
2018年5月3日(木・祝)、4日(金・祝)に静岡県小山町の富士スピードウエイで、SUPER-GTシリーズ第2戦「FUJI GT500km RACE」が開催されます。富士スピードウウェイはシリーズの中でも最も速いトップスピードが出るコースで、マシンの空力性能が問われるコースでもあります。また、直線スピードだけではなく、100Rや300Rといった高速コーナリングもあり、マシンのトータル性能の高さが求められるという厳しさもあるコースです。
サイズアップしたブレーキ、冷却の見直し
SUBAR BRZ GT300(井口卓人/山内英輝)は開幕戦の岡山国際サーキットでは、公式練習でトップタイムを記録し、決勝レースでも一時2位を走る速さを見せましたが、マシントラブルが発生し18位という順位でレースを終えました。その後チームはマシントラブルの原因を解明し、鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)での公式テストを経て、第2戦に挑みます。

課題となったのはブレーキでした。2017年から抱えていた問題でもありますが、鈴鹿のテストではサイズアップをしたブレーキに換装し、テストもいい感触で終了できています。また、岡山でのトラブルの原因のひとつに、タイヤ片を拾ってグリップしない、いわゆるピックアップという現象にも見舞われてしまいました。これらが重なり、残念な結果となりましたが、ブレーキの冷却性の見直しを含め、課題がクリアできた今、不安はなくなりました。

また、2018年仕様は低ドラッグの空力ボディです。2017年仕様より、空気抵抗を減らし、全体のスピードを上げることを狙ったマシンづくりです。ですが、その二律背反としてダウンフォースが小さくなるデメリットがありました。今季はシーズン前のテストから、そのちょうどよくバランスするところを探すことに注力しています。
そのため、富士に向けては床下を流れる空気の道や、フロントスポイラーの形状変更なども新たに行ない、空気抵抗を増やさず、ダウンフォースが得られる、バランンスしたボディ形状に変更予定ということです。
この第2戦は500kmの長丁場で、通常ピットインは2回行なわれます。給油量、路面温度、タイヤチョイスなど複雑に絡み合う要素を如何にロスなくつないでいくのか、というのが勝敗を分けるポイントとなりそうです。
渋谷総監督
「富士スピードウェイを小排気量のBRZ(2.0L+ターボ)で戦うには、どうしても、高回転、高ブーストで高出力を求めます。ですが、それでは燃費が厳しくなってしまいます。ところが、ここにきて約4%ほど燃費を改善できることが分かったので、そうした技術を投入してきました。それと、規定に違反しない範囲で、給油タンクの構造を改善しましたので、これまでの給油時間よりは短縮できると思います。これはピット作業の時間短縮にもつながることを期待しています。あと、空力の見直しもしましたし、ブレーキの問題もクリアできましたので、富士に向け、やれることは全部やりました。課題はつぶせたと思います」と意気込みを語っています。
3日(木・祝)は8:45から公式練習が始まります。予選はノックアウト方式でQ1が14:20から、Q2が15:05から行なわれ、4日(金・祝)の決勝レースは14:40から110周で争われます。すべての課題をクリアした今、SUBARU BRZ GT300の戦いに期待しましょう。ご声援よろしくお願いいたします。