SUPER GT

BACKSTAGE COLUMN

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2026.05.26

「スポーツ系車両開発とモータースポーツの強いシナジー創出に期待しています」

株式会社SUBARU スポーツ車両企画室長 大村雅史

五月晴れに恵まれた5月の富士スピードウェイ。SUPER GT富士3時間レースでの61号車SUBARU BRZ GT300は、決勝レース終盤に駆動系トラブルが出て残念な結果となりました。しかし、予選で見せた鮮やかなポールポジション獲得シーンは、今後の大活躍が期待できるものでした。今回SUBARUモータースポーツマガジン記者(MSM)は、来場していたSUBARUのモータースポーツ活動を統括・推進する新組織「スポーツ車両企画室」の大村雅史室長にお話を伺いました。
MSM 大村さん、新組織スポーツ車両企画室についてその設立意図などを伺えますか。

大村 「はい、新組織はこれまで別々に活動していたBRZやWRXなどのスポーツ系の車両開発チームとモータースポーツ技術開発チームを一体化した新組織です。モータースポーツで得た知見・技術を量産車開発に効果的に還元し、強いシナジーを生み出すことを目指しています。役員の藤貫(哲郎)CTOや岡本(一樹)商品革新本部長とも相談し設立に至りました。これまでに存在しない新しい組織ですが、SUBARU独自の取り組みとして部門間の壁を低くし、これまで以上に連携を強化しようというのが設立意図です。」

MSM 今後のモータースポーツ活動の方針はどのようになっていくのでしょうか。

大村 「SUBARUは現在様々なモータースポーツのカテゴリーに参戦していますが、今後はスポーツ車両企画室が全体を統括していきます。今はそれぞれのカテゴリーの参戦意義を整理し、将来に向けた戦略や方針を検討していく段階です。SUBARUとして、まずはそれぞれのカテゴリーで勝つことを目指すことは前提ですが、例えば、SUPER GTはファンの皆様に還元するプロモーション要素、スーパー耐久は技術者育成、国内ラリーはSUBARUモータースポーツの原点であるこの競技での存在感を示すことなど、それぞれの意義があると思います。特にスーパー耐久では、技術者育成と開発への迅速なフィードバックに大きく寄与しています。短いインターバルで改良と実践を繰り返すモータースポーツのアジャイルな開発サイクルが、エンジニアの技術や知見、そしてモチベーションを向上させていると言えるでしょう」

MSM 先日の新型ラリーカー発表は大きな話題となりました。ラリー活動への展望をお聞かせください。

大村 「もちろんWRC復帰を期待頂いているファンの皆様の声は認識していますが、残念ながらWRC参戦計画は存在しません。まずは近年苦しい戦いをしてきたJRC(全日本ラリー選手権)で実績を残し、確固たる地位を築くことを目指します。これまでのWRXも高速ステージでは強さを発揮していましたが、強力なライバルであるGRヤリスの存在や日本のテクニカルなコース特性、車両サイズなどを踏まえ、AWDのBRZを投入してJRCで勝てる体制を整えたいと考えています」

MSM モータースポーツ専門会社であるSTIとの役割分担はどのようになるのでしょうか。

大村 「STIはSUBARUグループの独立カンパニーとして、コンプリートカー開発とモータースポーツの実働部隊を担っており、スポーツ車両企画室は、SUBARUのモータースポーツ全体の企画立案を担います。ご覧のように、SUPER GTでは、どのブランドにも負けないくらいのファンエンゲージメントを築いており、お客様からはSTIとSUBARU本体は同一視されています。これまで以上に緊密に連携・相談し、SUBARUとしての一体運営を目指します。SUBARUブランド価値の向上とファンに喜ばれる企画を推進するのが使命と言えるでしょう」

1996年富士重工業(現SUBARU)入社の大村さんは、商品企画部門での経歴が長く、直近は企業の顔である広報部部長を務めていました。業務上でモータースポーツへの直接的関わりはありませんでしたが、学生時代は自動車関連サークルに所属し、走行会などの企画を担当していたそうです。その仲間たちと共にジムカーナ競技にハマったのが、2000年に異動した群馬勤務時代とのこと。白いインプレッサWRX STI Type RA Spec. Cで公認競技会に出場していたそうです。また、本社に戻った近年は、有志たちと軽自動車の耐久レースにR2で出場した経験もあるそうです。成績はと尋ねると、「みんなでワイワイやるのが目的なので、成績は追及していません」とのお応えでした。モータースポーツの楽しさを実体験済みなのは心強いですね。
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