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第4戦 チャーン国際サーキット
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RACE REPORT

2018.07.02 - SUPER GT 第4戦 チャーン国際サーキット・決勝
アクシデントが引き金か?マシントラブルで無念のリタイヤ
7月1日(日)SUPER GTシリーズ唯一の海外レース、タイのチャーン国際サーキットでシリーズ第4戦『Chang SUPER GT RACE 』が行なわれました。真夏の日差しが照りつける中、午後3時に66周のレースがスタートしました。
SUBARU BRZ GT300 は予選6位からのスタートで、使用するタイヤは、予選Q2で使ったタイヤがスタートタイヤに指定されました。今回タイに持ち込んだタイヤはミディアムとソフトの2タイプでいずれも路面温度が高いことを想定し、かつロングランが可能なタイプを持ち込んでいます。そのQ2で使用していたタイヤはソフトタイプで、車重が軽いBRZ GT300、路面のグリップが低いチャーン国際サーキットという条件なので、柔らかいコンパウンドでタイムを稼ぐ作戦です。しかし、タイヤ無交換作戦を取るチームも多いことが予想され、SUBARU BRZ GT300 も可能な限り無交換を狙う予定で挑みました。
決勝直前の井口卓人によると、「昨日アンダーステアが強かったところが、だいぶ良くなっているので、着実に走ってタイヤにストレスかけないようにうまくできれば、いいところまで行けると思います」とのこと。マシンコンディションが改善され、明るい情報がありました。スタートドライバーは山内英輝です。ところがスタート直後、後続車にプッシュされ、リヤディフューザーを破損するアクシデントを抱えてしまいました。山内は「真後ろから押されているのはいいんですけど、斜め後ろから押してくる時もあって、ストレートでカウンターを当てる場面があって、危ないとは思いました。でも、後ろから押されることを利用して、前の96号車を抜くことが可能かもしれませんし、それができなかったのは自分が・・・って考えたほうが成長できるかな、と思っています」とコメントしています。
その後、19周目に1コーナー出口で斜め後方から後続車にプッシュされ、なす術なくスピンしてしまいます。山内は「出口で斜めから押されたので、何もできなかったです。スピンからは復帰してすぐに追いかけたのですが、今度はマシンから異音があり、駆動系かエンジンのような気がしたので、クラッチを切ったらエンジンが止まってしまい、マシンを止めました」
マシンはレースに復帰することなく、悔しいリタイヤとなってしまいました。最終的な原因箇所は不明ですが、しっかり対策をして、次戦の富士に期待したいものです。

渋谷真総監督
「ここ2年連続してリタイヤしていたので、今年こそはと意気込んでいたのですが、結果が残せなくて申し訳なく思います。アクシデントがらみではありますが、マシントラブルが最終的には出ているので、次戦に向けてしっかり解明していかなければなりません」
次戦は8月4日(土)、5日(日)富士スピードウェイで500マイルの長丁場のレースが開催されます。空力を改善しトップスピードが上がったBRZ GT300 の活躍に期待しましょう。
2018.06.30 - SUPER GT 第4戦 チャーン国際サーキット・予選
天候も、予選も大荒れでBRZ GT300 は6位を獲得
2018年SUPER GT シリーズ第4戦「Chang SUPER GT RACE」が6月30日(土)公式練習と予選が行なわれました。
午前中に公式練習が行なわれSUBARU BRZ GT300 (井口卓人/山内英輝)は、ボンネットの形状変更による空力特性の確認と、タイ戦用のギヤ比を組み込んだマシンの様子を見ることから走行開始しました。

ボンネット形状の変更は、空気の流れがこれまでと異なり、その影響でリヤウイングや床下のバーチカルフィンの位置や角度の変更も必要になります。そのためピットインごとに修正し、ベストなハンドリング、ダウンフォース、低ドラッグとなるように調整が繰り返されました。

