レッドブル・グローバル・ラリー・クロス第8戦は8月12日〜13日、ニュージャージー州のアトランティックシティにあるベイダーフィールドで開催され、パトリック・サンデルが第1レースで2位を獲得。スバルチームの進化を証明しました。

レース当日、ベイダーフィールドは悪天候に見舞われました。ここは元飛行場で、10ターンで形成されるトラックは、全長0.902マイル（1.45km）。路面はターマック（舗装）73.7％、ダート26.3％でした。ジョーカーラップはターン7の前のショートカットになり、通常コースに比べて0.854マイル（1.37km）短くなります。ジャンプはダートテーブルトップ式でした。

土曜日に行われた練習中、アトキンソンは トップとわずか0.1秒の差で2番手のタイムを記録。サンデルはトップと約1秒差の7番手タイムでした。予選では、アトキンソンは最初のアタックですぐに暫定2番手タイムをマークしましたが、その後他のマシンがこのタイムを上回り、彼は4位となりました。サンデルは 予選7位でした。

サンデルはヒート1Aで非常に良いスタートをきると、ホールショットを奪って#00スティーブ・アーピン（フォード）とのギャップを維持しました。しかし、アーピンは最終ラップでジョーカーを選んでサンデルの前に出ることに成功し、トップを奪いました。サンデルは2位でフィニッシュしました。ヒート1Bでは、アトキンソンも好スタートを切りましたが、水たまりで滑ってしまい4位に後退。#93セバスチャン・エリクソン（ホンダ）と接近戦を展開しました。アトキンソンは何度もオーバーテイクのチャンスを狙いましたが、4位のままフィニッシュラインを超えました。

ヒート2Aでは、アトキンソンは良いスタートを切ったものの後ろからプッシュされてしまいました。その後は3位を維持し、2周目に#34タナー・ファウスト（フォルクスワーゲン）の真後ろに接近。#2カボット・ビガム（フォード）と共にジョーカーを使って2位まで浮上することに成功しました。しかし最終ラップにファウストがジョーカーを選択して2位を奪還し、アトキンソンは3位でヒートを終えました。ヒート2B でサンデルはクリーンスタートを切り、#41スコット・スピード（フォルクスワーゲン）の後ろに入りましたが、スピードと共にコーナーをオーバーシュートし、4位まで後退してしまいました。サンデルは3周目にジョーカーを選択し、#93 エリクソンの前に出て3位に浮上しました。残り2周で#93エリクソンはジョーカーを選択しましたが、サンデルからポジションを取り戻すことは叶わず。最終ラップに#24 ミッチェル・デジョン（ホンダ）もジョーカーでサンデルの前に出ようとしましたが、サンデルはその攻撃をかわして3位でフィニッシュしました。

ヒート3は悪天候のためにキャンセル。準決勝Aで、アトキンソンはスタートダッシュを決めて、トップグループに入りました。アトキンソンは#34ファウストのすぐ後ろについてギャップを維持しながら走りましたが、ファウストは2周目にジョーカーを選択。これでアトキンソンに少し余裕ができました。しかし、アトキンソンは最初のターンで#00アーピンの後ろに当たったためストップ・アンド・ゴーペナルティを課されることに。それでもアトキンソンは#14オースティン・ダイン（フォード）を撃退し2位のポジションを守ってフィニッシュしました。サンデルは、準決勝Bで素晴らしいスタートを見せ、#41スピードの前に出ました。ターン2に入ったところでトップを奪い返されましたがサンデルは彼を離すことなくついていきました。時折#41スピードよりも速いラップタイムを記録しながら最後まで追いかけましたが、2位でのフィニッシュとなりました。

決勝レースでは、サンデルとアトキンソンは3番手と4番手に並んでスタートしました。スタート直後、#2ビガム（フォード）がサンデルに接触し、さらに最初のターンの前にアトキンソンに激しく衝突し、アトキンソンのリアサスペンションにダメージを受けてしまいました。何とか走行に戻ったアトキンソンですが、3周目にサービスエリアに戻り、そのままリタイアとなりました。スタート直後に他車と接触したサンデルはすぐに体勢を立て直すと、前列の競り合いをイン側からすり抜けてトップに出ました。サンデルは最初のラップで2.5秒のマージンを築き、そして2周目にそれを広げるためにジョーカーを選択しました。2番手を走る#41スピードとは5秒のマージンを作ることに成功しましたが、#41スピードが6周目にジョーカーを選択して、このギャップを2秒まで短縮。残り2周で両者のポジションは逆転。終盤サンデルはスピードとほとんど差のない状態で走りましたが、ポジションを奪還することはできず、2位でチェッカーを受けました。

レース後サンデルは、「いいスタートができてすぐにリードを作ることができました。レース大半をトップで走ったし、2位はいい結果だと思います」と話しました。アトキンソンは「ターン1の直後いいポジションにいたのですが、ヒットでリアサスペンションが壊れてしまいました。僕にとって残念な結果ですが、チームが表彰台に立てたのは最高ですね。二つの準決勝両方で2位、そして決勝も2位というのは決して悪い結果ではないと思います」と前向きにコメントしました。