10月の北海道はすでに秋も終わりに近づき、人も町も冬に向けての準備が始まります。初雪の予告ともいわれる雪虫も、チラホラと姿を見せ始めます。これまで十勝スピードウェイでTOYOTA GAZOO RACING 86/BRZ Raceが開催されたのは8月や9月でしたが、今回は10月。日々気温が下がっていく秋だからこそ、2週間でも大きな差になります。肌寒さを感じる十勝を征するのは誰なのか?

遠距離で遠征費用がかさむこともあり、これまでエントリー台数は開催される7つのサーキットの中で、最も少ないものになっていました。しかし今回は少し様相が違います。それは今年春に発生した熊本地震の影響によって、7月に予定されていた第5戦オートポリスがキャンセル。その代替レースを十勝スピードウェイで開催することになり、実際には2連戦という形になったのです。多少費用がかかっても、2連戦となればハナシは別。結果として、クラブマンシリーズは23台、プロフェッショナルシリーズは29台という、これまでにないエントリー台数となりました。そのうちSUBARU BRZ勢は、クラブマンシリーズに6台、プロフェッショナルシリーズに3台の計9台です。
クラブマンシリーズは、#4片岡照仁、#14鈴木祐子、#75手塚祐弥、#161桑木英紀、#315舩井俊仁、#336吉田綜一郎の6人がエントリー。シリーズランキング2位の手塚祐弥にとってはチャンピオンを争う大事なレース。ライバルに優勝されてしまうとチャンピオンが決まってしまうため、手塚祐弥にとっては連勝したいところです。また、ここまで3レースすべて上位入賞を果たしている吉田綜一郎にとっても表彰台の期待がかかります。さらに、今シーズン全てのレースに参戦してきた桑木英紀と舩井俊仁にも、好成績を期待したいところです。プロドライバーはともかく、クラブマンシリーズのドライバーにとっては、十勝スピードウェイは初走行というケースも少なくありません。それだけに横一戦からのチャレンジになります。いち早く攻略ポイントを見極めることができるか? そこが勝負になります。

プロフェッショナルシリーズは、CG ROBOT RACINGから#87久保凛太郎と#88井口卓人、Profi Racingから#555今村大輔の、計3名が参戦します。前戦で2位となった久保凛太郎と3位の井口卓人は、いうまでもなく今回のレースの優勝候補です。同じチームの2台が揃って表彰台を獲得したということは、チームのポテンシャルが全体的に上がった証拠です。その速さを、十勝でも見せつけてくれることでしょう。十勝ではレギュレーションによって、プロフェッショナルシリーズの獲得ポイントが1.5倍となるので、この2連戦で最大64ポイントを獲得できます。この1.5倍ルールはシリーズチャンピオン争いでも大きな要素となるため、上位のドライバーはいつにも増して熱く激しい戦いが繰り広げられることでしょう。シリーズポイントでは、久保凛太郎が6位27ポイント、井口卓人が11位16ポイントとなっていますが、大幅にランクアップすることも不可能ではありません。
GR 86/BRZ Race 第5戦十勝スピードウェイは10月1日(土)予選と決勝レース、第7戦十勝スピードウェイは10月2日(日)予選と決勝レースが行われます。