公式練習後半には、決勝レースを見据えたロングランをします。タイヤにはあまり負荷をかけず決勝のために温存します。そのため、タイムは1分33秒から34秒台で周回を重ね、23台中11番手付近で練習走行を終了します。ここまでは予定通りのチーム作戦でした。
そして迎えたノックアウト方式の予選Q1が始まる頃、タイ名物のスコールです。激しい雨に見舞われ、予選は15分遅延して開始されました。SUBARU BRZ GT300 はレインタイヤを装着し、井口卓人がQ1を走ります。ですが、予選開始直前には激しいかった雨は止み、予選が始まります。レコードラインは徐々に乾き始め、もともと気温が高かったので、路面の乾きも速く、周回ごとにラップタイムは上がっていきます。

Q1予選の6周目にピットインし、タイヤ交換をして再びタイムアタック。上位14台までがQ2 に進めますが、目まぐるしく順位が入れ替わる中、10位でQ1 を通過しました。
急速に乾いた路面は、Q2予選時には完全なドライとなり、山内英輝はスリックタイヤでコースインしていきます。セクター1、2ではトップ争いのタイムを計測するもののセクター3でタイムが伸びず、Q2 は8位で終了しました。今回から鈴鹿で3位入賞したハンデウエイトとして20.2kgを搭載しているBRZ GT300 ですが、ウエイトハンデよりも、セッティングのベストバランスポイントを探すことに苦労したようです。

渋谷真総監督
「アンダーステアが出ていたようで、明日の決勝前までには修正してレースに臨みます。このチャーン国際サーキットは我々が持っているデータの中で、最もμ(ミュー)が低く、如何にグリップさせていくか、苦労するサーキットでもあります。ですが、ベストバランスとなるポイントを見つけて、いいレースになるように頑張ります。また、レース距離も短いことからタイヤを無交換で戦うチームも出てくるとおもいますので、そうした戦略も想定して作戦を立てたいと思います」
井口卓人
「タイでのレースは2年連続して完走していませんし、日本もこれから暑くなるので、しっかり完走してデータを取って次につながるレースにしないと、と思っています。今日の予選ではウエットだったのですが、空力の変更でマシンのバランスが変わり、思うように攻められないコーナーがありました。レースではレコードラインに各車のタイヤ痕がつき始めると、グリップが上がるのでレース終盤に期待しているところがあります。みなさんの応援を力に変えて、上位を目指したいと思います」

山内英輝
「いろんなことがあった予選でした。結果的にはドライでQ2を走ったのですが、アンダーが強いコーナーがあって、少しタイヤをこじっている感じでした。明日のレースを踏まえると、予選でもタイヤをできるだけ使いたくないので、ちょっと厳しかったですね。メカニックの方に修正はお願いしているので、明日は思い切って攻めていくだけです」
予選は8位で終了したものの、予選後の車両規則違反が2台出たため、SUBARU BRZ GT300 は6位のポジションからスタートすることになりました。Chang SUPER GT RACE決勝は7月1日(日)の午後3時にスタートします。66周で争われ、タイヤ選択、交換、無交換などの戦略も加わり、見どころ一杯の決勝レースになりそうです。SUBARU BRZ GT300への応援よろしくお願いいたします。
2018.06.29 - SUPER GT 第4戦 チャーン国際サーキット・直前情報
熱対策を空力に活かしたセットアップでトップを目指す
2018年SUPER GT シリーズ第4戦「Chang SUPER GT RACE」が6月30日(土)、7月1日(日)タイのチャーン国際サーキットで行なわれます。
SUBARU BRZ GT300 は前戦の鈴鹿で3位表彰台を獲得しています。コーナリングマシンとしてのポテンシャルはそのままに、トップスピードを稼ぐマシンづくりが今シーズンのテーマでしたが、いよいよ、熟成してきたという印象があります。

チャーン国際サーキットでの戦いについて渋谷総監督にお話を伺ったところ、「岡山の開幕、富士と、速さがあったものの、思うような結果にはならなかったのですが、少しずつ性能面での信頼性もあがってきているので、鈴鹿では表彰台に上がれました」
金曜日の車検の時の路面温度は、日向では60℃を超え、日陰でも52℃という高い路面温度になっています。マシンの暑さ対策と同様、ドライバーの暑さ対策も大切になってきます。また、突然のスコールもあることから、タイヤ選択が悩ましく、持ち込んだタイヤは高温に適したミディアムタイプとソフトタイプのタイヤを持ち込んでいるようです。

