2025.03.31 - SUPER GTシェイクダウン 富士スピードウェイ
SUBARU BRZ R&D SPORT、開幕に向けてテストを完了
3月29日(土)・30日(日)の二日間、富士スピードウェイにてSUPER GTシリーズ公式テストが行われ、SUBARU BRZ R&D SPORTはリザーブドライバー奥本隼士のルーキーテスト対応を含め、4月のシーズン開幕に向けテスト走行を繰り返しました。春休みの最中だったこの週末の観客数は、二日合計で11,200名でした。
29日(土)の富士スピードウェイは、雨模様でした。前日までの陽気が幻だったかのような寒気に包まれ、気温は10度以下となり時間帯によっては5度を下回るほどでした。当然路面温度も低く、2週間前の岡山の公式テストでもそうでしたが、朝から降り続いた雨が時に激しく降ったため、走行を控えるチームが多かった印象です。午後には一時霧が立ち込め、視界が確保できないほどに。赤旗中断も多く、午前2時間、午後2時間用意された走行枠をフルに走れたチームはなかったのでは、と思われます。SUBARU BRZ R&Dチームも、雨量の多い時間帯は走行を控えていたため、この日はトータルで20数周しか走行できませんでした。
一方、翌30日は一転して曇り空ながらドライコンディションで朝を迎えました。9時30分の走行セッションスタート時の路面はやや湿ったダンプ状態が残っていましたが、GTカー達が走行するたびにレコードラインは乾いていきました。前日が悪コンディションであったため、予定されていたSC(セーフテイカー)訓練やFCY(フフルコースイエロー)テストはこの日に移動。走行時間も午前午後合わせて30分間拡大しています。SUBARUチームは、朝のSC訓練を終えたらリザーブドライバーの奥本隼士をルーキーテストに送り出す予定でした。しかし、走り出すとアライメントに違和感を覚えた山内英輝はピットに戻り、チームはマシンをガレージに引き入れて調整することになりました。作業を終えたのち、山内がチェック走行し、続いて奥本がBRZ R&D SPORTのコクピットに収まりました。
奥本は、落ち着いてコースインすると、安定したラップタイムで周回。12周を走り、ひやっとする場面もなくピットに戻ってきました。奥本は、「クルマは新しくなり、ステアリングホイールの変更やフロントタイヤの小径化などはあるものの、BRZのキャラクターそのものは健在で、全く違和感なく走ることができました。GTA指定のテスト項目により、一発プッシュしてアタックするよりもコンスタントに安定したラップタイムが刻めるかどうか、ピットロードなどでのルール対応やインラップ時の他車の動き確認などが見られているので、気を抜くことなく走り切りました。自分としては、ミスなく走れたと思います」、と語っています。チーム総監督の小澤正弘は、「落ち着いて走れていましたね。私も合格点だと思います」、と目を細めていました。奥本は、「ルーキーテストを通過するのが僕のゴールではありません。今後いつ出番が来るかもしれませんが、その時になんとかクルマに合わせられるのではなく、すぐにパフォーマンスを発揮し、チームに貢献することが求められます。今後も怠ることなく準備とトレーニングを続けます」、と話していました。
奥本のルーキーテストを終えたのち、チームはマシンのドライセットを進めていきます。しかし、前日の雨の中のテストで左リアタイヤが外れるトラブルがあり、それ以後左右のハンドリングのフィーリングが異なる現象に悩む事になります。原因が定かでないまま、走ってはピットガレージに入り、調整しては走るの繰り返し。タイム的には徐々に上がっていきましたが、午後の時間の多くを走った井口は、「少しずつ改善しているとは思いますが、根本原因は掴めておらず、完治はしていないですね。(ドライで走った)先々週の岡山プライベートテストは全然起きていないので悩ましいです」、と語っています。
二日間のテストを通じて小澤総監督は、「昨日は雨で走らない時間が多かったので、今日は十分テストができると思ったのですが、意外な症状が出てそれに時間が取られてしまいました。なぜそうなったかはこれから探れば解決するはずです。治らないトラブルというのはありませんので。全体的には、この新しいシャシーで採用した制御システムや電動パドルシフトなどには大きな問題はなく、方向性には間違いないと確信しています。いよいよシーズン開幕を迎えます。待ち侘びていたファンの皆様に、力強く走るBRZの姿をお見せできると思います。どうぞよろしくお願いします」、とまとめました。
本年のSUPER GTは、2週間後の4月12日(土)・13日(日)に岡山国際サーキットで開幕します。















