スーパー耐久

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2023.05.29

Team SDA Engineering BRZ、ST-Qクラス3位完走

5月26日(金)〜28日(日)、富士スピードウェイにて「ENEOS スーパー耐久シリーズ2023」第2戦NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レースが開催され、Team SDA Engineeringより61号車 「Team SDA Engineering BRZ CNF Concept」がST-Qクラスに出場。Aドライバー廣田光一(SUBARU社員)、Bドライバー山内英輝、 Aドライバー井口卓人、Dドライバー伊藤和広(SUBARU社員)に加え、ベテランドライバーの佐々木孝太をEドライバー、ラリー/ダートライアルドライバーの鎌田卓麻をFドライバー登録した6名体制で24時間レースに臨み、予選29位・クラス4位からスタートし、24時間後には総合23位、ST-Qクラス3位で完走を果たしました。
今回の富士24時間レースは、金曜日の予選日から決勝レースがフィニッシュした日曜日夕方まで好天に恵まれ、ドライコンディションで行われました。気温も15℃から23℃ほどの温暖な天候となり、キャンプエリアやグランドスタンドを埋め尽くした3日間のべ47,000名の観客、レースファンにとっても過ごしやすい絶好のレース観戦日和となりました。今回からST-Qクラスには、日産車の230号車Nissan Z Racing Concept、ホンダ車の271号車CIVIC TYPE R CNF-Rが加わり、ST-Qクラスはトヨタ自動車、SUBARU、マツダに2社を加えた自動車メーカー5社の実験開発車両が参加することとなり、この「S耐ワイガヤクラブ」(命名はSUBARU本井監督!)を象徴する「共挑ST-Q Challenger」ステッカーを各車に貼って富士スピードウェイに集いました。
「S耐ワイガヤクラブ」は、S耐機構(STO)の理念に共感した仲間が自動車メーカーの垣根を超えて、「レースで得た知見を市販車へフィードバック」「若手エンジニアの育成」「カーボンニュートラル燃料や水素エンジンの実証実験」などに挑戦するグループです。富士24時間レース二度目の挑戦となる61号車 BRZは、タイヤ銘柄が今回から変更となったことによるサスペンション関連の調整、メーターパネルの刷新、リアモニターの改良、EyeSight活用によるフラッグ認識などドライバーが24時間快適に車両を操作するためのサポート、パワーユニットや駆動系は信頼性とパフォーマンスの両立を目指すチューニングなどが施されています。
公式予選は、26日(金)午後に行われました。Aドライバー廣田とBドライバー山内の合算タイムは、同クラスで直接ライバルとなっている28号車GR86に約3.6秒差をつけられ、27号車CIVIC TYPE-Rに続くクラス4番手総合29番グリッドから決勝レースをスタートすることとなりました。61号車としては、Bドライバー山内がチームベストタイムの1分55秒台を記録していますが、ジェントルマンの廣田(1分58秒063)、伊藤(1分59秒541)とCドライバーの井口(1分57秒464)、Eドライバーの佐々木(1分57秒305)やダートを専門とするFドライバー鎌田(1分58秒247)もそれぞれ好タイムで予選を走り切っており、チームが目指しているプロドライバーでもジェントルマンドライバーでも誰でも操ることができる車両に近づいていることが明らかな結果となりました。
決勝レースは、廣田がスタート。49周を走行し、2番手の伊藤にバトンタッチしました。伊藤も廣田同様にラップタイムはコンスタントに安定しており、車両にも不安な要素はないようです。レースが3時間半を経過した103周目に3人目の井口に交代しています。夕方から夜間へと移行する時間帯に井口は、ダブルスティントを担当。井口は、今年は好天だったため夜空に大輪の花を咲かせた富士24時間名物の花火を横目で見ながら、周回していました。この頃からコースではアクシデントが発生し出しており、クラッシュ車両のデブリ除去のため、FCY(フルコースイエロー)やセーフティカー(SC)の出動などがありました。SC中にはピットインすることができるため、その間に燃料補給し、井口はドライバー交代せず連続してコースに戻っていきました。
スタートから6時間20分経過時に井口はピットイン。4番手の山内にドライバー交代しています。その後午後11時頃には5人目の佐々木に交代しましたが、約1時間後にアクシデントが発生。佐々木の前を走るST-4クラスの車両がコースを横切った小動物と接触。冷却水やオイルを漏らしながらスープラコーナーに進入したところに61号車が続き、自車のオイルに乗った同車がコントロールを失い、61号車に接触。佐々木は、車体を立て直して緊急ピットイン。メカニックが接触した右リア周辺の修復やその他足回りなどを修理し、大きなロスなく車両をコースに戻すことに成功しています。
トラブルはこの1回のみで、その後の鎌田、さらに2度目の廣田に交代しても車両には異常はありませんでした。しかし、レースが折り返しを過ぎた時点で、コース上では大きなクラッシュが発生。SC出動となり、クラッシュパッドの修復などの安全確認作業が長引いたため、レースは赤旗中断に。約2時間後の午前5時に再スタートすることとなりました。レース再開後は、伊藤、井口ダブルスティント、山内ダブルスティントを経て、残り3時間の時点で佐々木に交代するまで順調に周回を重ねました。佐々木は約2時間を走ったのち、アンカーの廣田に交代。廣田もノートラブルで走り抜いて、午後3時に無事チェッカーフラッグを受けることとなりました。
チーム監督の本井雅人は、「初めての参加となった昨年はミッショントラブルが発生しましたが、それをしっかり対策しておいたので、今回は最後まで特に制限することなく走り切れて良かったと思います。夜半過ぎに起きたアクシデントはもちろん不測のものでしたが、メカニックさんたちが頑張ってくれ非常に素晴らしいリカバーを見せていただきました。28号車のメンテナンスタイム(10分)が赤旗中に実行されたので、実質タイムロスがなくここで少し差をつけられてしまったので悔しいのですが、全体的には良い戦いができたと思っています。完敗した去年のもてぎ戦は本当に泣くほど悔しかったですが、今回は理想と現実とのギャップが大きく”空っぽの”悔しさです。これもレースですけどね。次戦SUGOはBRZにとって比較的得意なコースなので、今回のような品質・耐久性を維持しながらより高いパフォーマンスとの両立を目指した仕様で臨もうと思います」と語っています。
また、助っ人ドライバーの佐々木は、「今回縁あってBRZに乗せていただきましたが、メーカーが本気で挑むと凄い、というのが正直な実感です。メーターパネルにしてもレースカー品質では考えられないほどBRZらしさが表現されており、エンジン制御にしてもスロットル全開でシフトアップができるし、シフトダウン時には自動でブリッビングしてくれるなど、是非ロードカーにもすぐに反映してほしい機能だと思いました。今後の成長、進化がとても楽しみです」と話してくれました。
次戦第3 戦は、7月8日・9日に宮城県のスポーツランドSUGOで開催されます。
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