11月15日(日)、栃木県のツインリンクもてぎでSUPER GT第8戦「MOTEGI GT250km RACE」の決勝が行われ、予選7番手からスタートしたSUBARU BRZ GT300（井口卓人/山内英輝）は、11位で完走を果たしました。今回の第8戦で2015年のSUPER GTシリーズはすべての日程を終了しました。

2015年シーズン最終戦を終えて

チーム総監督の辰己は、次のようにレースを振り返りました。
「天候の変化やタイヤなど、色々な要素はありましたが、それも含めてレースです。クルマをちゃんと仕上げられなかったという反省もありますが、特にここでは、バックストレートでFIA GT3に一気に追い抜かれてしまったことが痛いですね。また、ストレートで抜かれないためにどうしてもコーナーで無理をさせてしまい、タイヤに負担をかけてしまいます。それで後半になるとタイヤに余裕がなくなってしまうんです。今回のレースがシーズン最終戦となりますが、最後まで応援してくれた方々には、ご期待に応えることができず申し訳なく、悔しい思いでいっぱいです」。

スタートを務めた山内は、「今回は序盤から少し速さが足りなかった部分もあります。セッティングについては問題ありませんでしたが、スピードを活かすべきコーナリングでFIA GT3に頭を抑えられてしまいました。それについてもまだまだ開発が必要かなと思います。スティント後半ではドライ路面になり、マシンを調整してタイムを出すこともできましたが、タイヤの摩耗もありペースを上げられない苦しさがありました。今年は表彰台がやっとという成績で悔しい部分もありますが、シーズン序盤から比べれば大きく成長できたことも、ファンの皆さんの応援あってのことだと思っていますし、感謝しています。今年の経験をバネに、今後の自分の走りに活かせるようにしたいなと思います」とコメントしました。

後半、苦戦を強いられた井口は「スリックタイヤはテストも出来ていないなかで装着しましたが、チームの判断としては間違っていなかったと思います。もう少しもってくれれば良かったですが、最後にペースがだいぶ落ちてしまったので悔しいですね。タイヤが辛くなってきて、スタビライザーの前後バランスで調整を図りましたがそれも難しく、なんとかチェッカーまでもっていったというところです。ファンの方には勝つ姿をお見せできなかったシーズンでしたが、ドライバーとしては勉強させてもらったり、着実にステップアップすることも体験できたり、皆さんの応援があったからこそ、ここまで頑張ってこれたのだと思っています」と、悔しさを滲ませながら語りました。

2015年のSUPER GTシリーズは、この第8戦ですべての日程を終了しました。SUBARU/STIチーム、そしてSUBARU BRZ GT300へのご声援、誠にありがとうございました。

11月14日(土)、栃木県のツインリンクもてぎにて、SUPER GT第8戦「MOTEGI GT250km RACE」の公式予選が行われ、SUBARU BRZ GT300(井口卓人/山内英輝)は予選7番手となりました。天候は予報どおり朝から雨となり、時折霧も出るウェットコンディションのなかで公式練習と予選セッションが行なわれました。

予選7番手も、ドライバーの手応えは上々

14時にスタートした公式予選のQ1セッションは山内が担当しました。Q2セッションを担当する井口にフレッシュタイヤを使わせるべくユーズドタイヤでのアタックとなりましたが、山内は1分58秒271の7番手タイムでQ2セッションへと駒を進めました。
「Q2のポジションが重要なので、そこに重点を置く考え方でユーズドタイヤでアタックしました。公式練習のタイムが12番手だったので少し緊張する部分もありましたが、結果的にちゃんと残れたので良かったと思います。井口選手のセッションは、タイヤ交換のタイミングが良くなかったのが残念ですが、あの状況でタイムを出せたことを考えると、決勝に向けてもポジティブに臨めると思います」と、山内は予選セッションを振り返りました。

14時45分からのQ2セッションでは井口のアタックによる順位アップが期待されましたが、Q2セッションに入ると天候が悪化。井口はセッション途中で浅溝タイヤから深溝のレインタイヤに変更したものの、強い雨のなか2分4秒302で7番手グリッドとなりました。
「チームはしっかり天気予報を見てくれていましたし、グリップ感もあったので浅溝タイヤでスタートしました。深溝タイヤへの交換タイミングを逸したのが痛かったですが、状況が悪化するなかでタイムを出せたことは自信につながりました。決勝レースに関しては、天候がポイントになると思いますが、僕らはウェットに関して幅広くタイヤを持っているので、様々な状況に対応することはできます。スリックタイヤへの変わり時などを抑えていければ、大きな落とし穴にはハマらずいい結果を残せると期待しています」と、Q2を振り返った井口は、決勝でのポジションアップに自信を覗かせます。

「天気の読みを外してしまったのが悔しいですね」と辰己。 「あの雨のなかでドライバーふたりは非常に頑張ってくれましたし、マシンも良かったと思います。Q2セッションでは浅溝タイヤを履いてスタートしましたが、結果的にはそれが失敗のもとでしたね。セッション後半に向けて雨が強くなってしまいました。深溝タイヤに交換しましたが、タイム向上が難しい状況のなか、7番手まで戻れたという点ではドライバーに感謝したいと思っています」と、天候を読むことの難しさをあらためて感じている様子。
「明日の決勝は、天気とにらめっこですね。徐々に路面が乾いていくのなら、どこでピットインしてタイヤ交換するか、そういう読みを外さなければ逆転していくチャンスはあると思っています」。

