2024.04.15 - 全日本ラリー選手権第2戦 ツール・ド・九州2024 in 唐津 Leg2
後続との差を守り切った新井敏弘が4位でフィニッシュ
4月14日(日)、2024年全日本ラリー選手権第2戦「ツール・ド・九州2024 in 唐津」の競技最終日となるレグ2の走行が行われ、SUBARUが協賛するSUBARU WRX S4の新井敏弘/井上草汰がJN1-クラス4位でフィニッシュを果たしました。
前日に続いて晴天に恵まれ、気温も夏日に近いほど高くなったこの日は、前日のステージの一部を逆方向に走行するSS7/12『MIKAERINOTAKI reverse(6.08km)』と、SS8/10『WARABINONOTANADA(5.24km)』、SS9/11『AZAMENOSE(4.17km)』を2回ずつ走行する構成。AZAMENOSEには、観戦エリアも設定されました。
前日を4番手で折り返した新井は、表彰台圏内となる3番手まで9.2秒差という状況から、ラリー2日目をスタートします。下りのステージがメインととなるこの日のSSは、12日(金)に行われたレッキの時から路面全体に苔が広がり、今大会で最も危ないと見られていた区間も待ち構えています、そのなか新井は、それぞれのSSを堅実に5番手、6番手タイムでクリア。後続との差を維持して、JN-1クラス4位でのフィニッシュを果たしました。またJN-2クラスでは、SUBARU WRX STIの三枝聖弥/船木一祥組が、三枝にとっての待望の全日本初優勝を果たしました。
前日に続いて晴天に恵まれ、気温も夏日に近いほど高くなったこの日は、前日のステージの一部を逆方向に走行するSS7/12『MIKAERINOTAKI reverse(6.08km)』と、SS8/10『WARABINONOTANADA(5.24km)』、SS9/11『AZAMENOSE(4.17km)』を2回ずつ走行する構成。AZAMENOSEには、観戦エリアも設定されました。
前日を4番手で折り返した新井は、表彰台圏内となる3番手まで9.2秒差という状況から、ラリー2日目をスタートします。下りのステージがメインととなるこの日のSSは、12日(金)に行われたレッキの時から路面全体に苔が広がり、今大会で最も危ないと見られていた区間も待ち構えています、そのなか新井は、それぞれのSSを堅実に5番手、6番手タイムでクリア。後続との差を維持して、JN-1クラス4位でのフィニッシュを果たしました。またJN-2クラスでは、SUBARU WRX STIの三枝聖弥/船木一祥組が、三枝にとっての待望の全日本初優勝を果たしました。
■新井「さらに改善できることを見つけていかなくては」
大きなトラブルなくラリーを4位で走り切った新井は、「競技車両として作られたFIA公認のラリー2車両やR5車両は、高速区間で本領を発揮するので、それに立ち向かうのはなかなか難しい戦いです。JAF公認のJP4車両として製作されたラリーカーのWRX S4は、SUBARUのエンジニアが頑張ってくれてエンジンも速くなり、サスペンションでもエンジニアがセッティングを合わせてくれたので、もっといい方向に行く気がしています。次戦以降も、さらにやれるところを見つけていかないといけませんね」と、今後に向けての改良に気合いを入れ直しました。
大きなトラブルなくラリーを4位で走り切った新井は、「競技車両として作られたFIA公認のラリー2車両やR5車両は、高速区間で本領を発揮するので、それに立ち向かうのはなかなか難しい戦いです。JAF公認のJP4車両として製作されたラリーカーのWRX S4は、SUBARUのエンジニアが頑張ってくれてエンジンも速くなり、サスペンションでもエンジニアがセッティングを合わせてくれたので、もっといい方向に行く気がしています。次戦以降も、さらにやれるところを見つけていかないといけませんね」と、今後に向けての改良に気合いを入れ直しました。
■エンジニアコメント「量産車と同じエンジンを載せるラリーカーをさらに強くしたい」
・石井大基
・SUBARU車両環境開発部 主査(開発統括1)
SUBARUでは技術支援として、ラリー現場にエンジンエンジニアを派遣し、新井をサポートしています。石井は通常は、市販車のWRX S4、レヴォーグ、レヴォーグ レイバックのエンジン開発全体の統括を担当。新井がVAB型のWRX STIで走っている頃から、S4がラリーで使えるのか、という検討段階から関わっていました。ラリーカーに搭載されているエンジンは、市販車と完全に同じだという石井。
「工場から出てきたエンジンをそのまま載せていて、量産のエンジンと何も変わりません。ラリーの現場では、過酷な環境の中で商品に関わるものと同じように取り組むことで、エンジンのハード面での信頼性強化などを担当しています。ラリーの環境で得たデータや、鍛え上げられたハード、制御は市販モデルにも活かされますし、それがラリーに参戦するメリットだと思います」と語ります。
「ラリー参戦においての課題として、新井選手のフィーリングに対してラリーカーがどういった動きをするのか、エンジンの水温や油温がだんだん上がっていくラリーの厳しい環境のなかで狙いどおりのエンジン性能が出ているか確認しながら制御を変えていくのですが、今回の唐津ではほぼ目論み通りの数値が出ていました。また、新井選手のサービスにSUBARUのファンの方々がたくさん観にきてくださっていたのを実際に目にして、エンジニアとしてももっと頑張らないといけないと感じました。まずは表彰台に乗ることを目指して、ラリーカーを強くしていきたいです」
