

5月30日(木曜日)、ニュルブルクリンク24時間レースの公式スケジュールがスタートしました。午前11時からのドライバーズミーティングを経て、午後1時から1回目の公式予選が行われ、夜は同2回目が行われました。1回目の予選後、点検するとブローバイオイルの量が予想以上に多く、大事をとってエンジン交換することになり、予選2回目はフルコース2周のみで走行を切り上げています。

この日は朝からウェットコンディションでしたが、予選1回目がスタートする直前に雨は上がり、各車ともドライコンディションでタイムアタックに臨みました。88号車「SUBARU WRX NBR CHALLENGE 2024」は、久保凜太郎がトップバッター。グランプリコースを1周チェック走行したのち、新品のブレーキ慣らし(焼き入れ)のため、同GPコースを数周走っています。その後、フルコースに向かってタイム計測を開始。「1周目は北コースの奥のほうがドライなのかウェットなのかの情報がないままでしたが、地元チームのほとんどがスリックタイヤのままなので、走れるはずと信じてノルドシュライフェに向かいました。2周目はダブルイエローが出ている区間があり減速しましたが、それでも9分11秒台が出たので、とりあえずは役割は果たせたと思います」、と語っています。

自己採点は70点だそうです。続いてティム・シュリックが乗り、タイムアタックに臨みました。シュリックは、「トラックは完全にドライでイエロー区間もなく、スムーズに走れました。2周目は、トラフィックが多い箇所があって5秒くらいタイムロスしましたが、9分00秒011が出ているので問題ないですね。クルマの印象は、QFレース(4月に当地で行われた予選レース)の時とほとんど変わりません。ちょっと挙動のレスポンスがわずかに遅れる感じがしましたが、タイムに影響が出るほどではないと思います」、とコメント。彼の2周目タイムがこのセッションのベストタイムとなっています。

それまでは明るい空模様で、時折青空がのぞくほどでしたが、3人目のカルロ・ヴァンダムが乗り込み、フルコースアタックに入ると、前半部分に雨が降り始めていました。さらに2周目となると、トラック前半の雨はさらに激しくなり、路面はウェット状態に。そのためタイムアタックは叶わず、4人目の佐々木孝太にバトンタッチすることとなりました。その時点でセッションは残り15分程度だったので、計測のためグランプリコースを回ってから北コースに入らず、直接フルコースに向かいました。かなりの雨量が路面を流れていたため、ウェットタイヤのフィーリングチェックが必要との判断でした。佐々木は、「僕のスティントは、フルコースウェットでした。新しいタイプのウェットタイヤを試す必要があったので走りましたが、計測もしていないので攻めるような走りはしていません」、と話していました。その後、ブローバイオイル量が多いことがわかり、チームは急遽スペアエンジンへの交換作業を始めました。

辰己総監督は、「スペアエンジンに載せ替えて様子を見たところ、ブローバイオイルの件は問題なしでした。 計測できていなかった(佐々木)孝太が走ってクォリファイは完了しています。明日の予選三回目がドライなら、タイムアップが期待できるかもしれないですね」、と語っています。シュリックのベストタイムは、予選一回目では総合40位、SP4Tクラストップでしたが、二回目を終えた時点で44番手となっています。
レースウィーク四日目の31日(金曜日)には、予選3回目(75分間)が予定されています。