2015.10.18 - 2015年全日本ラリー選手権第8戦 ラリーハイランドマスターズ2015 デイ2
秒差の接戦を制して新井敏弘が今季5勝目

前日に引き続き好天に恵まれた競技最終日の舞台はSS7〜12の計6SS、SS走行距離45.62kmで争われます。注目はやはりトップの新井と、初日の後半にかけて調子を上げてきた勝田の首位争いです。前日最後のサービスでスプリングを変更した勝田は猛追を開始、SS7、8、10、11と4箇所のSSでベストタイムを獲得して、首位の新井に迫ります。新井もSS9でベストタイムを獲得しますが、SS11を終えた段階でふたりの差はわずかに1.7秒と緊迫の展開に。勝負は最終SSへと持ち越されました。このSSを新井は渾身のベストタイムで走り抜け、最終的に3.8秒差で勝田を下し、シーズン5度目の勝利を獲得しました。JN4クラスでは、SUBARU BRZがクラス2〜5位を独占、ランキングトップの石川昌平/石川恭啓は5位に入賞し、最終戦でのチャンピオン獲得に向けて前進しました。
新井は、「最終日の後半セクションでアライメントが狂ってしまっていることに気がつき、最終SSを前に自分で再調整を施しました。勝田選手に迫られていましたが、最終SSを全力でアタックし勝つことができました。次戦の新城ラリーでも、この調子で頑張りたいと思います」と満面の笑み。2位に終わった勝田は、「クルマの感触も良くなってきて、できる限り新井選手を追いかけましたが、逆転できませんでした。デイ1での差がすべてですね。でもいい勝負ができたと思いますので、次の新城も頑張ります」と爽やかな表情で答えました。

ラックスポーツ ディーラーメカニック
千葉 健作(ちば けんさく) 33歳
名古屋スバル自動車株式会社 名古屋楠店
テクニカルスタッフリーダー メカニック歴12年
テクニカルスタッフリーダーになって4年目を迎えるという千葉は、今回で4度目の参加です。もともとモータースポーツが好きでSUBARUディーラーに入社し、これまで年に1度ずつ、ハイランドマスターズや新城ラリーでサービスメカニックを経験しているとのこと。
「最初はF1やSUPER GTも好きでしたが、入社してからはラリーが一番になりました。ディーラーメカニックとしてラリーに参加することは目標のひとつだったこともあり、毎年参加するようになりました」
今回のラリーではタイヤ交換やサスペンションチェック、ブレーキチェックを担当。
「時間内で作業しなければならないラリーのサービスはプレッシャーも大きいですが、普段の業務では経験できないことばかりで、やりがいがあります。手持ちの工具でいかに効率よく作業し、ラリーカーの整備や修復を行うというところが面白いですね。今回はサスペンションスプリングを交換したのですが、交換したスプリングは普通では体感できるかどうか分からないくらいしかレートを上げていないのに(1.0kgf/mmアップ)、2日目最初のSSでタイムに反映されていました。素晴らしいと思うとともに、本当にシビアな世界だと感動しました。それに、自分が携わったラリーカーがSSを無事に走り切り、サービスに戻ってくる瞬間はやはりうれしいですね」と、やりがいを語っています。
次戦は10月30日(金)〜11月1日(日)に開催される第9戦「新城ラリー」(愛知県新城市)です。2015年全日本ラリー選手権の最終戦は、新城市内でのセレモニアルスタートやラリーショーなどイベントも実施予定。ターマック(舗装路)林道を舞台に繰り広げられるSUBARU勢の活躍にご期待下さい。