SUPER GT

BACKSTAGE COLUMN

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2022.04.22

「チーム一丸となってチャレンジしていきます」

SUPER GT 2022年シリーズは、岡山国際サーキットでの開幕戦を終え、シーズンインを果たしました。結果は、ポールポジションスタートながらピットアウト時のロスが響いて9位フィニッシュでした。少し残念なリザルトでしたが、レース後に小澤総監督に開幕戦の総括を含め、チームにおけるSTIの役割についてSUBARUモータースポーツマガジン(MSM)記者が直接お話を伺いました。
MSM  開幕戦はお疲れ様でした。あの20秒のピットロスが悔やまれますね。
小澤  「確かにあれはもったいないことをしました。しかし、原因ははっきりしており、すでに対策済みです。現代のレースカーは安全を考慮した制御があちこちに組み込まれていて、今回はそのひとつがエラーを起こして再始動に手間取りました。それよりも、パワーダウンの性能調整を受けながら、苦手意識の強かった岡山でポールが取れたこと、最後まで安定したレースペースが築けたことは、大きな収穫だと思います。シーズン前に空力やサスペンション、エンジンなどにあれこれと様々な改良メニューに取り組んでおり、それらを全てまとめたのが開幕戦だったのですが、それがちゃんと機能していた証です。後半は運悪く、中団グループの中でコースに戻ったので、オーバーテイクのチャンスが少ないなか山内選手はよく頑張ったと思います。コース幅が狭く、細かいタイトコーナーもある岡山で性能特性の異なるマシン達とバトルするのは、大変なことなんです」
MSM  わかりました。次戦以降に期待ですね。さて、今シーズンのチーム内におけるSTIの役割などで変更やアップデートがあれば教えてください。
小澤  「STIの役割としては、やはりエンジンの開発・管理が大きいのですが、今年は塚本広之という中堅エンジニアを現場でのエンジンまとめ役に据えることにしました。彼はレース用エンジンのスペシャリストとして、スプリントレースから海外の耐久レースまで幅広く知識を蓄えてきた人物なので、適任だと思います。また、彼はSUPER GTだけでなく、今後NBRチャレンジでも力を発揮してもらうことになります。また、従来から専任している白倉寛之に若手エンジニアも加えて、複数の目でエンジンの最適運用を図ろうと考えています。空力開発に関しては、従来から担当している車体技術部の山内大生を中心に入社2〜3年の若手が日々CFDデータを睨みながら、アイディアを考えてくれています。今年モデルからフロントフェンダー後端を大きくえぐる形状とし、エンジン房内およびタイヤハウス内のエアを効率的に抜く仕様にしているのですが、さらに岡山ではその開口部にルーバーを新設し、より効果を高めるチャレンジをしています。こういったアイディアも彼らからの提案で実現しています。我々の強みとしては、SUBARUの研究開発施設に協力を求めて解析などのお手伝いをしてもらうことができるので、最近では車体剛性や重心高の計測などで、協力していただいています。R&D SPORTの持つ深い経験や知見と併せて、我々チームの強みでしょうね」
MSM  それらのチャレンジができるのが、SUPER GT独自のGTA-GT300の利点ですね。
小澤  「FIA-GT3車両は世界中で走っている同型車からの情報により、随時アップデートされていきますが、GTA-GT300である我々のBRZ GT300は世界でたった1台です。どのチームのデータも参考にできないのですが、逆に考えれば工夫のしがいがあり、それがやりがいです。FIA車両はホモロゲーションに定められた部品置換のみが許されており、工夫できる範囲が限られています。とはいえ、我々は孤軍奮闘なので、難しい局面も多々あります。まぁ、我々はいつでも挑戦者ですから、やりがいを持ってチャレンジしていきたいですね。駆動系は2020年のレイアウト修正以降に大きな問題は起きていないのですが、今後はさらにシフトクォリティを上げる制御にも取り組んでいきたいと考えています。挑みたい技術的チャレンジはいくらでもあります」
MSM  小澤さんがエンジン担当エンジニアからチーム総監督となって2シーズン目ですが、この一年で心境的には変化はありましたか。
小澤  「私自身のスタンスに大きな変化はないのですがチームを運営する立場になったので、いろいろと考えることは確かに増えました。エンジン、空力、駆動系、足回り、エレクトロニクス系などをトータルで見なければなりませんから。もちろん、実際にクルマを動かすR&D SPORTの澤田稔監督とタッグを組んで進めています。また私自身、本来エンジン屋なので、常にエンジンのことには口を挟みたくなるのですが、若手も育ってきているので心強く思っています。時にはエラーもアクシデントも起きうることですが、すぐにリカバーできるという安心感もあります。チームはこれまで以上にやる気に溢れていて、トラブルがあっても対応が素早く、つくづく強いチームになったなと感じます」
MSM  さて、次戦は富士450kmといういままでにないフォーマットですね。
小澤  「今のクルマは、富士では思うように走れるようになってきており、岡山で大きなサクセスウェイトを積み上げることができなかったので、セッティングについてはあまり心配してないです。しかし、長丁場なのでコースは荒れるかもしれませんし、周回遅れに詰まることもあるかもしれません。そういうリスクはあるので、もちろん簡単に我々のレースをさせてくれるとは思っていません。苦労するかもしれませんが、なるべく前のポジションからスタートして、しっかりポイントを稼いでおくことが肝心だと思っています」

MSM  小澤さん、ありがとうございました。
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