2015.09.29 - SUPER GT公式テスト - ツインリンクもてぎ
SUBARU BRZ GT300、実り多い週末に
9月25日(金)~26日(土)、ツインリンクもてぎでは今年3回目となるSUPER GT公式テスト初日が行われました。初日はウィークデイ、しかも秋の長雨に見舞われることになりましたが、熱心なファンは傘をさしての観覧、週末となった2日目は、好天に恵まれたこともあってさらに多くのファンが詰めかける中、26台のマシンがテスト走行を実施しました。
開幕戦から着実にポジションアップを果たしてきたものの、今シーズンから採用したダンロップタイヤとの“合わせ込み”に苦労してきたSUBARU BRZ GT300ですが、第5戦の鈴鹿1000kmでは3位表彰台を獲得。さらに続く第6戦の菅生でも5位、と2戦連続して上位入賞を果たし、上昇気運を掴みかけるところまで来ました。この流れをさらに加速するためにも今回、ツインリンクもてぎで行われた公式テストでは、残る2戦に向けてのタイヤ選択とマシンのセットアップをさらに突き詰めていくことをテーマに考えていました。
初日、金曜日は終日、しとしと降り続ける秋の長雨に見舞われ、サーキットは完全なウェットコンディションとなりました。しかしチームは、これこそウェットタイヤのテストにはもってこいだ、とポジティブに考え、ダンロップタイヤのエンジニアと一緒に、各種ウェットタイヤのテストを実施。記録したタイムはトップからは約1秒離されましたが、フィーリングの良いウェットタイヤを選ぶことができました。
2日目となった土曜日は、一転してドライコンディションに恵まれました。しかも、午後のセッションは当初のスケジュールよりも約3時間と大幅に延長され、通常の300kmレース時間よりも長いセッションとなりました。これも(前日に出来なかった)ドライタイヤのテストを進めるには絶好のスケジュール変更、とばかりに午前と午後を通じて計5時間、ダンロップタイヤで用意したドライタイヤを総てテストすることができました。その分、クルマのセットアップに関しては、ほぼ手つかずの状況となりましたが、タイヤを変えることによってクルマのセットアップの手応えも変わり、結果的には方向性が正しかったことが実感できたようです。
2日間のテストを終え、チーム総監督を務める辰己英治は「今回は、本当に充実したテストになりました。初日は一貫してウェット、2日目はドライとそれぞれ1日を通じてコンディションがほぼ一定だったために、それぞれウェットタイヤとドライタイヤのテストを効率的に進めることができました」と笑顔で話しました。もう少し具体的に成果を紹介して行くと、ウェットタイヤに関しては本格的なテストはこれが初めてで「昨日のコンディションではまずまずでしたが、残り2戦、オートポリスやもてぎで使うとなるとちょっと硬めかな、という印象でしたね。だからダンロップさんには、もう少し柔らか目のものをリクエストしました(辰己総監督)」となり、一方ドライタイヤに関しても「少しハードにシフトしていたようで、やはり残り2戦を考えて、まだまだ寒くなることを見込むと、もう少しソフト目にシフトして行く必要があるな(同)」とのこと。ただし今回のテストはあくまでも最終戦のもてぎに向けてのテストであり、第7戦のオートポリスに対しては、オートポリスで再来週(10月6日~7日)に行われる公開タイヤテストで、もう一度タイヤを確認して選ぶ作戦となっています。
2日間に渡ってSUBARU BRZ GT300をドライブした井口卓人は「ウェットでもドライでも内容の濃いテストになりました。トップのクルマとはまだ少し差がありますが、それはオートポリスともてぎのレースで詰めていきます。ただその前にもう一度、オートポリスでタイヤ(公開)テストがあるので、今回のテストで得たデータをプラスしながらセットアップを進めていきます」とコメント。井口とコンビを組む山内英輝は「(タイヤの)構造やゴム(=コンパウンド)の違いなど多くのタイヤをテストすることができました。クルマのセットアップが、いい方向に向かっているのが実感できたことも大きな収穫でしたね」と2日間のテストを総括しています。