SUPER GT

BACKSTAGE COLUMN

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2022.06.17

SUBARU GT300マシンが生み出される聖地探訪

SUBARU/STIと共にSUPER GTシリーズを戦うR&D SPORT。今回のバックステージコラムは、神奈川県平塚市にあるR&D SPORTのファクトリーにお邪魔し、どのような環境で新型SUBARU BRZ GT300をはじめとするSUBARU GT300マシンが生み出され、そしてメンテナンスされているかを伺いました。
R&D SPORTは、前号澤田稔監督のインタビューでもお伝えした通り、レースカー製造およびレーシングチーム運営を担当する専門会社です。設立は1991年で、2002年から2011年までSUPER GTではいくつかのチームからGT300クラスに出場し活躍したヴィーマック320R、350Rおよび408Rを開発したコンストラクターとして知られています。2009年にSUBARUレガシィB4 GT300を実戦投入してからは、SUBARU/STIのパートナーとして共同でマシン開発・育成およびレース参加を続けています。そのレガシィB4 GT300は、デビュー年の翌2010年にはSUPER GT夏の名物イベントであった鈴鹿1,000kmレースで初優勝。翌年のオートポリス戦でも優勝しています。そして、2012年デビューのBRZ GT300を組み上げたのもR&D SPORTのファクトリーでした。
R&D SPORTの所在地は神奈川県平塚市大神ですが、東名高速道路の厚木インターからクルマで15分程度の場所にあり、富士スピードウェイをはじめ日本国内の主要サーキットに移動するには絶好の立地条件となっています。通常、一般のお客様の見学・訪問などは受け入れていないので、5月のある日、SUBARU MOTORSPORT MAGAZINE(MSM)記者は特別に許可を得て、ファクトリーに入場させていただきました。SUPER GT第3戦鈴鹿レースの前だったので、ファクトリー1階の整備スパンには、8割ほど組み上がっていたSUBARU BRZ GT300がリジッドラックの上で整備を受けていました。案内をしてくれたのは、澤田稔監督自身でした。
GT300レースカーは、レース毎に完全オーバーホールされ、細部の点検、定期交換部品の組み替え、もしダメージを受けた部品があればそれらも部品交換となります。さらに、次のレースに向け、いわゆる「持ち込みセッティング」が施されます。R&D SPORTには常駐のメカニックが7名在籍しており、トラックエンジニア兼設計担当の井上徳(さとし)、技術部長の澤田監督、そして代表者の本島伸次社長、チームマネージャーの渡辺麻子ともう1名の事務スタッフが一緒に働いています。工場長はベテランメカニックの山崎稔で、他の技術者を束ね統率しています。レースチームではチーフメカニックを務めている宍戸克幸も、普段はメカニックの一人としてマシンのメンテナンスに当たっています。
整備スパンの後ろには、ツールボックスと共にフライス盤、旋盤といった切削加工器具、溶接器具、シャーリングマシン(金属切断器具)、集塵ブースなどの器具が並んでいます。ロールケージやサスペンションアーム類、フロントスポイラーのカナードやスペーサー、各種カラーなどは、ここで作られています。2階には事務系業務のためのオフィス、ミーティングルームなどがあり、その奥には設計室とカーボン部品を作るコンポジット成形ルーム、トリミング仕上げルームなどがあるのですが、ここは最高機密エリアということで立ち入りも許されませんでした。カーボンコンポジットパーツの成形用としてR&D SPORTには2m x 5mの大型オートクレーブと呼ばれる窯があり、ボディワークや単品の空力デバイスなどを一度に焼くことができるとのことです。
フォーミュラカーのモノコックなどもすっぽり収まるサイズとの説明を受けました。また、井上エンジニアがいる設計室には、CAD等の設計支援デジタルツールが置かれており、CAE解析なども実施しているとのこと。井上のほかに、設計ジョブ担当として通常2名のスタッフが働いているらしいので、澤田監督に「今現在は、どんな業務が行われているのでしょうか」と尋ねたところ、「それも話せません」とお断りされてしまいました。機密が満載のR&D SPORTファクトリーへの興味はつきませんが、あまりしつこく食い下がってピット出禁になるといけないので、このへんでお暇することにしました。
帰りには、チーム紅一点の渡辺マネージャーも見送りに出てくれましたが、「写真撮影はなしで」とここでもお断りを受けてしまいました。それでは、8月の富士スピードウェイでお会いしましょうと挨拶して、ファクトリーを後にしました。
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