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RACE REPORT

2024.07.30 - スーパー耐久 第3戦 オートポリス
新型レースカー「HiPerf X」、初戦は周回数不足
7月27日(土)・28日(日)の二日間、大分県日田市のオートポリス国際レーシングコース(1周4.674km)にて、2024スーパー耐久シリーズ第3戦「スーパー耐久レースinオートポリス」5時間レースが行われ、Team SDA Engineeringから今回初投入された61号車「SUBARU High Performance X Future Concept」(伊藤和広/山内英輝/井口卓人/花沢雅史)は、5時間で98周を走破したものの、周回数不足と判定され完走を逃しました。
27日には、予選に先立ってTeam SDA Engineering代表の本井雅人、同チーム監督兼チーフエンジニアの伊藤奨による新型マシン「SUBARU High Performance X Future Concept」の概要説明があり、その中でこのプログラムがトヨタ、マツダとともにSUBARUが宣言した「将来に内燃機関を残す」取り組みに呼応するものであり、水平対向ターボエンジンの進化と楽しさの追求を図り、SUBARUのAWD技術を推進することで電動化技術にも寄与する、と語られました。そのため、BEV(バッテリーEV)開発チームもこのプログラムに参加し、レースにも帯同しているとのこと。高性能セダン、水平対向ターボAWDとSUBARUらしさ満載のこのマシンがSUBARUファンの心に刺さることは間違いないでしょう。「あわせてこのマシンは排気音にも注目してください。心地よいサウンドがお聞きいただけるはずです」、と付け加えられました。なお、車名が長いので、「HiPerf X」(ハイパフォX)と呼んでほしい、とのことです。
土曜日の公式予選では、Aドライバー伊藤とBドライバー山内がタイムアタック。HiPerf Xデビュー戦ながら、山内はST-2クラス相当のタイムを記録しており、このマシンのポテンシャルの高さを垣間見せています。しかし、Dドライバーの花沢が予選を走行中にセカンドヘアピンの上りでブレーキをロックさせてコースアウト。ひやっとする場面がありましたが、その後の点検でABSシステムの電気系トラブルであることが判明し、決勝レース前に対策を取ることができています。
決勝レースの朝も猛暑となりました。気温は30度を超え、路面温度も50度以上です。そんな中、11時の決勝レーススタートを迎えています。61号車SUBARU HiPref Xは井口がステアリングを握り、軽快に周回を重ねていきます。1時間が経過した時点で第1コーナーにて大きなクラッシュがあり、チームは少し早めのピットインを実施することにしました。井口から伊藤に交代したのち、外したタイヤの内側がダメージを受けていることが判明。チームは伊藤を呼び戻して点検すると、走行中にダンパーが回ってしまい、リザーバータンクの一部がホイールの内側に干渉したことが原因とわかりました。対策を施してピットアウトしますが、今度はエンジンに息つき症状が発生します。スロットルを開けてもエンジン出力が上がらず、伊藤はフラストレーションの溜まる周回を過ごします。その後ドライバー交代のためピットインした際にトラブルシューティングを行い、吸気系部品を交換して山内はピットアウトしますが、20周走った時点で同じ現象が発生しています。原因が確定していないこともあり、レースが残り30分を切った時点で山内はピットに入り、最終ランナーの花沢に交代しました。花沢はそのまま16時をむかえ、レースフィニッシュを告げるチェッカーフラッグを受けましたが、98周の総周回数は規定周回数に足りず、完走ならずとなっています。
チーム監督兼チーフエンジニアの伊藤は、「今回は初陣であり、5時間レースに対するロングランテストもやりきれていなかったので、デビュー戦らしいトラブルが出てしまいました。エンジンの不調は現時点で原因が解明できていませんが、その他のトラブルと合わせて次戦もてぎまでに対策することになります。これは、伊藤(和)さんのスティントで失火のような現象が出始めました。しかし、燃料が減ってきたときにのみ発生するという事実もあり、燃料系のトラブルかもしれません。帰ったら早急に原因究明します。いろいろありましたが、杖をつきながらもなんとか走り切れてひと安心です。暑い中取り組んでもらったエンジニアやメカニックの皆さんには本当に感謝します。ありがとうございました」、と語っています。
チーム代表の本井は、「まず、レースウークを過ごす中でマイナートラブルがすごく減った印象です。チームが成長している証拠でしょう。社内で講演会をやり、若い人の発言内容やボリュームが増え高度になりました。熱量が高くなった中で絞り出したアイディアがかなりハマり、井口、山内から成長について指摘され、攻められるようになってきたという発言をもらうことができ、実務者はかなり喜んでいました。トラブルはありましたが、それは想定されたことでもあり、直せば良いだけです。すごく良い流れになってきたな、と思います。また、水平対向ターボを残そうとかAWDを鍛えるというこのプロジェクトは社内でも好意的に迎えられており、社内のファンも増えてきています。今回のレースについても思ったよりラップタイムもよく、上々の結果ではないかと思います。これをベースにクルマとチームを鍛えていこうと思います」、とコメントしました。

次回スーパー耐久第4戦は、9月7日(土)にモビリティリゾートもてぎで開催されます。
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