2023.03.27 - SUPER GT公式テスト 富士スピードウェイ
シーズン前最後のSUPER GT公式テストを終える
今年2回目の公式テストは、二日間それぞれ午前、午後に走行枠が設けられ、観客を入れての公開テストとなりました。しかし、初日の天候はほぼ雨。一日を通してウェット路面でのテストとなりました。今回は、かつてSUBARU BRZ R&Dチームのレギュラードライバーだった佐々木孝太を、井口卓人、山内英輝と共に登録。佐々木は、初日午前のセッションで計測3ラップを走行しています。佐々木は、「雨だったので攻めるまでは至りませんでしたが、9年ぶりのBRZ GT300の進化に驚いています。まずは、車体の剛性感がまるで違うと感じました。以前とは異なり、トランスアクスル形式なので、リアの接地感やトラクションがかかる感覚も別物です。他のFIA GT3車両と比べるとロールが少なく、ダウンフォースも大きいですね。また、以前よりもエンジンはパワフルだし出力特性が独特なので、スロットルワークが結構難しい、とも感じました。良い経験になりました」と話しています。
SUBARU BRZ GT300は、外観的にはレギュレーション変更に伴い形状が修正されたリアカウルを装着しています。テスト初日の午後、順調に周回を重ねてテスト項目を消化していきましたが、走行時間が残り50分の時点で井口がピットイン。「異音がしているので、大事をとってピットに入りました」と井口卓人は語っています。異常は、燃料供給システムのようで、のちにインジェクター回りの部品を交換し、問題は解決しています。
テスト二日目の日曜日は、春休み最初の日曜日にもかかわらず、前日に引き続き雨。しかも前日よりも雨量は多く、コース上は部分的に川のように雨水が流れ、レースであれば走行中断になるほどの悪天候でした。そのため、各チームとも連続して走行することなく、ピットボックス内で待機する時間も長かったようです。SUBARU BRZ GT300は、雨量や状況変化を見つつ、断続的に走行とガレージ内整備を繰り返しました。午後は一段と雨足が強くなりましたが、チームはウェットタイヤのテストを実施。セットアップを少しずつ変更し、悪天候の場合のセッティングを探っていました。
チーム総監督の小澤正弘は、「初日はトラブルが出てしましましたが、修理後は問題なく走行できました。前回(岡山で)現象が顕著だったダイリューション(CNF燃料によるエンジンオイルの希釈性)については対策をしてきましたが、このコンディションなのでロングランができず、その場合は概してエンジンオイルの希釈が進む傾向にあるのですが、現段階では正直言って確認しきれてないです。孝太さんの起用については、どこか(のラウンド)で登録する、という具体的な話ではなく、ふたりのレギュラードライバーが今年多忙なため、かなりリスクを伴うなと考えており、とりあえず乗ってもらった、というレベルです。しかし、この状況なので、少ししか乗ってもらえてないです。また、開幕戦に向けては、まだトップタイムを狙いにいく段階にはなっていませんが、チーム全員の力を合わせてなんとか良い状態に持っていきたいと考えています」、と語りました。
二日目午後のセッションを集中して走ったドライバーの山内英輝は、「雨の中でしたが、雨量が多い中でのセットアップという点では収穫がありました。初日の条件下での他車とのタイム差を考えれば、今日は差が縮まっています。また、そんな中でもこういう状況の時、どうやってスロットルをコントロールすればよいかという感覚を掴むことができました。しかし、新しい空力セットがちゃんと試せていないので、もう少し走り込んでおけたらな、と思います。しかし、今日の午後(の路面)はかなり怖かったです。まったく接地感を感じなかったですね」と話していました。
SUPER GT開幕戦岡山ラウンドは、4月15日・16日に岡山国際サーキットで行われます。
SUPER GT開幕戦岡山ラウンドは、4月15日・16日に岡山国際サーキットで行われます。