SUPER GT

BACKSTAGE COLUMN

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2024.08.19

「スター造りのお手伝いがしたいのです」

マックメカニクスツールズ株式会社 清水正喜代表取締役CEO

今回のバックステージコラムは、アメリカ製プロ用メカニックツールブランドである「MAC TOOLS」の日本法人マックメカニクスツールズ株式会社の清水正喜CEOにお話をうかがいまとめてみました。MAC TOOLSのロゴは、SUBARU BRZ GT300だけでなく、ニュルブルクリンク24時間を走るSUBARU WRX NBR CHALLENGE 2024のボディにも見ることができます。
MSM 清水さん、こんにちは。まずは、MAC TOOLSとはどのような会社なのでしょうか
清水 「MAC TOOLSは、アメリカ・オハイオ州をベースとするプロフェッショナルエンジニアやメカニックを対象とした高品質ハンドツールのブランドです。創業は1938年です。日本では、1980年代にディストリビューター契約を結び、営業を開始しています。私は以前、テクノイルジャポンという会社でMOTULブランドの油脂類販売を行っており、そこでMAC TOOLSと代理店契約を結んでいました。MAC TOOLSは移動販売車でクライアントであるプロメカニックのもとに赴き、直接工具を販売するVANセリングという形態をとっています。自動車エンジニアやメカニックの方は、必ずエンジンオイルやミッションオイルなどを扱っているので、MOTULのビジネスとは親和性が高かったわけです。やがてテクノイルジャポンはMAC TOOLSを子会社化したのですが、2017年に私がテクノイルジャポン社を離れ、MAC TOOLSを再び分社化することになった際に私が事業継承することになったのです」
MSM MAC TOOLSといえば高品質で知られていますね
清水 「はい、その通りです。実はVANセリングという形態は、世界でもアメリカと英国、日本の3カ国でしか採用していない形態です。米英は、メカニックという職業がフリーランスであるため、ツール類は個人所有となっているのが普通です。つまり、自動車整備工場やレーシングガレージでは、ハンドツールは会社支給ではなく、個人が所有し管理するものという習慣になっているのです。また、日本では、古くから職人と言われる方々が道具に精度の高さを求め、まるで武具のように扱うという精神があります。そのため整備士やレーシングメカニックの皆さんは、自分の工具にはお金をかけ、とにかく精度が高く使い勝手の良い物を選ぶケースが多いのです。刃物や加工道具をピカピカに磨き、本人以外の誰にも触らせない、という感覚が現代でも息づいているわけです。MAC TOOLSの工具は、非常に高価ですが生涯保証となっており、弊社ツールユーザーの皆様には安心して使っていただけています」
MSM ハンドツールとは言ってもかなりの種類があるのではないでしょうか。在庫も大変ですね。
清水 「扱い点数は大雑把にいえば約6万点で、本部の常時在庫数はおよそ2万点となります。しかも販売拠点はそれぞれが個人事業主であるVANセラーがメインです。彼らに過大な在庫を負担していただくわけにはいきません。昨今ではPOSシステムを活用しており、お客様からオーダーがあった場合、VANセラーから届いたデータを元に本国のオハイオ州コロンバスにあるデリバリセンターに送ると、ご指定の商品が日本に届きお客様のもとにデリバリーできるまでおよそ一週間と程度なっており、長期間お待たせするようなことはありません。これもサービスの一環と考えており、高い生産性を求めるプロフェッショナルの皆様にご支持いただいている要素のひとつとなっています」
MSM SUPER GTやNBRの影響でSUBARUディーラーの方々がMAC TOOLSを購入しているケースは増えているのではないでしょうか。
清水 「正確な数字は持ち合わせていませんが、おそらくそのようなケースは増えていると思います。NBRディーラーメカニックの皆さんは実際に現地でMAC TOOLSを使っていただいており、参加されたメカニックの方々には気に入ってお使いいただけているでしょう。SUBARUといえば、濃いキャラクターのメカニックさんが多いと聞いています。例外なく彼らはクルマ好きでしょうし、お客様からの信頼感も厚いはずです。彼らの生産性を上げる仕事に貢献できれば私たちも本望です。SUBARUのスターメカニック造りのお手伝いができれば、私たちも幸せです」
清水さん、ありがとうございました。
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