさばきも忙しいのですが、サスペンションが柔らかく動かすのはグラベル用のセッティングと似ているので、ターマック路面では早めに(車体の)向きを変え、ドリフトを抑えるようにアクセルを丁寧に開ける感じです。あまり急激にスロットルオンすると、すぐにブレークしてしまうのでその辺は慣れが必要です」と語っています。「テストしたウィロースプリングスは、オールターマックのミニサーキットなのですが、アップダウンが激しくてとんでもなく難しかった。コースを覚えるだけでも大変でしたね。GRCはシンプルなレイアウトが特徴なので、本番ではそのようなことはないでしょう。タイムは正確に計っていないないので不明ですが、感覚的には同じ仕様のマシンで走っているクリス(アトキンソン)の0,5秒落ちぐらいでしょうか。1周1.6kmのコースで、です。本番は得意のグラベルで勝負ですね」
「ビッグパワーのコントロールだけでなく、トランスアクスルとデフとの関係やサスペンションセットとの組み合わせによるクルマの特性を早く掴み、素早く対応する臨機応変性が求められます。複数台数でグラベルに突っ込むレースは久しぶりですが、納得いく走りができるかどうかがキーポイントだと思います。GRCのオフィシャルサイトではライブストリーミング放送もあるようなので、日本でもGRCの雰囲気が味わっていただけるはずです。いずれにせよ思う存分走ってきますので、応援をよろしくお願いします」
GRCロサンゼルスラウンドは、7日金曜日にプラクティス走行セッションがスタートし、予選、ヒートレースを経て、敗者復活セッションを含み8日と9日に決勝レースが行われます。

RACE RESULT

2016.10.13 -
2016.10.07-08 ロサンゼルス
POS No. TEAM DRIVER LAPS DIFF TOTALTIME BEST LAP
1 41 Volkswagen Andretti Rallycross (VOLKSWAGEN BEETLE) Scott Speed 12 8:43.579 41.586
2 34 Volkswagen Andretti Rallycross (VOLKSWAGEN BEETLE) Tanner Foust 12 1.062 8:44.641 42.858
3 0 Chip Ganassi Racing (FORD FIESTA ST) Steve Arpin 12 9.748 8:53.327 42.041
4 38 Chip Ganassi Racing (FORD FIESTA ST) Brian Deegan 12 12.359 8:55.938 42.843
5 18 Bryan Herta Rallysport (FORD FIESTA ST) Patrik Sandell 12 19.239 9:02.818 43.265
6 75 Subaru Rally Team USA (SUBARU WRX STI) David Higgins 12 19.677 9:03.256 43.193
7 55 Subaru Rally Team USA (SUBARU WRX STI) Chris Atkinson 12 20.405 9:03.984 42.41
8 24 Honda Red Bull OMSE (HONDA CIVIC) Mitchell deJong 12 20.749 9:04.328 42.398
9 93 Honda Red Bull OMSE (HONDA CIVIC) Sebastian Eriksson 12 23.966 9:07.545 43.498
10 7 SH Rallycross (GRC LITES) Tanner Whitten 12 26.819 9:10.398 44.594
11 31 Honda Red Bull OMSE (HONDA CIVIC) Joni Wiman 7 5 LAPS DNF 43.733
12 14 AD Racing (FORD FIESTA ST) Austin Dyne 1 11 LAPS DNF 50.656
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