・塚原大輔
・SUBARU車両環境開発部 環境性能開発第3課
エンジンの制御面を担当する塚原は、普段は2.4リッターターボの機能開発で、ECUの適合を担当。ラリーカーに関しては、量産車とは異なった制御開発に取り組んでいるといいます。
「ラリーカーでは量産車ではできないことができるので、エンジニアとしても楽しいです。ラリーを経験することで引き出しがどんどん増えて、今後の商品力を上げることに活用できると考えています。たとえば最近では、新井選手からアンチラグについての要望がありました。量産で使っている制御ではないので、量産とは直結しませんが、今後の商品展開としてレベルを調整するなどして、うまくつなげられるアイデアになるのではと感じています」と塚原。
「今回の唐津では、前戦からシフト周りの制御を変えたのですが、それがうまく機能していることが確認できて良かったです。新井選手からは、すごくシフト操作がしやすいと言っていただいたので、やった甲斐がありました。これまで気温が低い環境のなかでのラリーの方が多かったので、今回の唐津は想像以上に暑くなり心配しましたが、狙いどおりにエンジンが性能を発揮してくれて安心しました。これからももっともっと、強く速いWRXをファンの皆さんに見せたいと思っていますので、応援をよろしくお願いします」
今季の全日本ラリーは、この第2戦唐津から2週間間隔で2戦が続く過密スケジュールとなります。次戦は、4月26日〜28日に開催される今季第3戦「久万高原ラリー」です。愛媛県の上浮穴郡久万高原町を拠点として行われる舗装路(ターマック)ラリーは、5年ぶりに「ハイランドパークみかわ」での観戦エリアも設定されます。ますます進化を続けるSUBARU WRX S4の奮闘に応援をよろしくお願いします。
・石井大基
・SUBARU車両環境開発部 主査(開発統括1)
SUBARUでは技術支援として、ラリー現場にエンジンエンジニアを派遣し、新井をサポートしています。石井は通常は、市販車のWRX S4、レヴォーグ、レヴォーグ レイバックのエンジン開発全体の統括を担当。新井がVAB型のWRX STIで走っている頃から、S4がラリーで使えるのか、という検討段階から関わっていました。ラリーカーに搭載されているエンジンは、市販車と完全に同じだという石井。
「工場から出てきたエンジンをそのまま載せていて、量産のエンジンと何も変わりません。ラリーの現場では、過酷な環境の中で商品に関わるものと同じように取り組むことで、エンジンのハード面での信頼性強化などを担当しています。ラリーの環境で得たデータや、鍛え上げられたハード、制御は市販モデルにも活かされますし、それがラリーに参戦するメリットだと思います」と語ります。
「ラリー参戦においての課題として、新井選手のフィーリングに対してラリーカーがどういった動きをするのか、エンジンの水温や油温がだんだん上がっていくラリーの厳しい環境のなかで狙いどおりのエンジン性能が出ているか確認しながら制御を変えていくのですが、今回の唐津ではほぼ目論み通りの数値が出ていました。また、新井選手のサービスにSUBARUのファンの方々がたくさん観にきてくださっていたのを実際に目にして、エンジニアとしてももっと頑張らないといけないと感じました。まずは表彰台に乗ることを目指して、ラリーカーを強くしていきたいです」
・塚原大輔
・SUBARU車両環境開発部 環境性能開発第3課
エンジンの制御面を担当する塚原は、普段は2.4リッターターボの機能開発で、ECUの適合を担当。ラリーカーに関しては、量産車とは異なった制御開発に取り組んでいるといいます。
「ラリーカーでは量産車ではできないことができるので、エンジニアとしても楽しいです。ラリーを経験することで引き出しがどんどん増えて、今後の商品力を上げることに活用できると考えています。たとえば最近では、新井選手からアンチラグについての要望がありました。量産で使っている制御ではないので、量産とは直結しませんが、今後の商品展開としてレベルを調整するなどして、うまくつなげられるアイデアになるのではと感じています」と塚原。
「今回の唐津では、前戦からシフト周りの制御を変えたのですが、それがうまく機能していることが確認できて良かったです。新井選手からは、すごくシフト操作がしやすいと言っていただいたので、やった甲斐がありました。これまで気温が低い環境のなかでのラリーの方が多かったので、今回の唐津は想像以上に暑くなり心配しましたが、狙いどおりにエンジンが性能を発揮してくれて安心しました。これからももっともっと、強く速いWRXをファンの皆さんに見せたいと思っていますので、応援をよろしくお願いします」
今季の全日本ラリーは、この第2戦唐津から2週間間隔で2戦が続く過密スケジュールとなります。次戦は、4月26日〜28日に開催される今季第3戦「久万高原ラリー」です。愛媛県の上浮穴郡久万高原町を拠点として行われる舗装路(ターマック)ラリーは、5年ぶりに「ハイランドパークみかわ」での観戦エリアも設定されます。ますます進化を続けるSUBARU WRX S4の奮闘に応援をよろしくお願いします。