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RACE REPORT

2023.02.05 - 全日本ラリー選手権 第1戦 Rally of Tsumagoi Leg2
鎌田卓麻が優勝、SUBARU勢が1-3位フィニッシュ
2月5日(日)、2023年全日本ラリー選手権第1戦「Rally of Tsumagoi」の競技最終日が行われました。SUBARU RALLY CHALLENGEとして参戦するSUBARU WRX STIの鎌田卓麻/松本優一がJN-1クラスで優勝、同じく新井敏弘/小藤桂一がクラス3位でフィニッシュし、SUBARU勢の2台がポディウムに上がりました。
■スリッパリーなコンディションの中、勝負どころできっちりスパート

この日は、SS8〜SS11の4SSで構成。初日にも走行したOmae Suzakaと、ラリー最長の7.67kmを誇るPanorama Kadokai Longを、サービスを挟んで2回ずつ走行する内容で、この日の総SS距離は26.30kmが設定されています。

この日も晴天に恵まれ、9時13分にスタートしたこの日最初のステージも、早朝はアイスバーン状態でしたが先頭車が走行する頃には雪や氷が溶け始め、かなり滑りやすいコンディションとなりました。

前日、12.9秒差をつけての首位に立った鎌田は、この日最初の2SSでベストタイムを連発し、一気にリードを30秒以上にまで広げます。これで余裕を得た鎌田は、残す2SSでペースをコントロールし、首位を堅守。2020年第5戦丹後以来となる全日本ラリーでの優勝を飾りました。

0.1秒という僅差で2位争いに挑んだ新井は、この日最初のSS8で2番手に浮上。続くSS9でも差を広げ、3.1秒差でサービスを迎えましたが、最後から2本目でライバルの猛追を受け3番手への後退を余儀なくされます。挽回を期した最終SSではスピンを喫してしまいタイムロス。それでも、体に痛みが残る中で難コンディションのスノーラリーを3位で走り切り、SUBARU勢に1‐3位フィニッシュをもたらしました。
■鎌田卓麻「SUBARUのコントロール性のよさがアドバンテージになった」

JN-1クラス優勝を飾った鎌田は「最初の2SSは後ろのライバルを引き離したくて、この大会で初めて無理をしました。この2SSを終えてリードが30秒くらいになったので、あとはトラブルを避けて走るだけでした。今年からSUBARU RALLY CHALLENGEというかたちでチーム体制も一新し、関係者だけでなくファンのみなさんからの応援も熱く、プレッシャーを感じていましたが、その中でできることをしっかりとやろうと考えていました。とてもいいクルマを用意してくれたので、ペースをコントロールして戦えました。滑る路面ではSUBARUの強みを活かせます。コントロール性のよさがアドバンテージになったと思います」と会心の笑顔を見せました。

クラス3位でラリーをフィニッシュした新井は「まだ体調も万全ではありませんが、特に雪ではクルマの挙動変化が激しいので、どういった状況になるのか予想がつかず、少し慎重に走ることになりました。本当は2位に入りたかったのですが、最終SSで、カウンターステアを当てられずにスピンしてしまいました。でも、体のコンディションが100%ではない状態で3位なので、よしとしなければならないと思います」と語りました。

■嶋村誠 SUBARU RALLY CHALLENGEチーム監督「ワンチームとしていい戦いができました」

SUBARU RALLY CHALLNGEの2台がそろってポディウムに上がった開幕戦を終え、チーム監督を務める嶋村は「これまで新井選手、鎌田選手のふたりがそれぞれのチーム運営していたのをひとつにして、クルマの色は違いますがワンチームとして、非常にいい戦いができたと思っています」と新チームの初戦での内容に満足を見せました。

「両選手ともVAB型のWRX STIで長く参戦してきて、クルマのことを知り尽くしています。その中で今回、鎌田選手は勝負どころのステージを決めていました。まず、SS1でトップタイムを出すことができ、自信を持てました。そこからは作戦どおり、勝負どころでタイムを稼ぐという、まさに横綱相撲というような、いい走りをしてくれました。新井選手も、なかなか思うようにクルマを操れないところもあったのですが、頑張ってくれました」

「新体制での初戦、優勝することができました。シーズン途中には、しかるべき時期に新型車両を投入しようと思っていますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします」
■ディーラーメカニックコメント「時間をいかにうまく使うかが重要でした」

・担当車両:6号車(新井敏弘車)
・大塚翔真
・東京スバル株式会社 町田店 メカニック

社内の募集メールでディーラーメカニック派遣のことを知り、参加が決まったという大塚。「これまでラリーを直接観たことはありませんでした。ラリーのサービスはディーラーの整備とは違う感じにはなると思うので、今回参加することで、何か得られるものがあればいいなと思っていました。クルマはそれほど大きく変わるわけではありませんが、若干、勝手が違ったりして、特別なパーツの整備性はなかなか難しいところがあるかなと思います」とラリーならではの難しさを語りました。

