9月24日〜25日、北海道の十勝スピードウェイで「TOYOTA GAZOO RACING GR86/BRZ Cup」の第3戦が開催されました。シリーズ唯一の北海道開催である今回、SUBARU BRZはクラブマンシリーズ1台、プロフェッショナルシリーズ4台がエントリーしています。1周約3,400m、直角に近いコーナーが複数ある十勝スピードウェイは、オーバーテイクが難しいと言われるサーキットです。そのためグリッド順を決める予選の結果が、非常に重要となります。

予選：
木曜日から多くのチームがサーキットを訪れ、練習走行を重ねます。しかし、予選前日である金曜日の専有走行は強い雨が降ったため、十分な練習走行ができない中で、予選を迎えることとなりました。さらに、予選日の朝には弱い雨が降り、サーキットは霧に包まれます。しかし、昼過ぎに天候は回復し、クラブマンシリーズがスタートする頃には、気温が上昇。一方で、サーキットに雨雲が向かってきており、予選中、雨が降ってくるのではないかと見越して準備するチームが大多数でした。そんな中、988号車井口卓人(ブリヂストン)はタイヤの内圧をドライに近い状態に変えて予選に臨みます。結局、雨は降らず、井口は路面コンディションが回復した後半にかけてタイムを上げることに成功しました。そして、予選を今シーズン最高の2番手で終え、フロントロウからのスタートが決まります。4番手には906号車佐々木孝太(ダンロップ)が続き、こちらも今シーズンの最上位グリッドからのレーススタートです。11番手には909号車小暮卓史(ダンロップ)、15番手には987号車久保凛太郎(ブリヂストン)が続きました。

決勝：
土曜までの天気と打って変わって、日曜の十勝スピードウェイは快晴となりました。クラブマンクラスの決勝レースでのアクシデントにより、プロフェッショナルシリーズの決勝レースは、約30分遅れの12時にフォーメーションラップが開始。決勝レースは14周で争われます。フロントロウからスタートの井口は、スタンディングスタートをうまく決め、2番手を守り抜きました。その後も、後続との間を広げてリードを守った井口は、今季最高成績の2位で表彰台に上がります。RECAROチームとしても、今シーズン初めての表彰台獲得です。一方で、4番手からスタートした佐々木は、序盤からマシンに違和感を感じながらレースをスタート。6位でレースを終えましたが、レース後の再車検で最低地上高違反が発覚し、失格処分となってしまいます。久保凛太郎(ブリヂストン)は、予選の15番手から順位を5つ上げた10位でゴール。小暮卓史(ダンロップ)は、12位でレースを終えました。井口は、「今シーズンは新しいクルマになって、ここまでの2戦、チームとしても結果につながらないことが多くて苦労してきました。そんな中、予選から上位グリッドを獲得し表彰台を獲得できたことは嬉しいです。次戦の鈴鹿は新しいタイヤも投入されるので、さらに高いパフォーマンスが期待できると思います」。

クラブマンクラスには、61号車江原聖洋がSUBARU BRZでエントリー。スタート前のグリッドには、家族が応援に駆けつけました。スタート直後に大きなアクシデントが発生し、赤旗中断。その後、2周のセーフティカーランを経てリスタートする長いレースとなりました。後方集団にいた江原は、「練習走行でミッショントラブルが発生し、代わりのパーツはなんとか手に入ったものの、十分な練習ができないままの予選でした。追い抜きを狙っていましたが、スタートダッシュで失敗し、その後は完走することに専念しました」。とノントラブルの16位でレースを終えました。

今回は、レース後の公道車検員(オフィシャル)として、北海道スバルから五十嵐凛さん、塩梅誠弥さんの2名のSUBARUディーラーのサービススタッフが参加しています。共に、モータースポーツが好きで、志願し参加したとのことです。「多くのクルマに対して素早く正確な作業が求められ、スピード感やチームワークを持って作業することが大事だと感じました。日々の業務に活かしたいです」、と語っていました。また、プロフェッショナルクラスのRECAROチームには、神奈川スバルの牟禮雅俊さん、大阪スバルの清水和斗さん、滋賀スバルのサントスカズオさん、京都スバルの宮崎紘基さんがメカニックとして参加しています。