競技最終日はSS11〜17の計7SS、SS走行距離は37.296kmによって争われます。前日にも使用した『上平井』、『鬼久保』といったSS、新城総合公園内の特設ステージに、過去のイベントでも使用してきた『ほうらいせん一念不動』を加えた構成となっています。SS11/15に設定された『ほうらいせん一念不動』は8.732kmと、この日のSSで一番距離が長く、勝負どころのひとつと言っていいでしょう。総合首位の勝田は、この日のオープニングとなるSS11、続くSS12でベストタイムを獲得し、総合2番手につける新井との差を14秒まで広げます。対する新井もSS13、SS14で勝田を上まわるタイムで反撃を試みますが、SS15の『ほうらいせん一念不動』で勝田が再びベストタイム。勝田は残る2箇所のSSを逃げ切って、今シーズン3度目の勝利を獲得しました。勝田にとってはVAB型SUBARU WRX STIでの初勝利です。また、勝田のコ・ドライバーを務める石田にとっては全日本ラリー選手権最上位クラスでの初優勝という記念すべき一戦となりました。

勝田は、「勝負どころの『ほうらいせん一念不動』で2度ともベストタイムを獲得できたことで、新井選手にSSタイムで負けても冷静にラリーを戦うことができました」とコメント。また、JN4クラスではSUBARU BRZが2〜4位に入る活躍を見せ、3位の石川昌平/石川恭啓がクラスチャンピオンを確定させました。

ディーラーメカニックコメント「基本に立ち返ることができたと思います」

富士スバルアライモータースポーツ　ディーラーメカニック
西俣明彦（にしまた あきひこ）　36歳
三重スバル自動車株式会社　津店
テクニカルスタッフリーダー　勤務歴7年


今までモータースポーツとは無縁だったという西俣は、会社からの勧めもあり、新城ラリーに参加したといいます。 「ラリーについてはあまり詳しくなかったのですが、以前ディーラーメカニックに参加したスタッフが同じ会社におり、『ラリーのメカニックは面白い』と聞いていましたので、どんなことを経験できるのか興味はありました」 サービスでは右リヤセクションを担当。タイヤ交換、ブレーキやサスペンションのチェックを中心に作業を行いました。 「以前参加したスタッフから作業の様子などを事前に教えてもらいましたが、それでも最初は制限時間をどのように使ったらいいのか戸惑い、プレッシャーもありました。そんななか、自分なりに精一杯作業を行うことができ、大きなトラブルもなくスムーズに終えることができました。朝も早く、体力的に厳しかったですが、ラリーでは作業を行う際の声の掛け合いやコンビネーションがものすごく大切で、基本に立ち返ることができました。ラリーのサービスを通じ、普段の業務にも活かすことができる良い経験ができたと思います」と、その手応えを語っています。

この第9戦新城ラリーをもって全日本ラリー選手権の2015年シーズンは閉幕しました。VAB型SUBARU WRX STIを本格投入したシーズンにおいて9戦中8勝を挙げたほか、新井敏弘/田中直哉が年間チャンピオンを獲得するなど、SUBARUにとって実り多き1年となりました。今後も各モータースポーツカテゴリーで活躍するSUBARU勢へのご声援をよろしくお願いいたします。

勝田は自身初となるVAB型SUBARU WRX STIでの勝利を狙う

今回のラリーは、競技に先立ち30日(金)の夕方に、JR新城駅前の市道新城栄町線でセレモニアルスタートを実施。沿道には大勢の近隣住民や観客が詰めかけ、次々にスタートしていく選手たちに声援を送りました。

ラリーは31日(土)の朝、拠点となる新城総合公園でスタート。この日はSS1〜10まで、総SS距離59.439kmで争われます。4箇所に設定された競技区間はテクニカルな林道、ハイスピードな2車線道路、公園内の特設コースなどバラエティに富んだ構成となっており、最適なセットアップと適切なタイヤの使い方が求められます。序盤から飛び出したのは、このラリーで抜群の強さを見せる勝田。午前中のSS4までを終えて、総合2番手の新井に2.3秒差をつけて僅差ながらラリーをリードし、VAB型での自身初勝利を狙います。午後に入っても勝田の勢いは止まらず、10箇所のSSのうち5箇所でベストタイムをたたき出し、首位の座を譲ることなくこの日のステージを走り切りました。新井は9.2秒差で総合2番手、炭山は首位の勝田から1分21秒8差で総合5番手につけ、最終日の上位進出を狙います。

