6月14〜15日、宮城県のスポーツランドSUGOで「TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2025」の第3大会が開催され、88号車井口卓人(ブリヂストン)が3位表彰台を獲得しました。

SUGO大会には、井口卓人がチーム代表を務めるTeamTakutyが、87号車久保凜太郎(ブリヂストン)、88号車井口、89号車奥本隼士(ダンロップ)の3台体制でプロフェッショナルシリーズにエントリーしています。今年の3月に、スポーツランドSUGOインターナショナルレーシングコースの路面が全面改修されたことで、各ドライバーとも新舗装のグリップとタイヤの相性に、かなり苦戦しながら週末を迎えました。

公式予選の行われた土曜日は、これまでと一転して朝から雨模様となります。やや強い雨が降る中、87号車久保は全車の中で1番最初にコースインし、ウォータースクリーンを避けたクリアな視界でタイムアタックを狙います。少し間をおいて、88号車井口と89号車奥本もコースインしていきました。20分間の予選中も雨量は安定しない一方で、時間の経過とともにレコードラインは水が少なくなっており、各車とも後半にかけてベストラップを刻んでいくという、過去に例を見ない展開となりました。BRZ勢で予選最上位の3位となった88号車の井口は、11周目でベストタイムをマークしています。87号車久保は8位、89号車奥本は20位で予選を終えました。また、今大会からレースを運営するTRAの新たな取り組みとして予選後のトップ３ブリーフィングが実施され、予選3位の井口が出席しています。さらに、新たなファンサービスの取り組みとして、日曜日の決勝レース前には全選手によるサイン会が開催され、多くの観客が足を運びました。

日曜日のサーキットは強い日差しが照りつけ、気温の上がった夏のような1日となります。決勝レースを3位で終えた井口は、「これだけ路面が変わったSUGOで、厳しい中でもいいポジションで走ることはできたと思っています。レース後半にタイヤが厳しいことを想定し、タイヤの内圧は少し下げて臨みました。しかし、後半にペースを上げることができず、トップ2台のライバルたちと大きく差が開いてしまったことが悔しいです」、と嬉しさの反面悔しさの残る様子です。チームメイトの久保は7位でレースを終えています。また、20番手スタートながらも11位フィニッシュと大幅にポジションを上げた89号車奥本は、ポイント獲得まであと1歩及ばなかったものの、ダンロップタイヤを選択するドライバーの中ではファステストラップをマークしました。「予選の順位の影響が大きかったですが、決勝レースは手応えがありました。BRZでの2戦目ですが気温の高いコンディションも、雨も経験できた週末でした」、と振り返っています。

クラブマンシリーズには4台のSUBARU BRZがエントリーし、最上位は111号車のKen Akexの20位となっています。SUGO大会にはスバルディーラーの有志の自動車部の2チームが参加。611号車スバル東北自動車部 SUBARU BRZの三浦陽貴と22号車埼玉スバル ファルコンBRZの野津太輝はどちらもAライセンス習得して1年未満のルーキードライバーです。このうち、611号車の野津は宮城営業所所属でもありSUGOはホームコースです。「普段もBRZに乗っており、2年前からサーキット走行を始めました。順位はまだ練習不足を感じましたが、レースを通じて色々な経験をしたいと思っています」、と語っており、決勝レースでは、3つポジションを上げて24位でのフィニッシュしており、最後までライバルたちとのクリーンなレースを楽しみました。

今回のレースには多くのサービススタッフが参加しています。TeamTakutyには千葉スバルの花井貴幸さん、川嶋瑞穂さん、東京スバルの花香匠さん、姜鴻宇さん、栃木スバルの小野充さん、町田樹生さん、スバル東北の小関敬一朗さん、平川史也さん、北海道スバル相原雅敏さんがメカニックとして参加しました。また、レース終了後の公道車両検査をスバル東北の上村翔太さん、千葉勇輝さんが担当しました。

次戦の「TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup2025」第4大会は、シリーズ唯一の北海道での開催です。7/12〜13日に十勝スピードウェイで開催されます。