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SUPER GT エディターズトピックコラム2015.04.20

外観以上の進化を遂げたSUBARU BRZ GT300

苦戦するも光明が見えた開幕戦
既報のとおり、SUBARUチームは今年のSUPER GT開幕戦において、路面がドライになることに賭けてスリックタイヤでのレーススタートを決断したものの、予想は外れ苦しい展開となりました。

STI総監督の辰己英治は、「あの賭けは残念ながら外してしまいましたが、そのなかにも光明は見えたと思います。降雨によってマシンはグリップを得ることができず、スタートドライバーの山内英輝はコース上にとどまり続けることすら難しかったと思います。しかし、雨が降った後、2周くらいで山内はピットインして来るかと思いましたが、彼は粘り続けました。予定外のイレギュラーピットで時間をロスしたくなかったからです。タイムではウエットタイヤ勢に及ばなかったものの、徐々に安定的なラップタイムを刻み、山内のスティントの後半ではGT300クラスの2番手タイムも獲得しました。ここに着目したいと思います。それは、今年のクルマのシャシー性能がきちんと機能している証拠だからです。安定して走ることこそが大事で、そこに開発のテーマを絞っていましたから、それに関しては合格点が与えられると思います」と語っています。
SUBARU BRZ GT300 2015年モデル概要
そのSUBARU BRZ GT300は、2014年モデルから外観以上に大きな進化を果たしています。辰己総監督は2015年モデルの開発に際し、シーズンオフに自らステアリングを握り、栃木県にあるSUBARU研究実験センター(SKC)のテストコースで走り込みを行いました。「2015年モデルのマシンは、自動車工学の観点から見ても間違いなく良くなっていると思います。特に基本に則ったクルマづくりをしてきましたので、ある意味で量産車の考え方の延長線上とも言えますね。サスペンションにきちんと仕事をさせれば、空力に頼りすぎないマシンをつくることができますし、タイヤの摩耗も偏りがなく、非常に均一に使うことができます。2015年モデルのマシンは、レーシングカーのセオリーとSUBARUのクルマづくりのセオリーが一緒になって進化していく過程にあると言えますね」と辰己は語っています。

エンジンはこれまでも使用してきたEJ20水平対向4気筒ターボ。2015年のJAF-GT規定で吸気リストリクターが大きくなったものの、排気量が1994㏄ということもあり、V型8気筒などの大排気量エンジンを搭載するライバルにはパワーの面で一歩譲る部分もみられます。しかしそのコンパクトさを活かして限りなく低く、そしてエンジンルームの後方に搭載され、マシンの低重心化や重量配分の最適化に大きく貢献しています。
マシンの内部に秘められた進化
マシンを整備するR&D SPORTの澤田稔技術部 部長はSUBARU BRZ GT300について、次のように説明します。「まず、2014年モデルと2015年モデルの車両の違いですが、これまで何度か言われているように、フロントのタイヤサイズを直径680㎜、リヤを710㎜としています。それに合わせた形状にフロントカウルのデザインも変更されています。ボンネットの上面を低くすることができたほか、これに伴ってリヤフェンダーの造形も変更し、車両全体で空力の効率を向上させドラッグを減らすような工夫をしました。ボンネット上にあったダクトも、できるだけ上面の穴をなくしたいため、それを別の場所に移設しています」
前面投影面積を小さくし、ボンネット上の空気をスムーズに流すことで空気抵抗を減らし、リヤウイングやディフューザーの効率を上げていく。それはバンパー開口部の振り分けなどにも当てはまります。ラジエター、インタークーラー、エンジン吸気のほか、ブレーキ冷却、ドライバー用ベンチレーションなど、空気抵抗とのバランスを考えながら、いかに効率良く空気を送り込むかも考えなければなりません。「また、シャシーやサスペンションはほぼ作り直しに等しいかたちです。特にサスペンション関係はSUBARU / STIと一緒にこれまでのものを見直して、走行試験等を繰り返してきました。安定性は向上していると思いますし、そのためにサスペンションアームの取付位置や寸法なども変更しています。また、規定で認められた範囲内でホイールベースをベース車両よりも延長しています。これはブレーキングの安定性とコーナリングの性能の向上を目指してのものですね」と澤田。

 グリッドやピットでマシンを間近で観るファンに対しては、「外観からはフロントカウルが変わったくらいにしか分からないかもしれませんが、シャシーやサスペンションなど中身は大きく変わっています。タイヤについてもダンロップが常に改良されたものを用意してくれるので、そのマッチングを一緒になって頑張っています。今後SUBARU BRZ GT300本来のポテンシャルは必ず出てくると思っていますので、より期待していただければと思います」とコメントしました。毎戦ごとに進化するSUBARU BRZ GT300から、これからも目が離せそうにありません。

次の第2戦富士ラウンドは、500kmの耐久レースとなります。SUBARU BRZ GT300の真価を発揮すべく、エンジニアたちは日夜知恵を絞っています。SUBARU BRZ GT300の走りにご期待ください。

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