2023年SUPER GTシリーズ第5戦決勝レースが、8月27日(日)に行なわれました。前日の公式予選を完璧に制したSUBARU BRZ GT300は、ポールポジションからのスタートです。酷暑への対策やライバルチームの戦略に対抗する作戦など、準備を整え決勝レースに臨みました。
スタートは山内英輝が担当し、逃げ切りを仕掛けます。山内は期待に応えホールショット決め、オープニングラップで2位に2秒31の差をつけました。その後は周回ごとに引き離し14周目には2位に8秒520の大差をつけます。しかし、蓄えたリードはピットストップで使い果たします。山内はダブルスティントを担当し、給油とタイヤ交換してピットアウトしますが、給油時間の長いBRZ GT300は総合17位にまで順位が下がります。ピットインの義務回数1回目を終えた中でも8番手と苦しいポジションです。しかし、山内はそこから怒涛の追い上げを見せ、ライバルマシンをごぼう抜きにします。タイヤ無交換作戦のチームより2秒以上速いラップタイムを刻み、38周を終えた時点で再びトップに返り咲く速さを見せました。その激しい追い上げもあり、山内のタイヤは次第に悲鳴をあげ、想定よりやや早く井口卓人と交代のためピットに向かいました。
井口は総合10位でコースに戻りますが、ピットイン2回目の義務を終えた中では2位につけていました。しかし他のマシンのトラブルでFCYとなります。そのFCYが出る直前に18号車と87号車がピットインしており、その2台はFCY規制の80km/hでしか走行できない井口の前でレースに戻ります。そして直後にレース再開という不運がありました。その結果、井口は総合6位まで下がってしまいます。そこから今度は井口の追い上げが始まり、徐々に順位を戻します。しかしトップとは15秒ほどの差があり、厳しい状況ですが終盤3位にまで順位を戻し、最終ラップでトップとは2.8秒、2番手には1.6秒差まで追い詰めることができ、そのまま3位でチェッカーを受けました。
山内
「ピット時間は決められたルールの中でやっていることなので、仕方ないです。残念なのは2回目のスティントはもう少し長く走る予定でしたが、路面温度が下がってきたことでタイヤが合わなくなってしまい、想定より短かったことです。でも全くミスなく自分たちのレースはできたので、内容は良かったと思うし悔いはないです」
井口 「山内選手の最初のスティントを見た時、ラストの勝負になるな、ということを予感しました。だから気合いが入りプッシュできたレースだと思うし、ラスト5ラップはコース上にとどまるのが苦しい状況でしたが、3位に上がれて良かったです。ピットインのタイミングとか、タイヤ選択とかチームの判断にミスはなかったので、悔しいですが良いレースだったと思います」
小澤総監督
「勝てなかったのは残念ですけど、戦略勝負のところは狙った通りにできて、スピード勝負に持ち込めたのは良かったと思います。ただFCYでアドバンテージをもらった2チームを交わすのは難しかったですね。でも、まだまだタイヤの使い方や作戦にしても改善の余地はあるので、もっと速く走れることが見えたので収穫は大きかったレースです。次は得意のSUGOなので、チャンピオン争いでも一気に追いつきたいですね」
次戦のSUPER GT第6戦SUGOは9月16日(土)、17日(日)に宮城県村田町のスポーツランド菅生で300kmレースが開催されます。シリーズチャンピオンを狙うSUBARU BRZ GT300への応援をよろしくお願いします。