2019.04.01 - 富士スピードウェイSUPER GT合同テスト
SUBARU BRZ GT300、尻上がりで公式テストを終える
3月30日(土)・31日(日)の二日間、富士スピードウェイにてSUPER GT公式テストが行われ、SUBARU BRZ GT300は、晴天となった二日目午後の最終セッションで4番手タイムを記録。トラブルによってガレージ内で調整を続ける時間が長かったものの、最終的には本来のパフォーマンスを発揮して公式テストを終えました。
SUPER GT公式テストは、春休み最後の週末となったため、富士スピードウェイには親子連れファンの姿が多数見られました。肌寒い曇り空のもとテストは開始され、井口卓人/山内英輝のドライバーコンビが交互にセットアップを煮詰めるのが目的であったものの、二日目午前の走行終了直前から「加速感が鈍い」症状が出てAMは終了。昼に点火系やECUソフトをチェックし、午後のセッションに臨みました。午後1時間過ぎには、上空を覆っていた雲が流れて陽が射し始め、気温・路温共に上昇。絶好のロングランテスト向けコンディションとなりました。ロングランテストは、周回数を重ねることで燃料減による重量変化によってクルマの挙動がどう変わるか、レースで使用する予定のタイヤがどのように摩耗していくかを見るために重要なテスト項目です。各チームとも積極的にロングランテストを繰り返しました。しかし、午後のセッションの時間となってもSUBARU BRZ GT300は、ピットを離れる気配がありません。それでもエンジニアやメカニックたちは、電気系統、ECU制御、ターボ周り、点火系など、不調の原因を探りますが、抜本的な解決策がなかなか見つからず。しかし、残り時間が10数分となった時、ようやくSUBARU BRZ GT300は復調し、ピットを離れていきました。
STIの渋谷真総監督は、「不調は二日目の午前中後半から徐々に顕著になっていきました。エンジニア達は、あの手この手で原因を追及しましたが、長くそれは解決できませんでした。また初日は、気温・路温が想定より低く、タイヤとセッティングがマッチしない状態もあり、満足にテストメニューが消化できませんでしたが、路温が低い時のセットアップの引き出しが増えたと思います。しかし、最後に燃料系の部品を交換したところ、復調しています。今まで不具合のない部品なので、発見が遅れたのは事実です。去年後半からチームの流れは良い方向に向いてきており、その良い印象のままオフのテストをこなしてきたので、今日の不具合は反省しないといけませんし、開幕戦岡山に向けては万全の準備で臨みます。ロングランができなかったのが残念ですが、レース本番前に課題が顕在化した事はポジティブに捉えています」と語っています。さらに今年のマシンの特徴であるフロントノーズの形状変更については、「フェンダー前方の盛り上がった部分がボディサイドに速い流れのエアを流すことでフェンダー内のエアを吸い出す効果があり、フロントのダウンフォース増加に寄与しています。またヤウィングまで勢いのある空気を導風できることで、リヤのダウンフォース確保に有効であるばかりか、空気抵抗も増えていません。確実に安定したハンドリングおよびトラクション確保に効果を発揮しています」と続けました。