7月9日(土)・10日(日)、宮城県村田町のスポーツランドSUGO(1周3,5865km)にてスーパー耐久シリーズ第3戦「SUGOスーパー耐久3時間レース」が行われ、ST-QクラスにTeam SDA Engineeringより出場した61号車SUBARU BRZ CNF concept(井口卓人/山内英輝/廣田光一)は、ノートラブルで107周約384kmを走破しました。週末のスポーツランドSUGOには、二日間延7,500名の観客が集まりました。
【公式予選】
カーボンニュートラル社会の実現に向けた実験的プロジェクトの一環でスーパー耐久シリーズに挑んでいるTeam SDA(SUBARUドライビングアカデミー)は、本年のスーパー耐久シリーズ開幕戦鈴鹿、第2戦富士24時間レースに続く、このSUGO戦は3レース目の出場となります。今回は、ST-X、ST-Z、ST-1などのグループ1とST-3、ST-4、ST-5クラスなどのグループ2の2レースに分かれ、それぞれ3時間の決勝レースを7月10日に実施することになります。カーボンニュートラルな合成燃料を使うSUBARU BRZ CNF conceptは、GRカローラH2 concept、MAZDA2 Bio conceptと共にグループ2のST-Qクラスに組み込まれています。
6月第1週の富士24時間レースから5週間のインターバルの間に、BRZ CNF conceptはエンジンへのフレッシュエア吸気経路の改良などが施されています。チーム代表の本井雅人監督は、「今回は3時間レースなので、純粋に速さを追求しようということで主にエンジン出力の向上メニューを盛り込んできました。もちろん生産車ベースでレースを戦うことが基本なので、エンジン本体ではなく吸気経路を改めてラム圧活用する改造を施していますと語っています。サスペンションのセッティングも一歩踏み込み、井口と山内のプロドライバー達も納得いくセットアップにまとめることができたようです。その結果、目標としていたST-4クラスの新型GR86のトップ車両よりも速いラップタイムを記録することができ、チームの雰囲気は一気に明るくなります。
【決勝レース】
前日のフリープラクティス、公式予選ともに降ったり止んだりの不安定な天候のもとで行われましたが、10日(日)のSUGO周辺は朝から晴天に恵まれ、一部湿った路面を残していたものの、ドライコンディションで朝8時45分からの決勝レースを迎えることができました。スタート時の気温は、既に25℃を超えていたようです。グループ2出場車両29台中6番目グリッド、3列目から61号車はスタートしましたが、開始2周目にオイルを吹いた車両があり、早々にFCY(フルコースコーション)が提示されることとなりました。
その後、セイフティカーが出動してオイル処理が施され、ようやくグリーンフラッグが振られました。61号車の第一走者は、山内です。山内はリズミカルなペースを築き、序盤からST-4クラストップの86号車を引き離していきます。その後、山内は燃料をフルに使い、スタートから約1時間半後の55周目にピットイン。井口に交代しました。井口もトラブルやアクシデントに見舞われることもなく36周を走行。その時点で86号車を1分以上引き離すことに成功。最終ランナーの廣田も安定したペースで残り周回を走り切り、チェッカーフラッグを受けています。
本井監督は、「今回はシャシーのセッティングもドンピシャであり、エンジン出力があがったことで、ドライバー3名はそれぞれ気持ちよく走れたようです。速いラップタイムでコンスタントに走れるようになり、私自身嬉しかったし、チームのエンジニア達も大いに自信がついたと思います。次のオートポリスは、5時間レースだし、今回欠場した28号車のGR86 CNF conceptも速くなって戻ってくるでしょう。私たちもやれることをやって備えたいと考えています」と語っています。