SUPER GT

Editor's COLUMN

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第1戦 岡山国際サーキット2017.04.14

2017年仕様SUBARU BRZ GT300開発のポイント

2017年シーズン開幕戦の岡山ラウンドではマシントラブルに見舞われてしまったSUBARU BRZ GT300ですが、予選から決勝にかけて見せた速さは今後の活躍について大きな期待をいだかせるものでした。今シーズン、STI SUPER GTプロジェクトのジェネラルマネージャーとしてSUPER GTを担当する渋谷真に、全方位的な進化を果たした2017年仕様SUBARU BRZ GT300の特徴や狙い、開発テーマはどこにあるのかを聞きました。

テーマは「レースに強いマシン」にすること

すでに3月のシェイクダウンレポートでもお伝えしているとおり、今シーズンのSUBARU BRZ GT300には様々な改良項目が盛り込まれています。すべては、シリーズ優勝という目標を達成するため。そのプロセスについて渋谷は次のように説明します。

「テーマとしては、速さと信頼性を両立させたレースに強いマシンにしなければならないと思っています。シリーズ優勝を狙ううえではポディウムに挙がる回数を増やすことはもちろん、これまでSUBARU BRZ GT300が得意としてきたコースだけでなく、多くのラウンドでポイントを獲らないとなりません。そのため、昨年洗い出した6つの課題に対して8つの対策を挙げました。それらはあえて言うまでもないくらい基本的なことなのですが、それは愚直にやっていこうということです」
「たとえばエンジンでは、レギュレーション的にも出力を大きく上げることはなかなか難しいので、レスポンスの向上や高回転域の伸び、フリクションロスの低下などを念頭に開発を進めています。今回のマシンから投入したトランスアクスルも、重量配分の最適化だけでなくリヤのトラクション性能向上にも寄与しています。また、エンジンの力を100%活かすためにも、ギヤ比の最適化を推し進めていきます。今までのトランスミッションでは交換にも手間がかかっていましたが、トランスアクスルにしたことで交換時間を40%ほど短縮でき、作業を迅速にこなせるようになります」
「そのほか、空力面での進化もポイントのひとつです。ダウンフォースとドラッグは二律背反の関係なので、うまくバランスさせるのが難しいのですが、CFD(数値流体力学)ソフトでの解析を行い、最適な形状や寸法を見出し、モノを作る。その後SUBARUの風洞施設を使って確認し、実走テストを行います。車体の上屋の流れはもちろんですが、床下やエンジン房内の流れ、リヤウイングの設定が重要となります。特に床下についてはまだまだ開発・改良の余地が残されていると感じました。あとは当たり前のことですが、低重心化と慣性モーメントの低減です。エンジンの搭載位置やドライバーの着座位置もわずかながら下げていますし、慣性モーメント低減のために前後バンパーの軽量化も行いました。1ミリでも低く、1グラムでも軽く、本当に小さなこと
レーシングカーも量産車も理屈は同じ

渋谷は生粋のエンジニアであり、全日本ダートトライアル選手権でもチャンピオンを獲得したドライバーでもあります。1974年にSUBARU(当時の富士重工業)に入社、操縦安定性や乗り心地、ドライバビリティなどの面で量産車の開発をする仕事に携わり、WRX STIやBRZも手がけました。その後STIに籍を移し、商品開発部 車両実験グループ担当部長としてS207やBRZ tSといった一連のコンプリートカーを世に送り出してきました。
「モータースポーツもコンプリートカーも理屈は一緒なんです。どんなクルマも物理値を越えて走ることはできないからです。もちろんスピードのレンジは違いますし、入力の大きさや負荷のかかり方も異なりますが、レーシングカーと量産車で相互に活かすことのできる部分はあります。SUBARU BRZ GT300に実際に使用しているSTIスポーツパーツもあります。我々STIは大きな会社ではありませんから、コンプリートカーやスポーツパーツの開発に携わるメンバーとの連携も密に進めています」
最後に、ファンの方々に向けてのメッセージを。 「去年は非常に悔しい思いをしましたし、ファンの方々の期待に応えることができずに申し訳なかったと思います。開幕戦はリタイアという結果でしたが、今後は着実にポイントを重ねて、最後にみんなでバンザイをしたいなと思っていますので、応援よろしくお願いします」

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