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RACE REPORT

2017.10.15 - 2017年全日本ラリー選手権第8戦 第45回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2017 デイ2
SUBARU WRX STIの新井が大逆転優勝、鎌田は3位フィニッシュ
2017年全日本ラリー選手権第8戦 第45回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2017 supported by Sammyは10月15日(日)にすべての競技を終了し、SUBARU WRX STIの新井敏弘/田中直哉が今シーズン3度目の優勝を果たしました。3位にはトラブルを乗り越えた鎌田卓麻/市野諮が入りました。また、終盤まで総合2番手を走行し、シリーズチャンピオンを射程にとらえていた勝田範彦/石田裕一はSS10で不慮のアクシデント。戦線離脱を余儀なくされ、チャンピオン確定は最終戦の新城ラリーに持ち越されることとなりました。
新井、初日のタイムロスから猛然と追い上げ

競技最終日となる15日(日)は、SS6〜SS11の計6SSが行なわれます。この日はSS1でのパンクで大きくタイムロスを喫した新井がデイポイントを狙ってベストタイムを連発、前との差を詰めにかかります。新井はマシントラブルで遅れを喫した鎌田をかわし、SS9を終えた段階で総合4番手に浮上しました。続くSS10では、総合首位を走っていた福永修/齊田美早子(三菱ランサーエボリューション)と総合2番手の勝田が相次いでマシンをヒットし大きくタイムロス。ここで新井は総合2番手に浮上しました。そして迎えた最終SS、新井は渾身のアタックで総合首位の奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューション)を8.7秒上まわるベストタイムをマークし、見事な逆転優勝を達成。この日のSSをすべて制する速さを見せて、今シーズン3勝目を獲得しました。一方の鎌田はマシントラブルに見舞われながらも粘り強く完走、総合3位に入っています。

第7戦ラリー北海道に引き続いての連勝となった新井は、「心臓に良くない展開でしたが(笑)、うれしい勝利ですね。今日の2ループ目のSS9とSS10では、かなり路面に砂利が出ていました。今シーズン3勝目で、最終戦までタイトル争いに残ることができて、ホッとしています」と、満面の笑み。3位入賞を果たした鎌田は「午前も午後も同じマシントラブルが出てしまいましたが、色々直してどうにか帰ってくることができました。予想外の結果ですが、表彰台はうれしいです」とコメント。
一方、8度目のチャンピオンを目前にまさかのアクシデントに見舞われた勝田は、「かなりタイヤが良かったこともあって、少しペースを上げてしまいました。ヒットした場所が悪かったですね。次の新城は気を引き締めていかなければならないです」と悔しい表情。チャンピオン確定は最終戦に持ち越しとなりました。
ディーラーメカニックコメント「充実した3日間で、非常にいい経験になりました」