湿度も高く、日本の夏に似た気候での66周での決勝レースは、マシン、ドライバーにも厳しいレースとなりそうです。
井口卓人
「僕たちにとって暑さは特に問題にはなりませんけど、やはりマシンには負担がかかっていると思います。ですが、ここのサーキットは相性が良くて、毎年、速いんですよ。でも、何か、ちょっとしたことが噛み合わなくて結果に結びつかないというのが2年連続しているので、今年は、慎重に、大胆に攻めて、いい結果に結び付けられればと思っています」

山内英輝
「SUBARUは鈴鹿の3位、ニュルブルクリンクの優勝といい流れですから、このままの勢いでプッシュしていきます。1か月ちょっと間が空いて、その間チームはマシンを仕上げてくれてますから、優勝目指して全力でプッシュしていきます。僕たちはいつでも全力プッシュです(笑)」
渋谷真総監督
「明日の朝の公式練習で、変更した空力やタイヤのマッチングを見ながら、予選から決勝への流れを組み立てたいと思います。特に、エンジンルーム内の熱気を外に排出できるようにボンネットのダクト形状を変更しましたので、空力的にもプラスに働くはずです。マシンには、やれることはもちろん全てやってありますから、天気やレースの流れも味方につけて、このタイでのレースは表彰台のてっぺんを目指して戦います。皆さまからの応援、よろしくお願いします」
Chang SUPER GT RACE公式練習走行は6月30日(土)の午前10時から11時45分までの1時間45分行なわれます。チームは空力の確認、タイヤのマッチング、温度管理を確認しながら、午後の予選に備えます。予選は午後3時から3時35分までノックアウト方式のQ1が始まり、3時45分から4時13分までQ2が行なわれます。「相性がいい」というドライバーからのコメントには非常に期待が膨らみます。SUBARU BRZ GT300の活躍を楽しみに、応援よろしくお願いいたします。
2018.06.26 - SUPER GT 第4戦 チャーン国際サーキット・プレビュー
シーズン折り返しの海外戦で、連続表彰台を狙う
SUPER GT 第4戦の「Chang SUPER GT RACE」が6月30日、7月1日にタイで開催されます。5月中旬に行なわれた第3戦から1か月ちょっとの期間を開けて、今年から6月に時期を変更して行なわれます。SUBARU BRZ GT300(井口卓人/山内英輝)は第3戦鈴鹿で3位、表彰台を獲得しました。その勢いに乗せてSUPER GTシーズン唯一の海外レースに臨みます。
昨年は10月の開催だったタイ戦ですが、今年は6月末の開催。雨季になるようで、天候の変化、スコールなどの対策も必要そうです。

渋谷総監督によると「熱対策が必須でして、そうしたことへの対応として、レギュレーションの変更があります。とくにエンジンルーム内の熱が上がりますが、外気の取り入れ方などが変更できるようになります。われわれもレギュレーションに沿った形で、ボンネット内へ外気の取り入れ方、吐き出し方を変更しています。また、水温も厳しくなりますので、大きいサイズのラジエターにも交換しました。空力に関しては、だいぶまとまりましたので、あとは現地で合わせるというレベルで変更します」
気温は30度以上になり、熱対策がポイントになるという。他にはタイヤも温度レンジが変わるため、コンディションにあったタイヤを持ち込むということです。また、チャーン国際サーキットのコースレイアウトはテクニカルな部分もあり、ハイスピードコーナーのところもあるというレイアウトですが、ブレーキングの弱いコーナーが連続するので、SUBARU BRZ GT300が得意とするコーナリング勝負に期待が膨らみます。今年は、従来のハンドリングマシンとしての特性を活かしつつ、トップスピードを上げるマシンづくりに変更したため、ハイスピードコースでもハイレベルなレースができるようになりました。
渋谷総監督
「この時期は雨季なので、スコールがあった後、路面が乾くと埃がパウダーのようにのった状態になることが多いですね。ですから、スリッピーで気を遣うことになります。ウエットではやはりGT3が車重を活かした走りができるので、有利ですが、ドライになれば、軽量のBRZにもチャンスはあると思います」

