SUPER GT

Editor's COLUMN

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2016.04/09-10 第1戦 岡山国際サーキット2016.04.16

SUBARU BRZ GT300の潜在能力

SUPER GTの2016年シーズンがいよいよスタートしました。開幕戦の舞台となった岡山国際サーキットでは、23位完走にとどまりましたが、SUBARU BRZ GT300はその実力の高さを感じさせる走りを披露しました。公式練習で5番手、Q1セッションでトップと出だしから好調ぶりを発揮。Q2セッションでは4番手となり、それまでのコースレコードを上まわるタイムを記録しました。2015年の開幕戦と比べれば3秒近くのスピードアップを果たしています。さらに決勝日のフリー走行では2番手タイムと好調を維持。決勝レースでは4番手といい位置からのスタートを果たしましたが、天候・温度が予想よりも高かったこともあり、タイヤへのダメージが蓄積し、思うような結果は残せませんでした。それでも、スタートから18周目まで4番手の順位を守り続け、決勝レース中のベストラップは1分28秒519と、GT300クラスの4番手を記録するなどポジティブな要素のあるレースでした。
チームは開幕戦の結果を受け、4月18日(火)〜19日(水)の両日に大分県のオートポリスで開催されるタイヤテストに向けて万端の準備を進めていました。ところが、4月14日(木)夜、4月16日(土)未明に大きな地震が熊本を襲いました。そしていまなお余震と思われる地震が広域で続いています。この状況からオートポリスでのタイヤテストは中止が決定。開幕戦直後のコラムで、テストでの進化を期待していたチーム総監督の辰己英治は、次のように心境を語っています。 「まずは被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。1日も早く地震が落ち着き、物資も行き渡り、そして復興、立ち直ることができるよう祈っております。被災地の方々の気持ちを考えると、テストの中止は妥当な判断でしょう。チームはこのまま5月の第2戦富士を迎えることになるわけですが、3月に富士で行われたテストと開幕戦岡山でのデータを念入りに分析して、タイヤの選定などを進めていくつもりでいます」。
第2戦富士に向けてのポイント

開幕戦を終えて1週間が経ち、徐々に開幕戦で順位を落としてしまった原因が明らかになってきました。やはりタイヤの温度域を外してしまったことが大きな理由であり、「勝つために考えてやったことですが、(タイヤの選定を)攻めすぎてしまいました」と辰己もコメントしています。タイヤのポテンシャルそのものは予選までのタイムが証明しており、いかに最適な温度域をとらえるか、が第2戦に向けての大きなポイントとなりそうです。辰己も、「次の富士は、暑くなる時は真夏のようになりますし、タイヤの選定は悩みどころです」と思いを巡らせています。その一方で、シャシーに関しては岡山の仕様をほぼそのまま使う予定。セッティングの“方向性”は、岡山の予選と同じ考え方で仕上げるとのことです。開幕戦の舞台となった岡山国際サーキットと、第2戦の富士スピードウェイはまったく性格の違うコースであり、もちろんタイヤへの負荷も異なりますが、開幕戦の決勝レースではリヤタイヤに負担をかけすぎていたという判断から、フロントタイヤを活かす方向のセットアップで富士に臨みます。
昨年までのマシンとの大きな違いは、FIA GT3に抜かれづらくなっていることです。その要因としては、コーナリングスピードの向上と、最高速の向上が挙げられます。特に最高速の領域では、すでにお伝えしたとおり2〜3km/hの伸びが見られますが、これはエンジンのパワーアップだけではなかなか到達できない部分です。特に直径42.15mmという吸気リストリクターを取り付けられたEJ20エンジンは、その範囲内ですでに限界に近いチューニングを施されており、大幅なパワーアップは難しいのが現状。そうした制約のなかで、軽量化と空力性能の向上はスピードアップに大きな助けとなっています。

これらの空力パーツが真価を発揮する第2戦富士スピードウェイは、シーズン中盤、そして後半に向けて重要な1戦であることは間違いありません。辰己の語った、「最終コーナーでライバルに並び、1コーナーの進入で前に出る」走りは、開幕戦の岡山で得られた手応えと、空力性能の進化、そしてタイヤの最適化によって実現するはずです。第2戦富士スピードウェイに向け、チーム一丸となって集中するSUBARU BRZ GT300の活躍にご期待ください。

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