SUPER GT

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RACE REPORT

2018.03.26 - SUPER GT 公式テスト・富士スピードウェイ
ロングランを中心に8時間のSGT公式テストを完了
前週の岡山国際サーキットに引き続き、3月24日(土)・25日(日)の二日間、富士スピードウェイでSUPER GT公式テストが行われ、GT500とGT300の参加車両合計42台が参加。SUBARU BRZ GT300も、多くの観客が訪れたこの二日間合計8時間のテスト走行に臨み、マシンのセットアップを進めました。
テスト初日、24日の天気は曇り。気温は15度前後、路面温度は25度と、この季節としては平均的な走行条件となりました。チーム運営を担当しているR&D SPORTとしては、ホームグラウンドの富士スピードウェイとは言え、本年モデルのBRZ GT300マシンを走らせるのは2月22日のシェイクダウンテスト以来。しかも同日は午後から雪が降り、ほとんど走れていませんでした。そのため急遽翌日走行テストを追加していますが、気温が低い時期だったこともあり、実際のレースシーズンの条件とは異なる環境だったと言えます。なので、今回は久しぶりの富士全開テストということになります。

富士スピードウェイは、その1.5kmのストレートに代表されるように国内有数のハイスピードコースです。今年のSUBARU BRZ GT300マシンの開発テーマがロードラッグ(空気抵抗の低減)であり、フロントフェンダー後端の処理、カナードの角度、リアフェンダー後端の新しい造形などがドラッグの低減に貢献するようデザインされています。それらの効果がどのようにハンドリングに影響し、周回タイムに反映されるかが今回のテストで検証されることになります。チームは、初日最初のセッションで、フロントフェンダー後端に追加アタッチメントを装着するなどして最適な空力バランスを探っていきます。
ボティワークと空力性能の開発を担当しているSTI車体技術部長の毛利豊彦は、「今年のボディワークは、スピードを稼ぐため空気抵抗の低減を図っています。とは言え、タイヤが適正なグリップを得るためのダウンフォースとの兼ね合いが大事で、ストレートだけ速くてあとは遅い、ではダメなのです。サスペンションやタイヤ、路面状況などの諸条件を考えながら、その中で最適な組み合わせを探っていく作業を進めています。ドライバーからも色々な意見や提案もあります。そうやって現状から次のステップへ向かう、という地道な作業を繰り返しているところです。結果としてダウンフォースを増やすこともあるかもしれませんが、ロードラッグを選べる余地がある、ということが大事です。コース特性によって、ウィングやカナードのアジャストなどで空気の流れを調整することができます」と語っています。BRZ GT300は順調に周回を重ね、テストプログラムを消化していきましたが、午後のセッションの終盤にマシントラブルが発生。走行時間を30分残して、テストを中断することになりました。
二日目は晴れて雪化粧した富士山がくっきりと現れ、清々しい朝を迎えました。前日のうちにトラブルの修復は完了していたため、SUBARU BRZ GT300は予定通り朝9時からのセッションを走ることができました。他のチームにはルーキードライバーも多いので、このSUPER GT公式テストでは全車参加のセイフティカーラン(SCラン)の練習を行なっており、朝のセッションの最初の15分がこのSCラン練習に使われました。その後、フリー走行時間になると、R&D SPORTチームはロングランテストに移行。最初は山内が、途中井口に交代し、約2時間の走行時間を目一杯使って連続走行しました。一貫してラップタイムも安定しており、前日のトラブルの影響はない様子でした。ドライバーの山内英輝は、「昨日はトラブルが出て残念でしたが、今日は朝からロングランができて良かったです。低ドラッグの空力セットにもだいぶ慣れてきたので、肝心の第3セクター(コース後半のコーナーが連続する区間)をもっと攻めていけるようにしたいですね」と話していました。井口も、「新しいタイプのタイヤとこれまでのタイプと山内選手と僕で使い分けてロングランを試みましたが、新しいタイヤが良い結果をだしているのがわかり、収穫がありました。路面温度が上がり、走りやすくなってきたこともありラップタイムも安定していました。挙動が少しピーキーだったので、ダンパーを少し調整してもらい、午後の走行に備えようとしています」と語っています。
午後のセッションもR&D SPORTは、引き続きロングランを続けました。全車参加のスタート練習ののち、BRZ GT300には井口が乗り込みます。しかし、GT500車両のトラブルで赤旗中断が二度あり、連続走行はそのたびに妨げられてしまいました。それでも井口は計30周以上を走り、山内に交代。走行中断のため、残り時間は約30分間となりましたが、山内もしっかりセットアップを確認し、この二日間のテストを締めくくりました。二日目に合計約60周(約265km)を走破した井口は、「タイヤ選択の目処もついたし、たくさん走れたのでよいテストになったと思います。午後はダンパーの減衰値を調整してもらい、路面の凹凸通過時に起きる不安定な挙動はだいぶ改善しましたが、まだもう少し調整が必要だと思いました。とはいえ、今日はかなり走り込んだので、今は心地よい疲労感があります」と笑顔で話してくれました。
渋谷真STIプロジェクトゼネラルマネージャーのコメント 
「初日は最後にパワーユニットのトラブルで走行時間が短くなってしまいましたが、それ以外は概ね計画通りのテストができました。空力セットとハンドリングのバランスも、進むべき方向が見えたのではないかと思います。直線での最高速だけでみれば、昨年よりも向上していることは明らかです。また、タイヤも数種類を試し、それぞれデータを収集できています。やはり走り込めると色んな収穫が得られるものです。しかし、ドライバーが乗りやすくなるような改善は、開幕戦岡山に向けて継続していくつもりです」
2018.03.19 - SUPER GT 公式テスト・岡山
開幕戦を3週間後に控えた今季初の合同テストで速さを確認
2018年SUPER GTシリーズの開幕を3週間後に控えた3月17〜18日、今季初のGT合同テストが開幕戦の舞台となる岡山国際サーキットにおいて開催されました。空力面を中心に改良を受けたSUBARU BRZ GT300の2018年モデルも参加し、4回目のセッションとなる18日午後にはトップタイムをマークするなど速さも見せて収穫あるテストとなりました。
この合同テストには29台のGT300車両が参加。開幕前に周囲とのタイム差などを確認できる重要なテストです。搬入日の16日は冷たい雨が降り真冬のような気温となりましたが、17日朝には晴れて気温も次第に上昇。春らしい穏やかなテスト日和になり、開幕が待ち遠しい7,000人近い熱心なファンが朝早くからサーキットに詰めかけました。

