そして2016年、今年は昨年と同じレースです。ただ違うのは当初から特別戦として予定されていたことで、多くのチームがシーズンを締めくくるレースとしてターゲットとしていたことでした。TGRF（Toyota Gazoo Racing Festival）のプログラムのひとつとして開催されるので、多くの観衆に見つめられるレースとなることは確実です。モータースポーツ活動をアピールするには、ピッタリのステージなのです。

特別戦ということで、最終的なエントリーはプロフェッショナルシリーズが17台、クラブマンシリーズが20台の、合計37台です。SUBARU BRZ勢は、プロフェッショナルシリーズが#87久保凛太郎と#88井口卓人の2名、クラブマンシリーズは#14鈴木祐子、#16大久保仁、#75手塚祐弥、#315舩井俊仁、#336吉田綜一郎、以上7名がエントリー。予選では、4戦連続のポールポジションを狙う井口卓人がプロフェショナルシリーズのトップタイムを叩き出しました。しかし最後の最後で逆転され、惜しくも2位となりました。久保凛太郎は8位。クラブマンシリーズでは手塚祐弥が見事にポールポジションを獲得。プロフェッショナルシリーズと合わせて予選17位からのスタートとなりました。吉田綜一郎は5位（全体の22位）、大久保仁は13位（全体の30位）、舩井俊仁が17位（全体の34位）、そして鈴木祐子は20位（全体の37位）となりました。

今回の特別戦は、2つのシリーズを分けることなく、総合の予選順位でスタートします。そのため、プロフェッショナルドライバーにクラブマンドライバーの上位陣が食い込むカタチとなりました。このため、近いラップタイムながら、タイヤ性能などからブレーキングポイントが違うため、難しい部分があったようです。路面コンディションは夜中から明け方までに降った雨は上がったものの、曇り空の下、路面は濡れたまま。それが徐々に乾いていくという、難しい状況でした。2位スタートの井口卓人はペースが上がらず、徐々にポジションを下げてしまいます。最終的に4位でチェッカーフラッグを受けます。チームメイトの久保凛太郎はオープニングラップでポジションを落したものの、その後はペースも良く7位までポジションを上げます。しかしクラッシュした黄旗区間で前走車を追い越してしまい、結果として30秒加算のペナルティを受け20位となってしまいました。

久保凛太郎のコメント
「ペースとしては悪くなかったんです。とくにレース後半は井口選手よりも良かったくらいで、雨用のセットアップだったんですけど、路面が乾いていく中でも大丈夫でした。ペナルティはちょっと残念ですけど、来シーズンに向けていろいろと勉強して、レベルアップしたいと思います」。

手塚祐弥のコメント
「プロフェッショナルシリーズのドライバーとはタイヤのグリップが違うので、一緒に走るにはちょっと難しい部分がありました。ペースは悪くなかったので、引っ掛からなければ勝てたと思います。来年はどういう形になるか判りませんが、参戦すると思うので、ニューマシンのセットアップからしっかりとやっていきたいと思います」。

来シーズンからは、プロフェッショナルシリーズはマイナーチェンジ後のモデルのみとなるため、マシンは一新されます。クラブマンシリーズは混走となるものの、ニューマシンも加わることで、GR 86/BRZ Raceは勢力図も一新され、新しい時代に突入することでしょう。今シーズン以上に、熱いバトルが展開されるに違いありません。

TGRFは毎年11月末に富士スピードウェイで開催されるサーキットイベント。モータースポーツファンだけでなく、普通のクルマ好きからファミリーまで、幅広く楽しめるイベントになっています。それだけに年々人気は高まっていて、昨年は4万2000人という入場者数を記録しました。

クラブマンシリーズは、岡山を除く7戦を戦ったBRZ勢紅一点#14鈴木祐子、大量エントリーの富士2戦に出場しいずれも決勝Aレースに駒を進めた実力派#16大久保仁、BRZ勢の初優勝を飾りシリーズランキング2位の#75手塚祐弥、全8戦を戦い抜いた皆勤賞#315舩井俊仁、つねにトップ10圏内で戦い表彰台まであと一歩の若手#336吉田綜一郎、以上7名が出場します。 プロフェショナルシリーズには、CG ROBOT RACING TEAMの2台が参戦。第6戦富士での2位表彰台をはじめとして活躍を見せた#87久保凛太郎、手塚祐弥選手に先を越されたもののプロフェッショナルシリーズでのBRZ初優勝を獲得した#88井口卓人、このコンビが特別戦でも優勝を狙います。