SUPER GT

BACKSTAGE COLUMN

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2020.09.18

山内英輝、「苦手だったもてぎ」を語る

今年のSUPER GTもてぎ戦では、SUBARU BRZ GT300は84kgものハンディウェイトを積みながら、3位表彰台を手に入れました。SUBARU BRZ GT300にとって実に2013年以来7年ぶりのもてぎ表彰台であり、もちろん現在の井口卓人/山内英輝コンビでは初です。これまでBRZにとって苦手なコースとして知られていたもてぎで、何が起きたのか、BRZを表彰台に押し上げたものは何だったのか。スタートドライバーを務めた山内英輝に話を聞きました。
ツインリンクもてぎは、30R、45R、70Rというスローコーナーを直線で結ぶ典型的な「ストップアンドゴー」サーキットです。ハンドリングマシーンと言われるSUBARU BRZ GT300ですが、FIA GT3勢のような大排気量車が大トルクで立ち上がり加速を稼ぐマシンであることに対し、S字のような切り返しのある中速コーナーで真価を発揮してきました。富士スピードウェイのセクター3、鈴鹿のセクター1などがBRZにとって得意なセクションだと言えます。よって、立ち上がり加速が必要な低速コーナーが多いもてぎは苦手だと言うことができます。しかし、今回のもてぎ戦は、フリープラクティスでトップタイムを出し、公式予選でも4番手タイムを記録。決勝レースでは3位となっています。これまでの戦い方と何が違うのか、質問してみました。
「ひとつは今年のマシンのアップデートによって、クルマのパランスが非常に良い傾向にあることは間違いありません。それを前提に、今回もてぎ用にチームがジオメテリーを変更してくれたことで、小さいコーナーでタイムロスをしないことがラップタイムに反映していると思います。これまではタイトコーナーでさらに切り足しをすれば、必ずアンダーステアが強く出て、その分ロスしていました。それがなくなったことは大きいですね。また、エンジン性能はそう簡単にあげられませんが、ブレーキ性能が上がったことでライバルに対するパフォーマンス差はだいぶ縮まっています。ストレートエンドでのブレーキ勝負でも他のJAF GT勢に対しても負けていません」と山内は、説明しています。しかし、ハンディウェイト84kgというこれまでにない重量を積んでもハンドリングもブレーキングも良いというのは、不思議と感じます。「シャシーのバランスが良いと、多少重くてもクルマのキャラクターが消されることがないのだと思います。今回軽快に走れたので、それは証明されていますよね」と山内は続けた。「でも、重かったから速かったわけではなく、軽ければもっと速かったはずです」。
開幕戦の富士では、不運なメカニカルトラブルでレース中に脱落してしまいましたが、ふたりのドライバーは口を揃えて、それでもクルマは良いと言っていました。その証拠に、続く第2戦の富士では2位表彰台を獲得しています。それは、タイヤの要素も大きいはずです。「今年のタイヤは、ダンロップさんのおかげでBRZにかなりマッチしていると言えます。第3戦鈴鹿では、なぜかグリップ感が薄かったのですが、それ以外は今回のもてぎでもBRZにバッチリはまっていますね。他の銘柄は、今回の路面に合わせ切れなかったのかもしれません」。レースカーは、シャシー性能、タイヤ性能とドライバーのドライビングスタイルがぴったりとハマると強い。今年のSUBARU/STIチームを見る限り、シャシーメンテナンスをするR&Dスポーツとパワートレインを担当するSTI、そしてタイヤ開発を担うダンロップの三者がうまく噛み合っているのだろう。「燃費が厳しいのは今に始まったわけではないですが、今回はタイヤ2本交換だけでピットアウトしたこととも合わせてピットロスが少なくてすみました。だから後半も良いポジションで戦えたのだと思います。チーム全体が信頼しあって、ポジティブな雰囲気をつくっているというか、それぞれが自分の仕事を全うできる体制が作れていると言うのでしょうか」。
チームは現在ポイントランキング4位であり、ふたりのドライバーは3位につけている。念願のチャンピオンを狙うためには、次の富士、そして鈴鹿での成績が大変重要です。「チームは、次の富士に向けて空力関連の改良メニューを用意してくれています。楽しみにしていてください」と山内は語っています。
第7戦で再びもてぎに戻ってきますが、ファンの皆さんへおすすめの観戦ポイントはどこですか、との問いに山内は次のように答えました。「ブレーキ勝負でも負けていないので、是非90°コーナーあたりでBRZ GT300の走りをご覧ください」。
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