2018年SUPER GT シリーズ第4戦「Chang SUPER GT RACE」が6月30日(土)公式練習と予選が行なわれました。

午前中に公式練習が行なわれSUBARU BRZ GT300 (井口卓人/山内英輝)は、ボンネットの形状変更による空力特性の確認と、タイ戦用のギヤ比を組み込んだマシンの様子を見ることから走行開始しました。
ボンネット形状の変更は、空気の流れがこれまでと異なり、その影響でリヤウイングや床下のバーチカルフィンの位置や角度の変更も必要になります。そのためピットインごとに修正し、ベストなハンドリング、ダウンフォース、低ドラッグとなるように調整が繰り返されました。
公式練習後半には、決勝レースを見据えたロングランをします。タイヤにはあまり負荷をかけず決勝のために温存します。そのため、タイムは1分33秒から34秒台で周回を重ね、23台中11番手付近で練習走行を終了します。ここまでは予定通りのチーム作戦でした。

そして迎えたノックアウト方式の予選Q1が始まる頃、タイ名物のスコールです。激しい雨に見舞われ、予選は15分遅延して開始されました。SUBARU BRZ GT300 はレインタイヤを装着し、井口卓人がQ1を走ります。ですが、予選開始直前には激しいかった雨は止み、予選が始まります。レコードラインは徐々に乾き始め、もともと気温が高かったので、路面の乾きも速く、周回ごとにラップタイムは上がっていきます。
Q1予選の6周目にピットインし、タイヤ交換をして再びタイムアタック。上位14台までがQ2 に進めますが、目まぐるしく順位が入れ替わる中、10位でQ1 を通過しました。

急速に乾いた路面は、Q2予選時には完全なドライとなり、山内英輝はスリックタイヤでコースインしていきます。セクター1、2ではトップ争いのタイムを計測するもののセクター3でタイムが伸びず、Q2 は8位で終了しました。今回から鈴鹿で3位入賞したハンデウエイトとして20.2kgを搭載しているBRZ GT300 ですが、ウエイトハンデよりも、セッティングのベストバランスポイントを探すことに苦労したようです。
渋谷真総監督
「アンダーステアが出ていたようで、明日の決勝前までには修正してレースに臨みます。このチャーン国際サーキットは我々が持っているデータの中で、最もμ(ミュー)が低く、如何にグリップさせていくか、苦労するサーキットでもあります。ですが、ベストバランスとなるポイントを見つけて、いいレースになるように頑張ります。また、レース距離も短いことからタイヤを無交換で戦うチームも出てくるとおもいますので、そうした戦略も想定して作戦を立てたいと思います」
井口卓人
「タイでのレースは2年連続して完走していませんし、日本もこれから暑くなるので、しっかり完走してデータを取って次につながるレースにしないと、と思っています。今日の予選ではウエットだったのですが、空力の変更でマシンのバランスが変わり、思うように攻められないコーナーがありました。レースではレコードラインに各車のタイヤ痕がつき始めると、グリップが上がるのでレース終盤に期待しているところがあります。みなさんの応援を力に変えて、上位を目指したいと思います」
山内英輝
「いろんなことがあった予選でした。結果的にはドライでQ2を走ったのですが、アンダーが強いコーナーがあって、少しタイヤをこじっている感じでした。明日のレースを踏まえると、予選でもタイヤをできるだけ使いたくないので、ちょっと厳しかったですね。メカニックの方に修正はお願いしているので、明日は思い切って攻めていくだけです」

予選は8位で終了したものの、予選後の車両規則違反が2台出たため、SUBARU BRZ GT300 は6位のポジションからスタートすることになりました。Chang SUPER GT RACE決勝は7月1日(日)の午後3時にスタートします。66周で争われ、タイヤ選択、交換、無交換などの戦略も加わり、見どころ一杯の決勝レースになりそうです。SUBARU BRZ GT300への応援よろしくお願いいたします。