担当車両:SYMS DL TEIN WRX STI
秋山 真吾(あきやま しんご) 34歳
東京スバル株式会社 高島平店 メカニック歴15年

会社から派遣プロジェクト参加の打診があったという秋山。同じ会社の後輩社員がラリーに参加した経験があり、色々と話を聞いて、参加を決めたと言います。
「前から機会があれば参加したいと思っていました。メカニック人生のなかでも貴重な経験だと思います。初めてラリーに参加しましたが、金曜日の出走前に向けた整備も、ドライブシャフト交換などボリュームのある内容でしたし、実際に競技が始まってからも、短い作業時間のなかで的確に作業をこなすことの大変さを実感しました。普段の作業ではここまで時間に追われることはありませんが、乗る人の命を預かっているという点では普段と同じだと思いました。観客の皆さんに見られながらの作業は少し緊張しましたが、最終的に3位に入ることができて良かったと思います」
最終日にはマシントラブルに見舞われてしまった鎌田のSUBARU WRX STI。チームのメカニックはその修復作業にあたっていたため、ディーラーメカニック同士で連携をとって作業を行なったとのこと。 「私は主に左側の前後足まわりなどを担当しましたが、最終日はディーラーメカニックふたりでアライメントをとる作業を行ないました。大変でしたが、いい経験になりました。参加する前は不安な気持ちもありましたが、あっという間に3日間がすぎるほど充実していました。いい経験になりましたし、後輩たちにもすすめたいと思います。印象に残ったことは、限られた時間の中でも、基本に忠実に作業をしていることです。会社に戻っても普段の作業に活かしていきたいと思います」
次戦は11月3日(金)〜5日(日)に開催される第9戦「新城ラリー2017」(愛知県新城市)です。サービスパークおよびラリーパーク、観戦エリアは愛知県営の新城総合公園に、サテライト会場は鬼久保ふれあい広場に設けられる予定です。いよいよシーズン最終戦を迎え、チャンピオンの可能性を持つのは勝田と新井のふたりとなっています。新城を得意とする勝田、連勝で勢いに乗る新井、勝利を狙いたい鎌田ら、難関ターマックで繰り広げられるSUBARU勢同士の手に汗握る好バトルにご期待ください。
2017.10.14 - 2017年全日本ラリー選手権第8戦 第45回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2017 デイ1
SUBARUの勝田が総合2番手、鎌田が総合4番手を走行
2017年全日本ラリー選手権第8戦「第45回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2017 supported by Sammy」は、10月14日(土)のデイ1を終了しました。総合2番手にはSUBARU WRX STIの勝田範彦/石田裕一、総合4番手に鎌田卓麻/市野諮、総合5番手に新井敏弘/田中直哉がつけており、SUBARU勢がラリー上位に名を連ねています。
明日のポジションアップを目指すSUBARU勢
岐阜県高山市を拠点とするラリーは、14日朝のセレモニアルスタートで幕を開けました。この日に設定されているのは5SS。オープニングステージのSS1では勝田がSS2番手、鎌田がSS3番手と好調な出足をみせます。ふたりはその後もそれぞれ上位タイムを守りながら走行。この日最後のステージとなるSS5を終えた段階で、勝田は首位と8.7秒差の2番手、鎌田はSS4でパンクした影響もあり、31.8秒差の4番手となっています。

SS1のスタート直後にいきなり左フロントタイヤをパンクさせてしまった新井は、SSトップから44秒以上の遅れを喫することとなりました。しかし新井は諦めることなく、23番手からの上位復帰を目指してSS2で渾身のベストタイム、一気に8番手まで順位を回復し、続くSS3を終えた段階で5番手にまでポジションアップに成功します。新井と首位の差は48.7秒。鎌田との差は16.9秒差に。SUBARU勢は明日の逆転を目指して走行を続けます。

セレモニアルスタートの会場となった「ひだ舟山スノーリゾートアルコピア」は飲食や物販ブースのほか、じゃんけん大会などイベントも充実。心配された雨も降ることはなく、SS2/5に設定されたギャラリーステージ「アルコピア‐無数河」には、多くのギャラリーが詰めかけラリーの迫力を堪能しました。
勝田「2番手というポジションは上出来です」
8.7秒差の2番手につける勝田は、「路面が荒れていると警戒した御嶽(SS4)は、思ったよりも悪くありませんでした。タイヤも良かったので、タイムもまとめられたと思います。2番手というポジションは上出来ですね。天気は分かりませんが、ペースを落としすぎることなく、このままいくつもりです」と、笑顔で明日に向けての意気込みを語りました。

午前中のステージでタイヤ選択をミスしてしまったと語る鎌田。
「午後のセクションで追い上げようと思いましたが、御嶽(SS4)でパンクしてしまいました。リズムに乗れていない感じですね。でも、まだ先は長いので明日に向けて表彰台を獲得できるように頑張りたいと思います」

5番手まで浮上した新井は、「御嶽(SS4)が失敗したのが悔しいですね。センターデフの調整をフリーにしすぎてしまって、全然トラクションが出ませんでした。しっかりとセンターデフのセットアップをするべきだったと思います。明日の昼間は晴れるという天気予報もあるので、頑張ります」と、意気込みを語りました。