「店舗で行うリフトを使っての作業と違い、ラリーの現場で使うジャッキでは上げられる高さにも限りがあるので、その中で、どう締めつけたら効率がいいかと考えながら作業をするのは、かなり大変でした。また、自分は右リヤを担当しましたが、かなり雪が詰まったりしていて。その影響でクルマにトラブルが出てはいけないので、細かく雪を削り取ってから点検をしていました」

サービス作業で一番大変だった点には、限られたサービスタイムの中で効率的に時間を使うことだったと大塚は言います。「どのチームを見ていてもそうでしたが、かなりスピーディで、クルマを整備する時は一切、手を止めないというような状況でした。いかに時間をうまく使うか、効率的に行うかが重要になるので、あらかじめ、どのように動くかを頭の中でイメージしながら作業をしていました」

店舗でも、忙しい時期にはスケジュールがタイトになることもあるといいます。「店舗に戻ったら、後輩たちにも、こういう工夫をした方がいいよとか、時間の使い方を指導できたらいいなと思います」と頼もしく語ってくれました。

次戦は3月3日〜5日に開催される今季第2戦「新城ラリー2023 Supported by AICELLO」です。愛知県新城市を拠点として行われる舗装路(ターマック)ラリーは、様々な性格のステージで構成されるシリーズの一大イベントとしておなじみのラウンドです。開幕戦で好調なシーズンのスタートを切ったSUBARU RALLY CHALLENGEの活動にご期待ください。
2023.02.04 - 全日本ラリー選手権 第1戦 Rally of Tsumagoi Leg1
初日を終えて鎌田卓麻が首位発進
2月4日(土)、2023年全日本ラリー選手権第1戦「Rally of Tsumagoi」の競技初日が行われました。今季からSUBARU RALLY CHALLENGEとして参戦するSUBARU WRX STIの鎌田卓麻/松本優一がJN-1クラス首位、同じく新井敏弘/小藤桂一がクラス3番手につけて、この日のステージを終えています。
■例年よりも雪が少なく難しいコンディションに対応

全8戦で開催される2023年の全日本ラリー選手権。今季開幕戦は、群馬県嬬恋村を拠点に、雪と氷の路面にスペシャルステージが設定されます。選手権唯一のスノーラリーで豪快な走りが魅力のイベントですが、近年は台風の被害や新型コロナウイルスの影響などにより開催断念が続き、4年ぶりに開催が実現しました。しかし、残念ながら新型コロナウイルス第8波の影響を鑑みて、無観客での開催となっています。ラリーはHQとパルクフェルメがホテル嬬恋村郊外のホテル軽井沢1130に、サービスパークは嬬恋村の中心地にある嬬恋会館の駐車場に設置されました。

2月4日(土)に行われたラリー初日は、午後1時にスタート。サービスを挟んで5.82kmのKadokai Panoramaと5.48kmのOmae Suzakaを2回ずつ走行した後、3回目のOmae Suzakaを挟んで3.37kmのNitazawa Baragiを2回走行する予定でしたが、Nitazawa Baragiが雪不足のため距離を2.38kmに短縮。この日のステージ合計距離は7SS・32.84kmとなりました。

天候は晴天に恵まれましたが、例年に比べて気温が高く路面の雪が少ないことから、場所によっては舗装路面があらわれたり、レッキの時点では圧雪だった路面がシャーベット状になる一方で、夕暮れ後に走行するステージでは気温が下がって凍結路面やブラックアイスバーン状態になるなど、様々な路面が入り混じる難しいコンディションとなりました。

今季最初のステージとSS1では鎌田がベストタイム、新井がセカンドベストと幸先のいい滑り出しを見せました。鎌田は、その後もライバルの猛追を退け首位を死守。12.9秒差のリードを築いて最終日を迎えます。

一方、2022年のWRCラリージャパンでのアクシデントによる負傷からの復帰初戦となる新井は、まだ体に痛みが残る中、調整しながらステージ臨みました。それでも、これまでの経験値と持ち前のドライビングテクニックを活かして序盤4SSで3番手につけると、SS5、SS6では連続ベストタイムをマークして2番手に浮上。最終SSでは再び3番手に後退しましたが、2番手とはわずか0.1秒と僅差につけています。
■鎌田卓麻「思ったとおりの走りができています」

