SUPER GT

辰巳コラム

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2016.05.05 - 2016.05/03-04 第2戦 富士スピードウェイ

着実な進化を果たしているが、まだ勝てない

路面温度とタイムのジレンマ

第2戦では予選8番手から上位を目指しましたが、11位という結果に終わりました。色々とありましたが、ひと言でまとめるとチーム力が足りていない部分があるのだと思います。クルマとしてはそこそこの性能を見せることはできましたが、FIA GT3のようにストレートで速いクルマと張り合おうとすると、タイヤへの負担が大きい。タイム的には同じでも、SUBARU BRZ GT300の場合は第2、第3セクターで詰めていく必要があるからです。ですから、序盤は無理をしすぎずについて行こうという戦法ですね。順位はキープできていましたし、後ろとの差も広げることができていましたが、そこから先は……。 想像以上に路面温度が上がったこともあって、第1スティントの後半にはタイヤがだいぶ厳しくなってきていました。トップと遜色ないタイムで走ることはできるのですが、それを続けることができるかといえば、難しい。そのジレンマですよね。タイムが落ちてきた時にピットインできなかったのは、燃費的に厳しい部分があったからです。27〜28周は走ってもらわないと、その後がつながらない。ですから、辛い状況でも頑張ってもらわなければなりませんでした。
ギリギリの状況だったピットタイミング

山内から井口にドライバーチェンジを行い、ロングスティントでだんだんと順位を挽回していけたところは悪くない流れだったと思います。タイヤをいたわりながらの走りでしたが、トップグループについて行くことも難しくはなかった。ですが、勝てる走りかというと違う気がします。それはドライバーの技量というわけではなく、それだけの走りをできる信頼性がタイヤ、マシンになかったということです。その意味では同じペースを守った賢明な走りだったと言えるでしょう。
ただ、最後のスティントに向けてのピットタイミングでセーフティカーが入ってしまいました。燃料切れで止まってしまったチームやペナルティを受けながらピットインしたチームもありましたが、SUBARU BRZ GT300も予備タンクを使うほどギリギリの状況だったのです。もしも、もう1周多くセーフティカーが回っていたら、ピットに帰ってこれなかったかもしれません。
これまでよりも、1周1秒速くしなければなりません

最後のスティントで山内は井口と同じタイヤを履いて出走しましたが、路面温度もほとんど下がりませんでしたし、厳しい状況に変わりはありませんでした。もっと安心して速く走れるようなマシンでないと、ドライバーも心理的に安定しません。ギリギリの線を突かなくても勝てるようにならないとなりません。ペナルティもありましたし、それまでのスピンやピットアウト時のエンストなど、ゴタゴタの多かったレースですが、それらがまったくなければ勝てたのかというと、私はそうではないと思います。細かな問題は色々あり、それを含めてのチーム力が足りていない。
走り自体はトップグループと同等であることは分かりましたし、クルマ自体も着実に進化しています。でも、今のままでは勝てない。マシンはこれまでよりも1周1秒速くしなければなりません。そのためのクルマ作りを、今後のテストも含めてしっかりとやっていきたいと思います。

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