SUPER GT

BACKSTAGE COLUMN

  • vol.
  • vol.
  • vol.
  • vol.
2026.09.29

「迅速、安全、安心に心がけています」

SUBARUアウトトバックFROチームに聞く

SUPER GTで突然のアクシデント発生の場合、現場に急行し事故処理のファーストタッチを担当するのがFRO(ファースト・レスキュー・オペレーション)チームです。現在3台3チームで運用しているFROチームのうち、SUBARUアウトバックを活用しているチームにスポーツランドSUGOでお話を聞きました。
MSM みなさん、よろしくお願いします。まずは、それぞれ自己紹介と業務内容をご説明いただけますか?

松井 「FROドライバーの松井宏太と申します。今年からアウトバックFROを担当しています。菅生では、セッション中は馬の背コーナー手前の左側開口部で待機しています。私たちドライバーは、レスキューとドクターとの3人セットで、基本的にはいつでも出動できるようスタンバイしています。何かアクシデントが発生した場合は、もちろん安全に現場に急行することを意識しています。ドライバーの方が無事かどうかを確認することが最優先なので、レースコントロールからの指示を聞き、ドクターやレスキューと事故の状況を予測しながら現場に向かいます。アウトバックは現在ある3台のFROのなかでも機動性が高く、取り回しやすい点が特徴であり、強みです」
樋口 「ファイヤーアンドレスキュー担当の樋口健士郎です。仕事は、主にトラブル車両の撤去やコースの安全確保などです。出動する場合は、ほとんどが車両のトラブルですね。突然のトラブルで停止していたり、グラベルにハマっていたり、クラッシュなどで動けない場合などです。そういった時に、まずその車両の状況を把握して、それをレースコントロールに伝えます。火災の兆候がある場合は、このFRO車両に搭載されている消火器を使用して消火活動を行い、その状況に応じて車両およびドライバーの状態確認を進めます。SUPER GTではハイブリッド車両が走っており、その場合漏電の可能性があり、感電する恐れもあります。そのため、絶縁装備などを使って適切な対応をとり、二次災害が起きないよう配慮することが必須です。危険と隣あわせではありますが、基本的に落ち着いて作業することを心がけています」
笠井 「笠井あすかと申します。今年FROドクターとして任命され、今日がデビュー戦です。これまではモビリティリゾートもてぎで自転車のレースから、二輪、四輪まで様々なタイプのレースに10年以上関わっておりましたが、この度SUPER GTメディカルデリゲートの渡邉先生にお声掛けいただき、FROチームの一員となりました。これからも、長くモータースポーツに関わっていきたいと思っています。一般的には、病院勤務では病院に待機していて、救急隊が傷病者を運んできますが、FROの医師は、現場に直接行くので、火災や燃料漏れの有無、車体損傷の状態、衝撃の程度、ドライバーの意識・呼吸・循環などを確認し総合的に判断する必要があります。その上で、最も安全で適切な救出方法を決定します。対応が遅くなれば生命に関わることもあるので、冷静さと医学的根拠に基づき迅速に判断してアクションすること。同時に他部門とも情報を正確に伝える必要があります。また、そのファーストタッチの際には、当事者のドライバーの方には、不安を和らげるためにコミュニケーションをとり、「私たちが来たからもう大丈夫」という安心感を伝えることを心がけています。以前は、救命救急センターで働いていたので、その知識や経験も活かせると思っています。実はですね、普段は豪華客船の船医をしていて、今回は4日前に下船して早速合流しました。1年を通してFROチームに参加することはできないのですが、特殊な環境と特殊な状態においてチーム医療を展開する難しさは、船上でもサーキットでも共通するものがあります。いずれもやりがいのある仕事です」
MSM 渡邉水樹ドクターにもお話を伺えますか?

渡邉 「SUPER GTメディカルデリゲートの渡邉と申します。現在は管制塔で各FROや医務室への指示などを担当していますが、私も10年ほどFROの現場に携わっていて3年前からメディカルデリゲートをお受けしています。FROとして心がけているのは、こういうメディカルチームがしっかりすることで、SUPER GTの医療体制が他のプロスポーツと同じように認識されるようになれば良いと感じています。アクシデント発生の場合、FROが最初に行くことがやっぱり多いのですが、その後サーキットの方たちとコミュニケーションをとって、まとめる係となれれば理想です。また、ドライバー側には、安全を守るFROやオフィシャルに対して敬意を払う事を心がけてほしいですよね。もちろんFRO側にも、多くのファンが見守るイベントなのでなるべく進行を止めないように意識することも必要です。また、レースを通じてドクター側も組織プレイを学ぶことがあるはずだと考えています。笠井ドクターのように高いスキルの方がFROを憧れと言ってくれることはとても嬉しいし、本当に助かっています。これら車載の救急用具も是非ご覧ください。特に首を痛めている疑いのあるドライバーに適応するボア(BOA)は、ドライバーの首から脇の下を通し引き上げるためのデバイスで、効果が高いため効能を広めて行きたいと考えているものです」
SUPER GTの安全を見守るFROのみなさん、本当にご苦労様です。今回お話を伺ったみなさんは、それぞれ特別な使命感を持っておられ、とても頼もしく感じました。ファンの皆さまもそんな目でレースを見ていただければ、と思いました。
  • vol.
  • vol.
  • vol.
  • vol.
Scroll to top