SUPER GT

辰巳コラム

  • TEST
  • Rd1
  • Rd2
  • Rd3
  • Rd4
  • Rd5
  • Rd6
  • Rd7
  • Rd8
2017.10.11 - チャン・インターナショナル・サーキット

トラブルの原因を見極めて、最終戦ツインリンクもてぎへ

今シーズン2度目のリタイアという残念な結果となってしまいました。原因はひとえに総監督である私とSTIの能力不足だったと思います。まず決勝レースでのマシントラブルの原因についてですが、レース後の段階では駆動系トラブルかと言っていたのですが、回収したマシンをサーキットで分解してみたところ、クラッチやプロペラシャフトなど駆動系にダメージはありませんでした。ですから、おそらくはエンジンのトラブルなのではないかと考えています。詳細な調査はクルマが日本に戻ってきてから行いますが、限られた枠の中で性能を引き出そうと、どこかに無理がかかっていたのかもしれません。タイからクルマが戻ってくるのは10月末頃の予定なので、最終戦まであまり時間はないのですが、エンジン単体であれば予備を用意しておくことは可能ですから、万全の準備をしておきたいと思います。
重要なのは最高速ではなくコーナリングスピード
振り返ると天候に翻弄されたレースウイークでした。スタート直前の雨で、2ピット作戦を採らざるを得なくなった時点で優勝を狙うのはかなり難しくなってしまいました。雨が上がっていくようなコンディションだと、SUBARU BRZ GT300の選んだタイヤではレースの半分を走ることはできなかった。2ピットを採ったチームでの最上位は、6位に入った60号車でした。60号車は予選で21番手だったので、2ピット作戦自体は悪いものではなかったと言えるでしょう。結果としてリタイアはしてしまいましたが、SUBARU BRZ GT300に施した仕様変更の手応えを得ることができた1戦だったと思います。たとえばQ2セッションで山内は2回アタックしていますが、第1セクターと第2セクターはベストタイムを刻んでものすごく速かったのです。決勝レースでも、ハンデウェイトが軽くなってライバルも速い状態でしたが、コース上では抜かれなかった。ストレート手前のコーナーの立ち上がりが良くなったということです。
SUBARU BRZ GT300がレース中に遅れてしまうのは、コーナーの立ち上がり部分なんです。相手のペースでフタをされてしまうと、一緒に立ち上がっても絶対勝てない。足りない分のトルクを上まわるほど、コーナリングスピードを高めていかない限り勝てないですね。エンジン回転数がもう100回転でも高ければ、まったく違います。低回転のトルクが足りないので、5500回転と5350回転ではその後の伸びが大きく異なります。だからなるべくコーナーで回転数をキープして出ていきたい。それができればストレートでも抜かれないのです。今回、そのくらいの性能向上はあったと捉えています。
マザーシャシーの強さを見ていると、やはり立ち上がりのスピードが高い。エンジンのトルクがあるので、最高速が飛び抜けて速いわけではなくても、抜かれないのです。トルクがあるから、そこでタイムを稼ぐことができるんですよね。それらのライバルに対抗するため、規定上トルクを出せない我々としては、いかにコーナリングを速くするかが、ストレートで抜かれないためのポイントだと思っています。あとはブレーキ。ブレーキポイントはライバルに比べて圧倒的に奥まで行けます。それらを積み重ねて、ようやく拮抗できるレベルです。本来は2ℓという排気量でももっとトルクが出るんですが、リストリクターが定められている以上、コーナリングの速度で稼いでいくしかないんです。
トータルとしては手応えのあるクルマになっていたと思いますが、結末を見られなかったのは残念ですね。最終戦のツインリンクもてぎに向けては、今回のものをベースとして、着実に歩みを進めていきたいと思います。我々としてもこのまま終わるわけにはいきませんので、最終戦での応援をよろしくお願いします。

TEAM PARTNER

  • Facebook
  • Twitter
  • YouTube
  • ニコニコチャンネル
Scroll to top