スーパー耐久

BACKSTAGE COLUMN

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2022.11.28

SUBARU BRZ CNF concept、リタイヤを喫す

11月26日(土)・27日(日)の二日間、三重県の鈴鹿サーキット(1周5.807km)にて、「ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook第7戦SUZUKA 5時間耐久レース」が行われ、グループ2レースのST-QクラスにTeam SDA Engineeringよりエントリーした61号車SUBARU BRZ CNF Concept(A井口卓人/B山内英輝/C廣田光一)は、5時間の決勝レースがスタートしてまもなく車両トラブルでリタイヤとなりました。
今シーズンのスーパー耐久シリーズ最終戦は、木曜日の練習走行、金曜日の各クラス占有走行で始まりました。レースウィーク前にチームの本井雅人監督は、「レースでストレスなく戦うためには、これまでブレーキシステムに改善の余地があったため、富士スピードウェイで行った事前テストでいわゆるスポーツABSを試してみました。ABSの効きやタイミング、前後バランスなどが調整できるタイプのものです。ドライバーにも好評だったので、今回の最終戦で実戦投入するつもりです」と語っていました。しかし、金曜日午前中のセッションで山内がドライブ中、シケイン手前でそのブレーキシステムに異常が発生し、マシンはスポンジバリアに突入して停止。山内には怪我はなく、車体もフロント左側のボディパネルがダメージを受けましたが、チームは修復可能と判断し、ピットガレージで作業を実施しました。本井監督は、この件に関し次のように話しています。「今日のアクシデントは、まさにそのABSシステムがフェールしたことにより、タイヤがロックして発生しました。山内からは、事前にワーニングが出ていたが、一旦消えたのでそのまま入って行ったら止まらなかったと聞いています。本当に申し訳ないことをしました。しっかり見直して、再発しないようにセットし直しました」。
曇り空の下で翌日行われたプラクティスセッションでは、ダメージを受けたBRZのボディは修復が完了し、ABSシステムも不具合解消が確認されており、トラブルフリーで走行を終えています。しかし今回は、コース上でたびたび赤旗が提示されるアクシデントが多発し、各チームはその都度ピットでコースクリアを待つ時間が長くタイミングが削がれるシーンがみられました。午後の予選では、Aドライバー井口とBドライバー山内で直接ライバルの28号車GR86 CNF Conceptに挑みましたが、惜しくも約0.2秒差で今回はスタートポジションを譲ることとなりました。翌日曜日の決勝レース日は朝から快晴で、この時期にも関わらず気温18度前後と過ごしやすい条件となりました。制限が緩和されたピットウォークには、朝から多くのレースファンが訪れ、サーキットに活気が戻ったことが実感できます。10時過ぎからスタート進行が開始され、9クラス合計56台のレースカーが続々とスターティンググリッドに整列していきます。アクシデントの多いこのレースですが、ローリングスタートが切られるとグループ1車両の1台が早速コースアウトして、FCY(フルコースイエロー)が宣言されることに。波乱のレースが予感されます。FCY明けには各車ダッシュし、レーシングスピードで先を争い、周回を重ねていきました。しかし、28号車に従ってオーバーテイクのチャンスを伺っていた山内ドライブの61号車BRZ CFN Conceptは、12周目を終えた第2コーナーで急減速。マシンはグリーンを少し走ってコースサイドに停車し、ピットの無線指示に従って再スタートを試みますが叶わず、そのままリタイヤとなりました。
本井監督は、「なんとも煮えきれない残念な週末でした。今回は、チームの作戦も色々と考えて臨んでいたのですが、それらを発揮する前に終了となってしまいました。原因はまだ正確には分かりませんが、スロットルが作動しなくなったのが、直接の停車理由です。その後、何度かカットオフとスターターを繰り返しましたが、エンジンは問題なく始動するのに、スロットルが効かないので走り出すことができず、リタイヤとなりました。電気系のトラブルなのか、機械的な問題かはまだはっきりしません。一年間の終わり方がこのような形となったのはとても残念ですが、しっかり原因追及してさらに強いクルマに仕上げていきたいと考えています。来シーズンもチャレンジすることは決まっているので、まずはシーズンを通じて変えられないような大きな改善を施して開幕に備えたいと思います。量産車開発で言えば、超ビッグマイナーチェンジのようなものです。アイディアは山ほどありますが、開幕まですでにカウントダウンは始まっています。ファンの皆様のご期待に答えられるよう頑張ります。一年間ありがとうございました」と締めくくりました。
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