2020.07.10 - SUPER GTタイヤテスト
SUBARU BRZ GT300、SUPER GT開幕準備を終える
7月8日(水)・9日の二日間、鈴鹿サーキットでSUPER GT車両によるタイヤテストが行われ、R&D SPORTがオペレーションを担当するSUBARU BRZ GT300はテストメニューをこなし、1週間後に控えたSUPER GT開幕戦富士レースに向けた準備を終えました。
テスト初日は、予想に反して曇り空のもとで実施されました。路面は終日ドライコンディションです。今回のテストの主な目的は、SUPER GT第3戦に予定されている真夏の鈴鹿レースに対するタイヤのセレクトでした。これまで蓄積したデータ、チームとタイヤメーカーのダンロップによる協議をもとに、いくつか異なる仕様のタイヤセットを用意。前回の富士合同テストでは用意したタイヤが良い印象だったため、今回も期待が高まっていました。鈴鹿サーキットは、富士スピードウェイよりも高いタイヤ負荷がかかるコーナーが連続するため、比較的硬めのタイヤでセッティングしなければなりません。山内英輝がステアリングを握った初日午前中のテストは、鈴鹿特有の照りつける晴天ではなかったため、路面温度は想定より低めでしたが、それでもグリップ、耐摩耗性のバランスが良いセットをチョイスすることができました。しかし、午後は駆動系にマイナートラブルが発生したため、それの対処のため走行を切り上げています。原因はシンプルなもので、対処後は振動のような症状は発生しませんでした。
二日目のテストは、一転してウェットコンディションで行われました。午前中は井口卓人が担当です。レインタイヤでのバランスチェックも重要なテストメニューです。井口は、「2時間のセッションで雨のセットはいくつか試してみましたが、良い方向が確認できました。安定したセットだと思います」と、その印象を語っています。しかし、午後は雨量が急増してコースはヘビーウェットとなり、各チームとも走行を見合わせる状態となります。山内がコースインしましたが、「雨量が多い時の課題はありますが、改善できるようにしていきたいですね」とのこと。STIの渋谷真チーム総監督は、「ドライコンディションでのタイヤは、良いセットをチョイスすることができました。ウェットでもおおよそ良い方向を見つけられましたが、ヘビーウェットだけはできれば避けたいですね。BRZ GT300にとって比較的相性の良い鈴鹿は、空力セッティングも重要項目です。前回の富士合同テストから導入しているフロントスプリッターの有効性が、鈴鹿でも確認できました。カナードやサイドプレートなどのデバイスを細かく調整しましたが、基本的にはスプリッター効果で得られるダウンフォースが効いているという印象です。シャシーセッティングともバランスが取れていることが確認できたので、来週の開幕戦富士に対しては良い感触のまま臨めそうです」と語っています。
ドライバーの井口は、「最近の集中豪雨により九州各地で甚大な被害が出て、心配しています。僕の実家がある福岡県柳川市も、相当な量の雨が降ったようですが、幸い僕の周囲には被害は出ていないので、少しホッとしています。しかし、まだまだ気を抜けない状況が続くようですので、特に予想雨量の高い各地の皆様は十分に気をつけていただきたいと思います」と付け加えました。
SUPER GT開幕戦富士レースは、7月18日 (土)にフリープラクティスが行われ、公式予選および決勝レースは19日(日)にワンデイ開催されます。今回は、無観客試合として開催されますが、TVの実況放送などを通じてSUBARU BRZ GT300にご声援をお送りいただきますようお願いいたします。また、オンボード映像のLIVE配信もお楽しみに。