また、周辺情報になりますが、レースにも直結する重要な問題として、次のようなコメントもありました。
「それと、生活環境に気を付けたいですね。というのは、室内のエアコンが非常に効いていて、われわれ日本人には寒いくらいクーラーを効かせているんです。外は猛烈に暑くて、室内に入ると寒い、というほど寒暖の差が激しくて体調を悪くするスタッフもいました。ドライバーは十分そうしたことは経験していますので、心配はしていませんが、配慮は必要だと思います」

というコメントのように、チームは経験もあり、十分対策ができていると考えて良さそうです。今シーズンのちょうど真ん中の第4戦をどのようなレースになるか、連続表彰台を期待しましょう。
現地時間では6月30日(土)は10:00から公式練習が始まります。そして午後、15時からノックアウト予選Q1が始まり、15時45分からQ2のノックアウト予選2回目があります。決勝レースは7月1日(日)13時25分からウオームアップ走行が開始され、15時から66周の決勝がスタートし、GT300は6台少なく、23台で競われます。

RACE RESULT

2018.06.30 - 予選
第4戦 チャーン国際サーキット
Pos. No. Machine Driver Q1 Q2 Diff Tire
1 65 LEON CVSTOS AMG 黒澤 治樹 蒲生 尚弥 1'42.182 1’32.554 BS
2 21 Hitotsuyama Audi R8 LMS リチャード・ライアン 富田 竜一郎 1'42.023 1'32.840 DL
3 55 ARTA BMW M6 GT3 高木 真一 ショーン・ウォーキンショー 1'42.442 1’32.845 BS
4 11 GAINER TANAX GT-R 平中 克幸 安田 裕信 1'43.004 1’33.011 DL
5 96 K-tunes RC F GT3 新田 守男 中山 雄一 1'43.516 1’33.110 BS
6 61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口 卓人 山内 英輝 1'43.415 1’33.167 DL
7 0 グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口 信輝 片岡 龍也 1'42.899 1’33.236 YH
8 34 Modulo KENWOOD NSX GT3 道上 龍 大津 弘樹 1'43.494 1’33.398 YH
9 87 リーガルフロンティア ランボルギーニ GT3 佐藤公哉 元嶋佑弥 1'43.086 1'33.409 YH
10 32 est cola by AAS Motorsport マクシム・ジュース ガンタティー・グシリ 1'41.575 1'33.607 MI
・タイヤ=BS:ブリヂストン/DL:ダンロップ/YH:ヨコハマ
・WH=ウェイトハンディキャップ(kg)

Q1
Start Time 15:15'00
Finish Time 15:30'00

Q2
Start Time 16:00'00
Finish Time 16:10'00

Q2
No.88 Qualifying time disqualified (Appendix J 257A 5.2.2)
No.10 Qualifying time disqualified (2018 GTA Bulletin No.031-T)
2018.07.02 - 決勝
第4戦 チャーン国際サーキット
Pos. No. Machine Driver Time / Diff Laps Best Lap Tire
1 11 GAINER TANAX GT-R 平中 克幸 安田 裕信 1:38'01.838 61 1'33.172 DL
2 31 TOYOTA PRIUS apr GT 嵯峨 宏紀 平手 晃平 3.569 61 1'33.293 BS
3 60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 吉本 大樹 宮田 莉朋 8.712 61 1'33.971 YH
4 65 LEON CVSTOS AMG 黒澤 治樹 蒲生 尚弥 9.078 61 1'33.545 BS
5 87 リーガルフロンティア ランボルギーニGT3 佐藤 公哉 元嶋 佑弥 1 Lap 60 1'34.415 YH
6 88 マネパ ランボルギーニ GT3 平峰 一貴 アンドレア・カルダレッリ 1 Lap 60 1'34.117 YH
7 0 グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口 信輝 片岡 龍也 1 Lap 60 1'33.787 YH
8 7 D'station Porsche 藤井 誠暢 スヴェン・ミューラー 1 Lap 60 1'34.681 YH
9 34 Modulo KENWOOD NSX GT3 道上 龍 大津 弘樹 1 Lap 60 1'34.546 YH
DNF 61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口 卓人 山内 英輝 1Lap 19 1'35.144 DL
Tire = BS:Bridgestone / DL:Dunlop / YH:Yokohama
WH = Handicap Weight (kg)

Fastest Lap : 1'33.172 - No.11 GAINER TANAX GT-R / Katsuyuki Hiranaka
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