マシンに対してはポジティブな感触

そんななか、ドライバーのふたりには少し申し訳ないことをしてしまったと思っています。予選の段階でまったく逆の性格のクルマだったわけですから。Q1の山内英輝は最終コーナーで一度飛び出てしまいましたが、そこで盛り返してQ1を通過してくれました。ここでタイムを取り返すことはなかなか精神的にもできることではありません。Q2の井口も高速コーナーでスピンを喫してしまいました。Q2のタイヤは決勝でも使うことが多いわけですから、その後はどうしても慎重にならざるを得ず、11番手という結果になりました。ただ、こうやって試行錯誤を重ねたおかげで、決勝の良いセットが見つかったのだと思っています。

決勝レースは路面温度が高く、タイヤ自体はまったく問題なく、調子よく働いてくれたと思います。第2戦の富士よりも進化した手応えが感じられました。それに、セッティング自体もだいぶ良くなってタイヤを活用できるようになったのだと思います。タイムで比較すればGT300クラスのトップクラスと遜色ないタイムも出せていますし、前を抑えられていなければ、30周近く走ったタイヤでもそういうタイムを出すことができる。これは今後に向けて重要なポイントだと思います。

第4戦富士の前には、7月25日(土)・26日(日)にスポーツランドSUGOでSUPER GTの公式テストがあります。ここではじっくり腰を据えて、ドライバーも含めてチーム全体でクルマへの理解を深めたいと思っています。タイの決勝のセットは良かったけれど、もっといいものがあるんじゃないか、国内サーキットには合っているのか、など色々と探っていきたいと思っています。タイヤについてもそうです。タイよりも気温の低い日本ではどうなのか、チェックしたいと思っています。ですから、なにか新たなアイテムを投入するというよりは、第2戦の富士で起きたこと、タイで起きたことを時間をかけて検証したい。クルマのレベルは低くないので、もう少しその速さを確実に発揮できるようにしたいと思っています。確実にセットアップを合わせられるクルマにできるよう頑張ります。

第4戦の富士は、やはり長大なストレートがありますので、FIA GT3車両を相手に苦戦は必至だと思います。ただし、第2戦富士でのデータと合わせ、今回のタイで得られたデータ、公式テストのデータも非常に役に立つでしょうね。セットアップを決めるのにも有用だと思います。SUBARU BRZ GT300は富士に合わせてセットアップを多少詰める必要がありますが、ドライバーの感触も良いので、マシンを根本的にガラッと変えるようなことはありません。タイヤについては、タイで使ったものでもいいのですが、ワンランク、ソフト方向のタイヤが使えるかもしれません。8月の開催とは言え、タイと比べれば路面温度も多少は下がるでしょう。じっくりとSUGOでテストをし、今後もさらにステップアップして戦えるように頑張ります。