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RACE REPORT

2026.06.09 - スーパー耐久2026 第3戦 富士24時間レース
「SUBARU HIGH PERFORMANCE X version II」、過去最高の総合16位で24時間レースをコンプリート
6月5日(金)〜7日(日)に富士スピードウェイで開催されたENEOSスーパー耐久シリーズ2026 Empowered by BRIDGESTONE第3戦「NAPAC富士24時間レース」にて、Team SDA Engineeringからエントリーした61号車「SUBARU HIGH PERFORMANCE X version II」(以下HiPerfX2)は予選21位からスタート。A伊藤和広/B山内英輝/C井口卓人/D鎌田卓麻/E伊藤奨のドライバー5名で襷をつなぎ、24時間で721周(約3,290km)を走破して総合16位・ST-Qクラス首位を果たしました。
今回、出場車両のHiPerfX2は、形状変更によって強度を増したピストンの採用、インタークーラーの冷却効率向上などにより、最高出力および最大トルクを375PSおよび525Nmにあげてパフォーマンスアップを図っている他、それに対応するトランスミッションギアの材質変更などを盛り込んでいます。また、AWD制御に手を加え、スピン抑制制御を進化させて乗り易さをさらに追及しています

台風6号接近による大雨予想が発せられていたため、3日(水)の富士スピードウェイは臨時休業となり、翌4日木曜日が搬入および練習走行日に当てられました。チーム監督兼チーフエンジニアであり、今回はEドライバーとしてHiPerfX2をドライブすることになっている伊藤奨は、「開幕戦もてぎに続き第2戦鈴鹿も改修後のグリップの高い路面であり、それに合わせていたため初日の走行は富士の路面に合わせこむため少し時間を使いましたが、調整後は本来の乗り易さを取り戻しています。パフォーマンスアップも図ってきているので、開幕戦からの流れを断ちきって上位フィニッシュを目指していきます」、と語っていました。台風は予想通り水曜日中に太平洋上に過ぎ去っていったため、木曜日の練習走行、金曜日の予選から決勝レースの二日間もほぼ穏やかな気候でレーススケジュールは進行しました。5日金曜日の公式予選では、ST-2クラス、ST-TCRクラスより速く、格上のFIA GT4車両が僅差でひしめくST-Zクラスに迫るタイムを記録し、参加62台中総合21位のポジションを確保しています。今回のアップデートによるパフォーマンスアップが確実に発揮された結果と言えるでしょう。
決勝レース日の6日朝は、気温21度と少し肌寒い曇り空模様となりました。今回の24時間レースは、これまで以上の観客が訪れているらしく、キャンプエリアや一般車駐車場はほぼ満杯の様子でした。S耐レースへの関心が高まっている証に見えました。決勝レースのためのスタート進行は13時40分のピットオープンに始まりました。61号車SUBARU HiPerfX2のスターティンググリッドは、第1グループの前から11列目となります。ST-2クラスなど14台が後ろに連なっています。スタートドライバーは山内が担当しました。クリーンスタートの後、速いペースを掴んだ山内は、1時間経過時には18位にポジションを上げています。その後、1時間40分前後でドライバー交代するスケジュールです。2番手は伊藤(和)、続いて伊藤(奨)がバトンを繋ぎました。マシンは絶好調で些細なトラブルも見当たりません。午後7時を回るとあたりは薄暗くなっていき、同7時半には恒例の花火が打ち上げられました。今回は低い雨雲に覆われることなく、大輪の花火が富士スピードウェイの南側の夜空に咲き誇っていました。花火と前後して4人目の井口がコースインしていきました。スタートから6時間目の午後9時の時点で総合18位を走行し、その後5人目の鎌田に交代しています。
10時半過ぎに鎌田から伊藤(和)にドライバー交代し一巡した時点で、総合20位を走行しています。夜半過ぎに山内に交代したのちは、次の井口もダブルスティントを走行し、マイレージを蓄積していきました。午前4時過ぎには東の空が白んで行き、その後朝日が登っていきます。それでも穏やかな空気感が富士スピードウェイ全体を包んでおり、急激に気温が上昇することはありませんでした。この間、FCY(フルースイエロー)は何度か提示されましたが、セーフティカー(SC)が導入されることはなく、もちろん赤旗中断もありません。朝6時、SUBARUピットでは規定のメンテナンスタイムを消化しました。フロントブレーキ交換などのメンテナンス作業も手際良く、10分間の規定タイムピッタリで61号車をコースに戻すことができています。
レースが残り5時間半となった9時半過ぎ、コースには弱い雨が降ってきました。61号車はAWDの強みを活かし、スリックタイヤのままで山内を送り出します。一旦雨は上がったように見えましたが、お昼前には再び雨粒が落ちてきます。山内から井口に交代し、この午前中を乗り切った61号車は再び山内にステアリングを委ねます。そして、総合16位のまま最後のピットイン。残り30分弱を伊藤(奨)が担当することになりました。雨足が次第に強くなっていたため、ウェットタイヤを装着してチェッカーフラッグを目指します。本井チーム代表は、「この時間帯はいつも気が気ではないですね」、と落ち着かない様子です。それでも61号車は力強く周回を重ねています。そして、24時間目の午後3時、伊藤(奨)のドライブする61号車SUBARU HiPerfX2は、総合16位のままフィニッシュラインを通過。今年の富士24時間レースをノートラブル、ノーペナルティで駆け抜け、これまでの課題を克服したレースとなりました。
チーム監督兼チーフエンジニア兼Eドライバーの伊藤奨は、「うまくいきました。でき過ぎくらいです。特にエンジンのパフォーマンスアップが効いています。24時間という長時間でちゃんとしっかり走り切るために必要な技術として、事前にベンチで効果を検証してこられたところが、良かったと思います。SCや赤旗のないクリーンレースだったので想定よりも走行距離が増えたのですが、それでも最後まで壊れずに走れて良かったです。レース中にデータエンジニアが全然問題ないと言ってくれていたので、すごく安心して走ることができました。出力向上の効果としては、特に低速域のトルクアップが効果的であり、コーナーの出口の蹴り出し感みたいなところにつながっていて、そこで一歩前に出られるというところがすごく大きな進歩だなと実感しました」、と語っています。チーム代表の本井雅人は、「ほっとしたのが本音です。クルマを今年新しくして、ラウンド1もてぎ、ラウンド2鈴鹿はきちんと走りきれてなかったので、この大会は絶対にノーミス・ノーペナで行こうぜっ、とみんなで決めていました。文字通りの安全第一、事故などだけではなく、心理的安全性とか環境とかを含め全員で安全を確保していこうというのを、今回改めてチーム全体に宣言して取り組んできたので、本当に良かったと思います」、とコメントしました。

61号車「SUBARU HIGH PERFORMANCE X version II」は、次戦SUGOラウンドをスキップし、第5戦オートポリスラウンドに出場予定となっています。
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