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RACE REPORT

2026.04.20 - スーパー耐久シリーズ 第2戦 SUZUKA 5時間レース
SUBARU HIGH PERFORMANCE X version IIは、トラブルを乗り越えてフィニッシュ
4月19日(日)、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットにてENEOSスーパー耐久シリーズ2026 Empowered by BRIDGESTONE第2戦「SUZUKA 5時間レース」決勝レースが開催。Team SDA Engineeringからエントリーした61号車「SUBARU HIGH PERFORMANCE X version II」(以下HiPerfX2)は予選25位からスタート。途中コースアウトの影響による車両破損の修復に時間を要しましたがコースに戻り、104周を走って完走を果たしました。
開幕戦(もてぎ)での課題を反映し、チームは約1か月のインターバルでHiPerfX2をアップデート。発生したトラブルへの対策に加えて、「アンダーステア」と「リアのピーキーな挙動」の解消のために、リア・サブフレームと車体を繋ぐブレースバーを追加。更によりより高い車速で旋回できるように空力・制御・サスペンションの全面的な見直しが行なわれています。ただ、昨年との大きな違いは不具合やドライバーの困り事を解消させる「マイナスからゼロ」ではなく、ベースラインが整い“もっといいクルマ”にする「ゼロからプラス」にする開発フェーズだと言う事です。ちなみに今回は同日にドイツでニュルブルクリンク24時間QFレースに井口卓人が参戦するため、ドライバーは3名体制で挑みます。

18日午後の予選では、Bドライバーの山内英輝がチームの想定を上回る2分15秒146をマークし、マシンのポテンシャルを証明 。一方で、Aドライバーの伊藤和広は、挙動のシビアさから2分17秒653に留まり、プロとジェントルマンドライバーの間で「扱いやすさ」の乖離という課題が浮き彫りにもなりました 。HiPerfX2が目指す「プロのパフォーマンスを誰もが安心して引き出せる」という目標に向け、明確な開発指針を得る予選となりました 。決勝は平均ラップの安定感(アベレージ)を重視しながらも、格上のST-TCRクラスと戦うことも目標に掲げています。
19日の決勝日は晴天に恵まれただけでなく、4月とは思えない気温となりました。朝の朝礼でチーム代表の本井雅人は「24時間レースを見据え、マシンを壊さず走り切る」、「安全確保と信頼性」、そして「ファンとのコミュニケーション」などの目標を掲げ、チームメンバー全員で安全宣言。12時からの決勝はST-X/ST-Z/ST-TCR/ST-USA/ST-Q/ST-1/ST2/ST3/ST4の計44台が決勝レースに臨みました。

61号車HiPerfX2はBドライバーの山内が担当。S耐は参加台数が多いため、スタートは2つ(グループ1/2)に分けて行なわれますが、12時5分、グループ2でスタートした61号車HiPerfX2はオープニングラップから2台抜き、4周目にはグループ2勢の中でトップに浮上。2分18秒代の安定したラップで走行し、総合でも20位前後を走行。ドライバーからの無線も「楽しんでいます」と言うポジティブなやり取りに、ピット内のメンバーも余裕の表情で笑顔も数多く見られます。
13時26分(LAP35)にピットイン。燃料補給とフロントタイヤ交換を行ないCドライバーの花沢雅史にバトンタッチ。2分20秒前後で安定して走行していましたが、14時3分(LAP49)1コーナーでスピンコースアウトしている61号車HiPerfX2姿が公式映像に映し出されました。花沢はピットに戻りますがマシンから白煙が上がっており、チーム内は一気に緊迫の雰囲気に……。マシンはピットに戻りメカニックは即座に原因究明を行なうと、ミッションクーラー配管が緩みオイルが漏れている事が確認され、修復が行なわれます。花沢は「スピンする数周前、ドライビングミスで2コーナーアウト側にコースオフした時に何かがヒットしてしまった」と語っています。ガックリ肩を落とす花沢にメンバーは各自なりの方法で励ますと、少しずついつも表情に戻り始めました。

15時マシンの修復が完了、燃料補給とフロント・リアタイヤ交換を行ない、伊藤にドライバーチェンジしてレースに復帰します。約1時間のロスタイムで総合45位まで落ちましたが、普段はエンジニアである伊藤は毎周様々なトライを行ない2分20秒代で走行。「予選で失敗したので、基本に戻り丁寧に走らせました」と語っています。
16時15分(83LAP)に最後のピットイン、燃料補給とフロントタイヤを交換します。当初は山内の予定でしたが、花沢から「もう一度乗せてほしい」と言う声に、チームは花沢にステアリングを任せます。山内も「ドライビングミスはトラウマになってしまう事が多いので、その日のうちに修正したほうがいい」とい語っています。花沢は序盤こそ2分22-23秒代と慎重でしたが、周回を重ねる毎にいつものドライビングに戻り2分18-19秒代で走行。そして17時5分、5時間目のチェッカーフラッグを無事に受けました。

レース後、チーム監督兼チーフエンジニアの伊藤奨は、無事に完走できたことへの安堵の表情で「速さと言うポテンシャルを証明できましたが、その一方で扱い辛さが出たのも事実です。今回は駆動系制御をレース専用からあえて量産ベースの制御に戻しました。これにより挙動が滑らかになる事は確認できましたが、まだまだやれることはたくさんあると思っています。今後も速さを損なわずにプロドライバーだけでなくジェントルマンドライバーが『扱いやすい』と感じることができるクルマづくりこそが、SIBARUが目指す「安心と愉しさ」であり我々の課題だと認識しています。現状はフロントを良くするとリアが負けてしまうと言う“いたちごっこ”の状態にあり、やはりトータルバランスの再構築が必要だと感じました」、と語っています。
本井も速さの部分で手ごたえを感じた一方で、安心・安全に走り切るための懐の深さを課題認識しており、「コース上にいる時の性能だけでなく、縁石を越えた際やコースオフした際でも致命的なダメージを負わない、更には万が一のトラブル時に素早く直せる整備性の向上ももっと注力する必要があると思いました。次戦はより過酷な24時間レースですので、それに向けて“タフな”クルマづくりも進めると共に、参加しているエンジニアは24時間に向けた“課題創造”も行いながら、このレースの仕事もして欲しいですね」と語っています。

引き続き、Team SDA Engineeringの挑戦にご注目ください。

スーパー耐久シリーズ次戦は、6月4日(土)、5日(日)にシリーズ最長かつ最大イベントとなる24時間レースが静岡県小山町の富士スピードウェイにて開催されます。
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