2015年シーズンの最後を飾るバトルに期待

首位で最終日に臨む勝田は、「タイヤとマシンが『雁峰北』や『上平井』のテクニカルなSSに合っていて、いいタイムを出せました。ただ、ハイスピードの『鬼久保』ではドライビングを合わせ切れず、タイムに結びつきませんでした。このSSはラリー最終日も使用するので、新井選手に離されないよう集中して臨みたいと思います」と、明日への決意を滲ませます。

2番手で勝田を追う新井も、最終日の逆転を期して意気込みを語ります。 「マシンはテクニカルステージでも、ハイスピードステージでも合わせていけるようなセッティングにしてきましたが、『雁峰北』や『上平井』では、ドライビングのリズムが合わせづらい部分もありました。しかし、今日ベストタイムを獲得した『鬼久保』が2日目にも2本設定されているので、そこで挽回できるように頑張ります」 また、SUBARU BRZが参戦するJN4クラスでは、ポイントリーダーの石川昌平/石川恭啓がクラス2番手、小濱勇希/馬場雄一がクラス3番手につけています。また4番手と5番手にもSUBARU BRZユーザーがつけており、最終日の活躍にも期待がかかります。

競技最終日の11月1日(日)は、SS11〜SS17の計7SS。SS走行距離は37.296kmという短距離決戦です。2015年シーズン最後の飾るにふさわしい、トップドライバー同士の真剣勝負にご注目ください。

2015年全日本ラリー選手権の最終戦となる第9戦新城ラリー2015が、愛知県新城市を中心に開催されます。舞台となるのは奥三河のワインディングロード。2車線の県道を使用するハイスピードステージや、回り込むコーナーの多い林道など、SSのバラエティに富んでおり、攻略の難しいターマック（舗装路）ラリーとして知られています。 スペシャルステージごとにその性格や路面はまったく異なり、ぴたりとマッチしたセッティングを探すだけでなく、コースに合わせたリズムを見つけるクルーの適応力も要求されるラリーです。2013年、2014年は、三菱ランサーエボリューションⅩの奴田原文雄／佐藤忠宜が2年連続で優勝を飾っており、2015年のチャンピオン新井敏弘や地元の勝田範彦らSUBARU勢の巻き返しに期待が高まります。なお、前戦ラリーハイランドマスターズでクラッシュを喫した鎌田卓麻は、今回は参戦を見送ることとなりました。

JN4クラスでは、SUBARU BRZの石川昌平／石川恭啓がランキングのトップを争っており、勝負の行方にも注目が集まります。車両は異なりますが、石川は2014年の新城ラリーでクラス2位を獲得しており、その経験を活かして今年も速さを見せてくれるはずです。SUBARU BRZは石川を含めてJN4クラスに4台、JN5クラスに1台がエントリーしています。SUBARU WRX STIと並んでこちらの戦いぶりにもご注目下さい。

充実のギャラリーエリア、イベント満載のラリーパーク

新城ラリーが誇るハイスピードステージ、『作手(つくで)』が今年は名称を変更し、SS距離も延長。『鬼久保(おにくぼ)』として、2日間で計5回走行が行われます。また、『雁峰北』や『上平井』は対照的なテクニカルステージで、鬱蒼と木が茂り昼間でも薄暗いこれらの林道は、ところどころに苔が生えているため晴天であっても滑りやすく、ドライバーの集中力が問われます。『雁峰北』は、SS距離もイベント最長の11.139kmに設定されており、このSSでの成否が大きく戦績に影響するものと思われます。

ギャラリーステージは、「新城総合公園」(無料。一部有料エリアあり)と、「鬼久保ふれあい広場」(有料)の2カ所に設けられ、両日開催されます。新城総合公園ではラリーのスタート／フィニッシュやサービスパークの見学ができるほか、デモランやトークショーなども実施される予定となっています。セレモニアルスタートは31日(土)午前8時から実施予定です。イベント会場には各社のPRブースや飲食ブースが並び、毎年多くの観客が訪れます。

今年は、ラリー前の30日(金)に新城市内でセレモニーも実施。JR新城駅前の市道新城栄町線において、午後3時30分から新城高校吹奏楽部による演奏、午後4時からセレモニアルスタートが開催されます。観戦チケット情報や駐車場情報などについては主催者の公式ウェブサイトでご確認下さい。観戦チケット情報や駐車場情報などについては主催者の公式ウェブサイトでご確認下さい。

●新城ラリー2015
http://www.shinshiro-rally.jp/