JN-1クラス首位に立った鎌田は「無理せず、思ったとおりに走れています。今のところ、雪壁を使わずに安全に行っています。夜になると冷えて路面がツルツルになってきましたが、ペースをコントロールできました。最後の2本は、みんなが雪壁にバンバン当てて走っている中、自分はあえて雪壁には当てずに走り、13秒のリードを持てました」と安定した展開を語っています。

クラス3番手でこの日を終えた新井は「まだ本調子ではないので、全開では走ることができません。クルマの限界近い走りができないので、遅いところはかなり遅くなってしまっていますね。明日も、このままリスクを避けたドライビングで行こうと思います」と奮闘の様子を伝えています。

競技最終日の2月5日(日)は、SS8〜SS11の4SSで争われます。初日にも走行したOmae Suzakaと、ラリー最長の7.67kmを誇るPanorama Kadokai Longを、サービスを挟んで2回ずつ走行。この日の総SS距離は26.30kmが設定されています。今季最初の全日本ラリー、SUBARU勢の活躍にご期待ください。
2023.01.30 - 全日本ラリー選手権第1戦 Rally of Tsumagoi プレビュー
選手権唯一のスノーラリーが4年ぶりに復活
短いシーズンオフを経て、2023年の全日本ラリー選手権が早くも開幕します。第1戦の舞台となるのは、群馬県嬬恋村。2月3日(金)〜5日(日)にかけて、雪と氷の路面で熱い戦いが繰り広げられます。雪煙を立てながらの豪快な走りや、幻想的な雰囲気のナイトステージなどファンにとっても人気の高いラリーですが、20年には台風被害により開催を取りやめ、21年には新型コロナウイルスの影響により開催直前での中止とされていたため、実に4年ぶりの開催実現となりました。
ラリーは2月4日(土)の午後、嬬恋村の嬬恋会館をスタートし、2日間で総走行距離235.58kmを走り、そのうちスペシャルステージ区間の距離は合計61.12kmとなっています。全部で11SSが設定され、2車線道路を使うハイスピードなコースや、山間部のワインディングロードなど、様々なSSが選手を待ち受けます。このラリーの大きな特徴のひとつとして挙げられるものは、路面状況の変化です。雪や氷に覆われた路面は天候によって刻一刻とその状態を変え、日の当たる場所では完全にアスファルトが露出してしまうこともあります。乾いた路面から圧雪路面はもちろんのこと、アイスバーンやシャーベット路面など、ありとあらゆる路面に対応するドライバーのスキルやマシンのポテンシャル、セッティングが、この一戦を走り切る秘訣と言えるでしょう。
SUBARU勢は、JN-1クラスの新井敏弘/小藤桂一、鎌田卓麻/松本優一らを筆頭に、計7台のSUBARU車がエントリーしています。SUBARUのシンメトリカルAWDが得意とする雪道で、どのような走りを見せるかご期待ください。
■2023年は無観客イベントとして開催
1月18日(水)、主催者は公式ウェブサイトにおいて、新型コロナウイルス感染拡大の状況に鑑み、来場者の安全確保のため23年大会を無観客で開催する旨を発表しました。スペシャルステージの観戦エリアは設定されない予定です。

●ラリーオブ嬬恋 公式ウェブサイト
https://rally-tsumagoi.com

RACE RESULT

2023.02.05 -
全日本ラリー選手権第1戦 Rally of Tsumagoi
総合順位 クラス順位 No. ドライバー コ・ドライバー 車両名 クラス DAY1 DAY2 総合
1 1 5 鎌田 卓麻 松本 優一 SUBARU WRX STI JN1 25:57.3 20:26.7 46:24.0
2 2 4 福永 修 齊田 美早子 シュコダ・ファビア JN1 26:10.2 20:36.8 46:47.0
3 3 6 新井 敏弘 小藤 桂一 SUBARU WRX STI JN1 26:10.3 20:54.6 47:04.9
4 1 9 堀田 信 河西 晴雄 トヨタGRヤリス JN2 27:21.2 21:42.4 49:03.6
5 2 7 奴田原 文雄 東 駿吾 トヨタGRヤリス JN2 27:31.8 22:46.0 50:17.8
6 4 3 牧野 タイソン 北川 紗衣 シュコダ・ファビア JN1 28:20.8 22:39.7 51:00.5
7 1 16 西川 真太郎 本橋 貴司 スズキ・スイフト JN4 29:20.0 22:44.9 52:04.9
8 1 21 天野 智之 井上 裕紀子 トヨタ・アクア JN6 30:18.7 22:39.6 52:58.3
9 2 15 筒井 克彦 古川 智崇 スズキ・スイフト JN4 30:26.7 23:14.2 53:40.9
10 2 22 海老原 孝敬 遠藤 彰 ホンダ・フィット JN6 31:15.2 23:19.6 54:34.8
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