初日朝のセッションではまず井口卓人が乗り込み、フロントリップなどのエアロパーツを取り替えながらフィーリングやタイムを比較し、その違いを確認する作業を行いました。そしてセッション終盤に山内英輝に交代し、山内もその感触を確認して終了。タイムアタックは行っておらず14番手にとどまりました。午後のセッションでは最初から最後まで山内がステアリングを握ってタイヤテストを行いました。種類の異なるタイヤを履き比べながら良い部分、悪い部分をタイヤメーカーにインフォメーションしながら、より良いタイヤを作って行くための地道な作業で、46周を周回。山内はテスト終了後に「まだまだタイヤは良くなっていくと思っています」と笑顔を見せました。このセッションでは4番目のタイムをマーク。チーム全体の士気も上がってきました。
テスト2日目となる18日も朝から好天となり、朝のうち低かった気温もみるみる間に上昇し、気温も15℃を超えて軽く汗をかくほどで、前日を上回る9,000人近いファンがサーキットを訪れました。朝のセッションでは井口が乗り込み前日の午前中同様、エアロパーツの確認作業をしている間にマシントラブルが発生。20周を走った時点でピットガレージに入れたこともあり、タイムアタックはできず25位のタイムにとどまりました。次のセッションまでのインターバルで一気に雲が広がり気温も急に落ち始めました。ここではロングランテストを行うにあたり新品タイヤを装着。山内が乗り込みトップタイムをマークしました。しかしこのセッションでも2時間枠の半分を消化したあたりで、マシントラブルが発生。翌週には富士スピードウェイにおいて2回目の合同テストが行われることもあり、大事を取り走行はストップ。このままトップタイムを守って今回のテストを終了しました。空力パーツの確認と直線スピードの向上が認められ収穫があった岡山テストとなりましたが、やり残した部分は翌週の富士テストで確認を行うこととなりました。
渋谷真総監督
「岡山の路面はμが低いままで、そこにレースカーを合わせ込むことが不十分な内容でした。4回目のセッションではトップタイムをマークするなど上位につけることはできましたが、周りもテストを行っている中でのタイムですから、あまり気にはしていません。むしろ自分たちのやってきたことを成果として出せているのか、ドライバーのコメントや自分たちのデータで判断すると、ちょっと物足らない印象はあります。今年の車両はスピードを上げるということで空気抵抗を減らすようまとめています。去年より暖かいコンディションということで上位のタイムも出ましたが、ひとまずは狙いどおりです。去年の開幕戦はリタイアでしたから、それだけは避けないといけません。去年はストレートで簡単に抜かれるシーンで、ファンの方には悔しい思いをさせてしまいました。今年は期待して見ていただければと思っています」
井口卓人
「開幕戦に出場するほぼ全車がそろっての合同テストで、タイム的にはすごく良くポジティブな気分になりました。しかしロング(ランテスト)ができずトラブルもいくつか出ましたので不安はありますね。ただ戦えるという手応えのあるテストとなりました。来週の富士ではタイヤテストを含めたロングも行わないといけません。残された時間は(富士テストの)8時間しかありませんから、次はノートラブルで走りきりたいですね。今年のローダウンフォースという方針のなかで良い方向性を見つけ出せていますし、ストレートも間違いなく速くなってきています。いかにメカニカルグリップを上げてコーナリングスピードを速くするかは僕たちのテーマです。良い方向に来ているという手応えはあります!」
山内英輝
「今回のテストでは良いところと悪いところのメリハリがすごくあり、悪い部分はとても厳しい状況なのでこれをどう改善していくかが今後の課題だと思います。2日目午後はトップタイムを出せましたが、午前中はトラブルもありニュータイヤでのシミュレーションはできていませんし、午後に行った時は既に他チームはロング(ランテスト)に進んでいたわけですから、このトップタイムにはあまり意味はないと思います。今日の順位だけを見ればすごく良いでしょうが、なかなか厳しいものも見えているので。開幕までに何とかクリアにしていかないといけないと思います。熱心なファンも応援にいらっしゃると思いますし力も入りますが、何とかその応援に応えられるようこれからの3週間頑張ります!」
2018.02.23 - シェイクダウンレポート
SUBARU / STI、ニュルブルクリンク24時間およびSUPER GT車両のシェイクダウンを実施
SUBARU / スバルテクニカインターナショナル(STI)は、2月22日に富士スピードウェイにて本年のニュルブルクリンク(NBR)24時間レースに出場するSUBARU WRX STI、およびSUPER GT(SGT)シリーズに参戦するSUBARU BRZ GT300のシェイクダウンを行い、報道陣やパートナー企業に向けてそれぞれ本年の体制などを説明しました。

