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辰巳コラム

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2015.08.31 - SUPER GT 第5戦 鈴鹿ラウンド

必要なのは『勝ち切る力』

今シーズン初の表彰台を獲得できましたが、やはりレースで勝つことは簡単ではありません。レースは色々な要因が絡まってきますから、なかなか思いどおりにはいきませんが、我々のSUBARU BRZ GT300とタイヤは、現状である程度のレベルには達していると思います。

現在の状態でも勝つ可能性はあったかもしれません。ただ、『完全に勝ち切る力』があるかと言われれば、それは少し足りていないと言わざるを得ない。レースは運に左右されることも大きいですし、セーフティカーがどこに入るかを選べるわけでもありません。そういう不確定要素が出てきた時でも必ず勝てるかと言われると、難しいのが現在の実力ですね。それを乗り越えるには、クルマはもちろんタイヤもドライバーも、すべてがワンランク上にいかなければなりません。運が良ければ勝つことはできるかもしれませんが、実力で勝利を獲りにいくには、もう一段階上の実力が必要です。
不確定要素を乗り越えて

終わってみれば我々のピット回数は4回でしたが、スタート前は4回でいけるかということも確証がもてませんでした。燃費の面でライバルには余裕がありますが、ウチには余裕がない。残り燃料ギリギリまで走るという冒険をする覚悟もありました。ですから、日曜の朝に雨を見た瞬間は、勝つチャンスが増えると思いました。レースの不確定要素が増えるわけですからね。実際、セーフティカーには燃費の面で助けられた部分もありました。

色々な要素が含まれていたレースでしたから、多くのチームに上位進出のチャンスがあったのだと思います。ですが、トップチームでもペナルティを受けてしまうような難しい状況のなか、我々にはそういうミスはありませんでした。優勝したチームもミスをしていませんし、そういうチームが最終的に上にいたということです。セーフティカーのタイミングにしても、うちが得した時も損した時もありました。ただ、それは不可抗力で起きていることで、こちらがそれをつくり出しているわけではありません。想定外の事態で起きる被害を常に最小限にしようと努力して、うまくいったチームが上位に残ったということです。雨が降ったからどこが速かったとか、ドライになったからレースの流れが変わったとか、そういうことではなく、実力のあるところが予選も速く決勝でも安定していました。状況変化を見てコントロールできたチームが上にいたということです。
接触による影響は想定以上でした

一番の想定外の出来事は、やはり序盤での接触ですね。接触などはレースだから仕方のない部分ではありますが、これは影響が大きかったです。結局、付け直せる状態ではなかったので、左リヤタイヤ後部のディフューザーを取らざるを得ませんでした。接触は2スティント目、雨の時だったのですが、ウエットの時は影響が少ないんです。それがスリックになった途端、リヤタイヤが厳しいという話になりました。走行抵抗が減るのでスピード自体は落ちませんが、ダウンフォースが減っている分、高速コーナーで行き切れないんです。たとえばデグナーなどは右コーナーですから、左が踏ん張れずに滑ってしまうんです。逆に130Rのような高速右コーナーでは左側を押さえる力が抜けてしまうので、右リヤタイヤの負担が大きくなってしまう。それでも新品であればタイムは出ますが、後半になると落ちが大きい傾向にありました。土曜日の練習走行でロングランを試した際は20ラップを過ぎてもいいタイムが出ていましたが、決勝ではその良さが出せなかった。それは破損によるところが大きいのだと思います。もちろんチームとしても勝とうという気持ちで望んでいました。ドライバーとしてはなんとなく自分の責任と感じる部分もあるでしょうが、アクシデントなのでそれは仕方がありません。もっと速いクルマを作ろうという、今はそんな気持ちですね。

次戦はスポーツランドSUGOです。今年のクルマの仕上がりを見ていると、鈴鹿サーキットと同じくらい得意なコースだと思うんです。やはり、鈴鹿以上の結果を狙いたいところですよね。それはつまり、予選のトップを獲るということです。ポールポジションを獲らないと、優勝は難しい。クルマ自体は、ドライバーからバランスが良いのでいじらないでほしいと言われているほど、まとまっています。しかし、そこからさらに先に行くために、次のフリー走行では思い切ったことをして上を狙わないとダメだと思います。特にSUGOはコース幅も狭く、抜くところも少ないですから予選の順位は重要です。クルマもチームも、トップを獲れるポテンシャルは持っているので、ぜひ期待して頂ければと思います。

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