2024.10.28 - スーパー耐久第6戦岡山国際サーキット
SUBARU HiPerf-Xは大きく進歩するもトラブル発生
10月26日(土)・27日(日)、岡山国際サーキット(1周3.703km)にて、ENEOS スーパー耐久シリーズ 2024 Empowered by BRIDGESTONE第6戦「スーパー耐久レースin岡山」3時間レースが開催され、Team SDA EngineeringからST-Qクラスにエントリーした61号車「SUBARU High Performance X Future Concept」(伊藤和広/山内英輝/井口卓人/花沢雅史)は、エンジン性能を上げ、新たにリア電制LSDを投入するなど大きく進化。決勝では好成績が期待されましたが、いくつかトラブルが発生し、グループ2レース出走27台中26位でレースを終えました。
61号車SUBARU HiPerf-Xは今回、標準タービンのハイフロー化加工、吸気抵抗低減などを行い、出力アップ(+14PS)とトルクアップ(+25Nm)を果たしています。また、独自開発したリア電制LSDは、車体の旋回性をあげることを目的として投入。また、サスペンションについては、リア内輪接地性の向上を目指してチューニングしています。土曜日までに行われた練習走行、公式予選は、いずれもトラブルなくグループ2のST-Qクラストップタイムを記録し、27台中の5番グリッドからの決勝レーススタートとなりました。
27日の岡山国際サーキットは曇り空で、気温は22〜23°C前後ながら湿度が高く蒸し暑さを感じる天候でした。スタート前にチーム代表の本井雅人は、「今回は、エンジン性能の向上と電制LSDの採用が大きなトピックなのですが、ドライバーから非常に好評で、そのためエンジニアたちを含めチームはとっても明るい雰囲気です」、と語っています。午前8時からグリッド整列が行われ、8時30分にはフォーメーションラップがスタートしました。スタートドライバーは、山内英輝です。グリーンライトと共に全車一斉にスロットル全開となり、61号車SUBARU HiPerf-Xは、同じST-Qクラスの12号車ロードスターとサイドバイサイドの競り合いを展開しました。しかし、その後61号車に異常が発生し、ピットイン。12号車に先行を許す事に。今回投入した電制LSDが正常な状態でなく、ピットでリセットし再スタートしました。その状態は解消しましたが、その後徐々にエンジンが息つきのような症状を発生。さらには、サスペンションにも不具合が発生した様子です。スタートから約1時間後に61号は、ピットに戻ってガレージイン。エンジニアたちが車体に群がって不具合の特定と対策・修復に取り掛かります。約30分間で作業を終え、伊藤和広が交代してコースインして行きました。息つき現象は対処療法を施し、不具合のあったダンパーはスペア品に交換しています。終盤にピットインした際に花沢雅史にドライバーチェンジし、スタートから3時間後の11時30分過ぎに61号車SUBARU HiPerf-Xもチェッカーフラッグを受けています。
このレースウィークについて本井代表は、「少しだけ心配していたダンパーのトラブルとガス欠症状が出てしまったのは反省する必要があります。燃欠症状が続くので解消のためピットインさせた所、車体も不安定だったので点検するとダンパーも交換が必要だったという事です。次のアップデートではこのダンパーの不具合が発生しないようになるはずで、さらによく曲がるアイテムを最終戦に向けて盛り込む予定となっています。最終戦まであと3週間ですが、予定していたアップデートに加え、課題解決と信頼性回復もしっかりやらなければならないので大変ですが、全員の力を合わせてやり切っていくしかないですね。一方、初投入の電制LSDは、持ち込みの状態からかなり性能に寄与していて、これもしっかり煮詰めて万全の状態に持っていこうと思います」、と語りました。