岡山国際サーキットで行われた3月の公式テストから3ヶ月、いよいよ今シーズンのSUPER GT公式スケジュールが稼働し始めました。6月27日(土)・28日(日)の二日間、富士スピードウェイで合同テストが行われ、井口卓人と山内英輝のコンビが駆るSUBARU BRZ GT300は、28台中のベストタイムを記録。初日が初夏らしい好天、二日目はヘビーウェットおよび曇り空のドライ路面という絶好のコンディションの中、チームは多くの収穫を得ることができました。

最高気温26度、路温40度というこの時期らしい条件の中、走り出した初日のテストは、主に井口がドライブを担当。午前のセッションでは、ピットインを重ねながら確認走行を続けましたが、「オフの間に開発していただいたタイヤとチームが準備したクルマの仕上がりが非常によく、最初から好印象でテストを進めることができました」と井口はコメントしています。「フレッシュタイヤで走る準備をしていたのですが、今年から導入するFCY(フルコースイエロー)の訓練などがあって午前中にはタイムアタックするまでには至りませんでした。午後もロングランしながらタイヤのグリップ変化を見ていたのですが、フレッシュタイヤで出したタイムからの落ち幅が少なく、これは決勝レースでも良い状態で周回できそうだなと手応えを感じました」。井口のベストタイムは、この日のクラス4番手タイムでした。

西日本で大雨注意報が出るほどの低気圧が、テスト二日目の静岡県東部地方にも到達し、28日午前中は、ヘビーウェットでのテストとなりました。路面を流れる雨量が多く、様子を見ながらのテストとなりましたが、BRZ GT300はトラブルもアクシデントもなくこのセッションをクリアしています。雨が上がった午後のセッションは、コースのほとんどの部分でドライとなり、スリックタイヤでのテストが可能となりました。気温は22度、路面温度も24度と、前日とは異なるコンディションです。午前のテストから引き続き、ステアリングを握った山内は、「少し気になっていた部分をチームに修正してもらったのですが、それが期待通りの方向となり、とてもポジティブな印象でテストを終えることができました。空力の調整も試してみて、それぞれ良い結果が出ています。その中でタイヤの印象の良さが最もタイムに反映していると感じました。かなり走り込んだタイヤでしたが、セッション中盤で出したベストタイムが二日間の総合クラスストップだったので、それはやっぱり気持ちいいですね」と山内も話しています。

STIの渋谷真チーム総監督は、「ダンロップさんが今日の条件にマッチしたタイヤを作ってくれたので、このテストはとても良い流れで進めることができました。クルマの状態もとても良く、テスト初日の最初からドライバーからは好感触というコメントが得られていました。路面温度が高くてもグリップが低下せず、かといって路温が低くてもしっかり発熱して適正グリップが得られるという印象です。クルマのほうでは今季導入したフロント床下の形状変更が効いていて、フロントの適正ダウンフォース確保に効果が出ています。初期のセットアップからとても良い傾向が出ていたのですが、二日目のセッション終了間際には残していたメニューをトライし、こちらもよりタイムを短縮する方向で貢献することがわかりました。二日間のテストによって、開幕戦と第2戦の富士連戦で戦う基本セッティングは絞り込めたと思います。開幕2レースは無観客試合となってしまいますが、ファンの皆様の声援をエネルギーに代えてしっかり戦ってこようと思います。どうぞよろしくお願いします」と語っています。

2020年SUPER GT開幕戦は、7月19日(日)に決勝レースが行われます。新型コロナウィルス感染拡大抑止のため、富士スピードウェイに観客のみなさんが入場することはできませんが、テレビ放送やライブ配信を通じてSUBARU BRZ GT300にご声援をお送りいただきますようお願いいたします。