会場では、STIの平川良夫社長から「チャンピオンを逃した昨年のSGTとリタイヤを喫した同NBR 24時間レースを振り返り、もう一度"戦って勝つ"というところに立ち返り、走る、曲がる、止まるというクルマの基本を見直して本年モデルの開発に取り組んできました」とあいさつがあり、続いて本年マシンの概要説明が行われました。
NBRは、STIの辰己英治がマシンの開発指揮とチームの総監督を務めることになり、特にエキゾーストレイアウトの見直しやターボの効き最適化によるエンジン性能の向上、マスターバック廃止とフロントブレーキ径拡大による制動性能の向上、空力パーツのアップデートなど、昨年モデルに投入した技術をベースに改良を施した部分の解説が行われました。辰己総監督は、「このクルマの育成という点では、今年1月には開発途上の段階で国内テストを開始しており、山内や今年からNBRチームにも加わる井口にも乗ってもらっていますが、ドライブフィーリング的には良い感触を得ています。特に初めてAWDレースカーをドライブした井口からも"乗りやすくて快適"というコメントが得られており、すでに速いタイムで走っています」と語っています。
また、 R&Dスポーツとジョイントで運営するSGTチームのプロジェクトゼネラルマネージャー(PGM)に就任したSTIの渋谷真は、「昨シーズンはなかなか良いところがお見せできませんでしたが、車両の開発・育成、チーム運営などを見直し、良いシーズンにしたいと思います」と抱負を述べました。本年モデルのGT300マシンは、燃焼室形状やヘッド部分の冷却性能などパワーユニットの設計変更を行ったほか、ブレーキ性能の見直し、サスペンションの改良による接地効率改善、エアロパーツのアップデートなどが施されています

ドライバーの井口卓人は、「これまでは、SGTシーズン前半と後半という寒い時期に取りこぼしが多かったのですが、今年のカレンダーはBRZが得意とするオートポリスが秋開催なので、なんとかそれまでの早い時期にポイントを稼いでおいて、良い流れでオートポリスに臨みたい。また、やっとSUBARUチームの一員になれましたが、ニュルには7回目の出場となるので、経験を生かしたいと思います」と語りました。
午後3時からは走行テストが組まれていましたが、あいにく雪が降り始めたため、GT300車両は早々に走行を中断。一方AWD車両で、ニュルのさまざまな気象や路面状況に合わせていく必要のあるNBR車両は山内、井口の順に走行。この日から現場研修が始まった今年のSUBARUディーラーメカニック達も参加してピットワークトレーニングを繰り返し、シェイクダウンを終了しました。

辰己NBR総監督は、「本日は、あいにく十分走れず、細かいセッティングの域にまではまだ達しませんでした。しかし、ディーラーメカの皆さんとSTIエンジニアのコミュニケーションを含め、チーム内の意思疎通がスムーズに行えたことは収穫だったと思います。今年の私のテーマは、"人間力でニュルに挑む"なので、ここまでは良い雰囲気づくりができています。また、ファンの皆様の応援がチームの人間力に大いに寄与するのは間違いないので、是非とも強力なサポートをお願いします」と語り、順調な滑り出しに満足げな表情を見せました。
SGTの渋谷PGMは、「本日は気温が上がらず、午前のテスト走行では、そのコンディションに合わせた適合を試していました。その作業が80%位終わったところで午後の走行時間を待ちましたが、残念なことに路面状況が悪化したため、ダウンフォースによるグリップが得られないことがわかったので、走行は中断となりました。まだ今年のモデルは転がり始めた段階にすぎませんが、ドライバーからはネガティブなコメントはなかったので、ホッとしています」と語っていました。
この後、いくつかのプライベートテストを経て、SGT車両は3月に岡山国際と富士スピードウェイで行われるSUPER GT公式テストに参加。4月第2週の開幕戦を迎えます。また、NBR車両は、同様にいくつかの開発テストを経て3月中旬にはドイツに向けて空輸されることになっています。
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