デイ2、競技最終日となる15日(日)は、SS6〜SS11の計6SSです。この日最長距離となる8.87kmの「青屋下り(SS7/10)」が勝負どころと言えるでしょう。勝田はこのままの順位でフィニッシュすれば、2年連続8回目のチャンピオン獲得が決まります。昨年このラリーで優勝を飾っている鎌田、逆転を期してアタックを続ける新井ら、SUBARU勢の力走への応援をよろしくお願いいたします。
2017.10.10 - 2017年全日本ラリー選手権第8戦 第45回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2017 プレビュー
チャンピオン確定なるか? 勝敗を分ける重要な一戦
10月13日(金)〜10月15日(日)、全日本ラリー選手権第8戦「第45回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ 2017 Supported by Sammy」が開催されます。6月以来、約4カ月のインターバルを明けてのターマックラリーは、飛騨高山の山岳ワインディングロードが舞台となります。シーズンもこのラリーを含めて残り2戦。すでにチャンピオンの決まったクラスもあるなか、SUBARU WRX STIが出場するJN6クラスもいよいよ大詰めを迎えています。
ラリーは、岐阜県高山市を中心とした総走行距離372.13km、スペシャルステージ(SS)距離82.45kmで行なわれます。サービスパークはモンデウス飛騨位山スノーパークに設置されており、コースは5.61km〜9.70kmという6カ所のスペシャルステージを使った計11SS。ヒルクライム&ダウンヒルが中心となるステージは0.1秒を競う接戦となることが多く、縦横無尽に走る林道のコーナーをいかに効率良くクリアするか、タイヤのグリップと摩耗をコントロールする走りが求められます。
第7戦ラリー北海道までを終えて、SUBARU勢は勝田範彦/石田裕一がJN6クラスランキングの首位に立っています。2番手には前戦で優勝し、大きく得点を重ねた新井敏弘/田中直哉。鎌田卓麻/市野諮はランキング4番手につけています。なお近年はSUBARU勢が強さを発揮。2016年は鎌田、15年は新井、13年と14年は勝田が全SSを制覇しての圧勝を見せており、今大会でもSUBARU勢の活躍に期待がかかります。ランキングトップの勝田にとってはここでチャンピオンが決まる可能性もあるため、非常に重要な一戦と言えるでしょう。
観戦用ステージはひだ舟山スノーリゾート アルコピアに設置
ラリーは14日(土)の午前9時20分、「ひだ舟山スノーリゾート アルコピア」で行なわれるセレモニアルスタートで開幕。ひだ舟山スノーリゾート アルコピアは、迫力ある走りを楽しめるギャラリーエリアのほか、販売ブースや飲食店などが設置される予定となっています。ギャラリーエリアを走行するSSは、14日(土)の「アルコピア-無数河(SS2/5)」と、15日(日)の「無数河-アルコピア(SS8/11)」に設定されています。観戦券は2,000円(2日間有効。プログラム・大会記念ステッカー付き。中学生以下無料)で、受付は現地で行なわれる予定です。
また、サービスパークの設置される「モンデウス飛騨位山スノーパーク」では、各サービス作業のほか、15日の14時55分から行なわれる予定のセレモニアルフィニッシュを見学することが可能となっています。そのほか、沿道での応援に便利な「競技車通過予定時刻マップ」が大会公式ウェブサイトからダウンロードできるようになっています。

詳しいイベント内容や観戦方法、注意事項などの情報は主催者の公式ウェブサイトでご確認ください。

第45回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2017 Supported by Sammy
http://mcsc-rally.net/

RACE RESULT

2017.10.15 -
第8戦 第45回 M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2017
総合順位 クラス順位 No. ドライバー コ・ドライバー 車両名 クラス DAY1 DAY2 総合
1 1 2 新井 敏弘 田中 直哉 富士スバルアライモータースポーツWRX JN-6 32:51.1 33:13.1 1:06:04.2
2 2 3 奴田原文雄 佐藤 忠宜 ADVAN-PIAAランサー JN-6 32:25.1 33:43.1 1:06:08.2
3 3 4 鎌田 卓麻 市野 諮 SYMS DL TEIN WRX STI JN-6 32:34.2 36:06.0 1:08:40.2
4 4 5 福永 修 齊田美早子 555☆OSAMU・F☆DLランサー JN-6 32:02.4 36:41.6 1:08:44.0
5 5 10 佐藤 兵馬 三谷 良一 茨城県土浦商工業ランサー JN-6 33:45.8 35:25.3 1:09:11.1
6 6 9 小濱 勇希 馬場 雄一 KYB DUNLOP WRX-STI JN-6 34:33.6 35:27.5 1:10:01.1
7 1 30 明治慎太郎 北田 稔 YHGd高崎くす子86 JN-2 34:49.2 35:27.7 1:10:16.9
8 7 8 中平 勝也 行徳 聡 R-ARTアライモータースポーツWRX JN-6 33:38.1 36:44.6 1:10:22.7
9 1 20 香川 秀樹 澤田 耕一 DLテインBRIG東京鋳造VTシビックR JN-4 34:54.1 35:32.8 1:10:26.9
10 2 22 石川 昌平 竹藪 英樹 ARTAオートバックス86 JN-4 34:40.0 35:55.1 1:10:35.1
22 8 1 勝田 範彦 石田 裕一 ラックSTI 名古屋スバル DL WRX JN-6 32:06.1 42:51.0 1:14:57.1
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