
2025年8月23日(土)、SUPER GT 第5戦「SUZUKA GT 300km RACE」の公式練習、公式予選が行なわれました。
残暑が厳しい鈴鹿サーキットは気温34度、路面温度も50度を超える暑さの中、午前10時20分から公式練習が始まりました。
いつものように、山内英輝が最初にコースインをし、マシンのバランスチェックを行ない、その後セットアップを進めていく手順です。途中、井口卓人と交代をしマシンの状態確認。さらに煮詰めていく作業です。
しかしながら今回はリヤの安定感が強すぎる傾向があり、アンダーステアに悩まされます。ダンパーやスプリング、エアロなどのセット変更を繰り返しますが、トップタイムから1秒以上遅いタイムで、順位も19位前後と振いません。

このままではQ1予選落ちの可能性もあり、チームは思い切ったセット変更にトライしました。公式練習の終了間際に井口卓人がドライブをすると、全体トップタイムをマークします。井口も「フィーリングが変わり、グリップも高くなった」とコメントしていました。
タイムはその後#0号車、去年のチャンピオンマシンのランボルギーニGT3に0.060秒交わされ2位になりましたが、チームは手応えをつかんだ様子です。
午後のQ1予選B組は井口がアタックします。10分間の予選ですが、やや遅れてピットアウトしクリアラップを作ります。井口はゆっくりと2ラップ周回し、3周目に渾身のアタックを開始しました。するとセクターごとに全体ベストを刻みQ1予選B組でトップタイムをマークしました。

GT500のQ1予選を挟んでQ2予選がスタートします。Q1の各組9位までがQ2に進出するため、18台によるポールポジション争いが始まりました。
SUBARU BRZ GT300は山内が現役最多ポール獲得回数更新を目指しアタックをします。山内は井口と同様ゆっくりとタイヤをあたため1周のアタックに集中しました。すると山内は唯一の1分56秒台のタイム、1分56秒869をマークし、自身15回目のポールポジションを獲得しました。これまで高木真一選手と同数の14回獲得でしたが、これで単独トップの回数となりました。ちなみに佐々木孝太選手は13回のポール獲得数です。

偶然にも2年前の鈴鹿で山内は14回目のポールを獲得しており、相性の良い鈴鹿で再び記録を更新することができました。
井口卓人
「約2年ぶりにポールポジションを取れて、素直に嬉しいです。午前中は苦労していたのですが、思いっきりやってみたセットアップ変更がピタリとハマって、気持ちよくアタックできました。戻ってこれた安堵感のある一日でした」
山内英輝 「あさイチの状態だったらQ1落ちの状態でしたが、マシンのセットアップが変わってアタックできました。それと井口選手からQ1が終わったあとアドバイスがあって、注意するポイントのレクチャーがあったので、思いっきり攻めることができました。そして、明日もこの勢いで決勝レースを勝ちたいと思います。ファンの人たちとこの空気を共有したいです」
明日8月24日(日)の決勝は午後3時30分にスタートし300km、52周で競われます。BRZ GT300は唯一の1分56秒台をマークしてポールポジションからのスタートです。得意の鈴鹿でコーナリングスピードを活かし、今季の初優勝を狙います。みなさんからの熱い声援をよろしくお願いします。