53周で争われる決勝レースは11月15日(日)の13時40分にスタート予定です。総勢28台が有終の美を目指すなか、SUBARU BRZ GT300の奮闘ぶりにご期待ください。

諦めずに最後まで攻め続ける

「2015年シーズン最後の1戦となってしまいましたが、諦めずに最後まで攻め続けるしかないですね」と、SUBARU/STIチーム総監督を務める辰己英治は、最終戦に臨む意気込みを語ります。
「ツインリンクもてぎでは前回の公式テストでウェットコンディションも走っていますし、それをベースにした新しいタイヤを持ち込んでいますので、それがうまく機能すればと思っています。ただし、今大会では全車ウェイトがなくなっていますから、楽なレースではないでしょう。今回のレースは距離が250kmと短いですから、タイヤ無交換作戦を採るチームもあるかもしれません。土曜日の公式練習でロングランの様子を見てみたいところですね。予選日がウェットで、決勝日がドライという状況もあるでしょう。そうなれば使うタイヤは変わりますから、作戦も変わります。もっとも、その場合はどのチームも一緒ですけれどね」。
今回の最終戦に向けて、SUBARU BRZ GT300には小変更が施されました。
「今回は旋回性能を重視するため、風洞のデータを元にしてフロントのダウンフォースを増やしています。ツインリンクもてぎのポイントは1〜2コーナー、3〜4コーナーの立ち上がりにあると思っています。そのためには、ボトムスピードを落としすぎないことが重要で、シャシーも旋回性能を高めるセットアップにする予定でいます」。

勝つことだけを考えて走る

「笑って終われるように頑張りたいと思います」と語るのは山内です。
「もてぎは全体的に同じようなコーナーが続きますが、ブレーキングとトラクションが大切になるサーキットです。そこをセットアップを出していかないと速くは走れません。今回は公式テストの結果をもとにした新しいタイヤが入っているので、それをどう活かすかがポイントになると思います」とコメントしました。

井口は、「どのクルマもウェイトがなく、速いと思います。公式テストで苦戦した部分もありましたが、タイヤは進化しています。前戦オートポリスでの手応えもよかったので、全体的な選択の方向性としては合っているのではと思います。天候を味方につけて、状況に合ったセットアップや戦略を採れればと。とにかく勝つことだけを考えて走りたいと思います。もてぎはストップ＆ゴーで、ブレーキングでコーナーに飛び込めるクルマが速いです。ブレーキとトラクションをいかに稼げるかがポイントでしょう。決勝はウェット、ドライ、どちらのコンディションでもいいタイムで走れる自信はありますので、まずは予選で上位を目指します」と語ってくれました。

14日(土)は8時50分から公式練習、14時からノックアウト予選Q1セッションが行われます。予選での上位グリッドを目指して戦うSUABRU BRZ GT300の戦いぶりにご注目下さい。

テストでのデータをもとに進化したタイヤを投入

SUBARU BRZ GT300は、2013年のツインリンクもてぎで予選ポールポジション、決勝3位という好成績を残しています。チームを率いる辰己英治は、「マシンにはそのタイムを出すポテンシャルがある」としながらも、今回のもてぎでの戦いについては決して楽観視はしていません。GT300クラスの全体的なタイムの底上げ、ストレートスピードに勝るFIA GT3勢の強さに加え、今回のレースでは全車ノーハンデと、予断を許さない状況が続いています。チームは先日のSUPER GT公式テストで多くのタイヤをテストしており、そこから得られたデータを活用した、新たなタイヤを持ち込む予定としています。その結果に期待がかかります。

また、他のサーキットに比べてピットロードが短く、タイムロスの少ないツインリンクもてぎでは様々なピット戦略が考えられます。今回の1戦は2015年シーズンで一番短いレース距離となる250kmで争われるため、ピットインのタイミングも重要なポイントになると思われます。2015年最終戦に臨むSUBARU BRZ GT300の活躍にご期待ください。

スバル恵比寿ショールーム「SUBARU STAR SQUARE」にて 11月15日(日)にパブリックビューイングを開催

11月15日(日)13:10より、SUPER GT第8戦のパブリックビューイングを「SUBARU STAR SQUARE」にて開催します。MCに濱田恵梨子さん、ゲスト解説にドライバーの松田晃司と山野哲也の2名を迎える予定です。会場内では、カーボンレザー×本革の靴べらキーホルダー「シューホーンキーホルダー」や「STI ドライビングサングラス」、「ドライバーサイン入りキラキラステッカー」など素敵なプレゼントが当たるじゃんけん大会も同時開催予定。また、当日は来場された皆さまへGTオリジナル応援フラッグを特典としてご用意しております(※数に限りがございます。予定数に達し次第、配布を終了致しますのであらかじめご了承ください)。

■定員(座席数)：125席　※立見可
  ※優先入場席25席をご用意しています。
  ※定員に達した場合、入場をお断りさせて頂く事がございますので、あらかじめご了承ください。
■時間：13:10〜17:30(レース14:00〜17:30予定)
  レース終了後、じゃんけん大会を実施致します。
■受付開始：12:40〜(ショールームは10:00〜通常営業致します)
■特典：GTオリジナル応援フラッグ(※数に限りがあります。予定数に達し次第、配布を終了致します)
■スバルチームが途中リタイヤした場合でも、当イベントは実施致します。